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地方公共団体における情報システム等の共同利用の推進について【自治体事例の教科書】

2020/07/07

地方公共団体における情報システム等の共同利用の推進について【自治体事例の教科書】

地方公共団体全体においてデジタル・ガバメント構築を推進していく上で、各地方公共団体が情報システム等を個別に整備することは非効率であるとし、国では地方公共団体における情報システムなどの共同利用を推進していくべきと方針を出しました。これにより、システムの開発や導入にあたって検討や予算面の負担を軽減し、どの地方公共団体も同じレベルで行政サービスのオンライン化や、内部業務のデジタル化による効率アップを目指すものです。

【目次】
■地方公共団体におけるクラウドの推進について
■地方公共団体における業務プロセスと情報システムの標準化に向けて
■共同利用において重要となるセキュリティ対策
■地方公共団体におけるオープンデータの推進について

地方公共団体におけるクラウドの推進について

地方公共団体に求められているデジタル・ガバメントとは、単なる手続きオンライン化にとどまりません。行政サービスの手続きや申請の受付をはじめ、審査や決裁、書類の保存業務などのバックオフィス業務も含めた一連の業務を、エンドツーエンドで、デジタル処理に切り替えていくことが求められます。利用者の立場から見た場合には、行政のあらゆるサービスが最初から最後までデジタルで完結される100%デジタル化が求められるということです。

行政業務の自動化を通じて、利用者の利便性向上と職員の事務作業を軽減することが主要な目的です。残業の減少など働き方改革に寄与するとともに、自動化によって創出された時間や人材および財源を国民に寄り添う、より高品質できめ細やかなサービスの提供に充てられるメリットが生まれます。

地方公共団体におけるデジタル化は、現段階では先進的な取り組みを行っているところと、まったく進んでいないところなど大きな差の開きが出ています。地方公共団体の情報システム等の共同利用を推進することで、地方公共団体が同等のレベルで良質な行政サービスを提供できるようにすることが必要です。

国では、従来の業務プロセスの共通化・標準化や、複数団体が基幹系システムを共同で利用する自治体クラウドの導入などに取り組んできました。自治体クラウドを導入することで、費用の削減や業務負担の軽減が図られ、地方公共団体ごとにやり方が異なっていた業務の共通化や標準化を図ることができます。

共通のサービスである自治体クラウドは、セキュリティ水準の向上をはじめ、災害に強い基盤整備の観点からも必要なものです。そのため、総務省では内閣官房と連携しながら、各地方公共団体の長を直接訪問して、導入に向けた働きかけを行ってきました。導入に向けた計画策定の進捗状況を確認するとともに、業務の共通化や標準化と同等のサービス提供を図るためにカスタマイズの抑制や、情報システムの更新時期の配慮などを求めています。

地方公共団体におけるデジタル・ガバメントの推進における、3つの柱は次の通りです。

第一にマイナポータルの活用などを通じて、地方公共団体の行政手続きのオンライン化を推進すること。第二に複数の地方公共団体が共同でクラウド化を行う自治体クラウドの導入を進めること。第三として地方公共団体における業務プロセス・情報システムの標準化を図り、全国どこでも同等の高品質な行政サービスを提供できるようにすることです。

地方公共団体における業務プロセスと情報システムの標準化に向けて

自治体クラウドによる業務の共通化や標準化を目指す一方で、地方公共団体における情報システム等の共同利用を推進する上でも、業務プロセスと情報システムの標準化が求められます。

現在、市町村で地域情報プラットフォームを用いて利用されている業務とは、内閣府管轄の児童手当、総務省管轄の選挙人名簿管理、固定資産税、個人住民税、法人住民税、軽自動車税、厚生労働省管轄の国民健康保険、国民年金、障害者福祉、後期高齢者医療、介護保険、生活保護、健康管理、児童扶養手当と、内閣府および厚生労働省の子ども・子育て支援、文部科学省管轄の就学です。

令和2年度には内閣府、総務省、厚生労働省、文部科学省が市町村における地域情報プラットフォームで示されている業務に関して、現在の市町村の業務プロセスや情報システムのカスタマイズ状況の調査を実施することになりました。

この調査を踏まえ、さらなる行政サービスの利用者の利便性向上と、行政運営の簡素化と効率化に重点を置いた業務改革(BPR)のための業務プロセスおよび情報システムの標に取り組んでいくことが目的です。特に地方税、介護保険、国民健康保険、障害者福祉と就学業務については迅速な対応が求められています。さらに省庁ごとに管轄する業務につき、地方公共団体のシステム利用による業務の標準化を推進していきます。

その内容は以下の通りです。

総務省においては住民記録システムについて、令和2年夏頃までに地方公共団体と連携しながら標準仕様書を作成していきます。住民記録システムは地方公共団体における他の基幹系システムの基礎となるため、普及策や他システムとの連携させるための検討が必要です。

総務省では納税者による電子納税を可能とした地方税共通納税システムにおいて、対象税目を地方法人二税等から拡大させることを目指します。厚生労働省では国民健康保険に関する業務支援システムについて、標準システムを導入する意義と利用効果の周知徹底を進めていく予定です。ユーザーの意見を聴取して機能改善を行い、より効果を高めることを目指していきます。また、導入後に生じた課題を調査して、効率的な業務プロセスの見直しと、情報システムの設計改善につなげることとしています。

介護保険、障害者福祉に関する業務支援システムも、標準化・共有化に向けた検討体制が構築されました。住民記録システムの成果を確認した上で、標準的なクラウドシステムへの移行に向けた技術的作業を推進する予定です。

児童扶養手当、生活保護に関する業務支援システムについても、同様の流れが予定されています。文部科学省が管轄する就学に関する学齢簿の作成・就学援助認定に伴うシステムについても、地方公共団体の業務プロセスと情報システム整備実態を把握した上で、標準化・共有化に向けた取り組みを進めていきます。

共同利用において重要となるセキュリティ対策

マイナンバーの情報連携開始に伴う国と地方公共団体のデータ連携、官民を通じたデータ連携の加速化に加え、地方公共団体が同じネットワークを共同利用することとなれば、サイバー攻撃のリスクも高まるのが問題です。

個別のネットワークとは異なり、ひとたび攻撃がなされれば、地方公共団体全体のシステムがダウンし、行政サービスや業務機能が一気に停滞するリスクもあります。セキュリティ対策が万全のクラウドサービスの選択的利用をはじめ、新たな情報セキュリティ対策を導入するための検討も進められています。

地方公共団体におけるオープンデータの推進について

官民データ活用推進基本法の施行に伴い、地方公共団体では国と同様、保有するデータを国民も容易に利用できるようにオープン化を図っていかなくてはなりません。行政保有データの原則オープン化を基本に、オープンデータを活用した地方発ベンチャーの創出の促進と地域課題の解決に取り組んでいくことが求められます。

各府省では自府省に関連したオープンデータについて、地方公共団体に対して必要な働きかけや助言、サポートを行いながら、地方発のベンチャー企業の創出などに積極的に取り組むとしています。令和2年度までに地方公共団体におけるオープンデータ取組率を100%にする目標が掲げられました。

〈参照元〉

首相官邸_デジタル・ガバメント実行計画
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20191220/siryou.pdf)

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