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自動運転について・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/06/02

自動運転について・実施事例【自治体事例の教科書】

少子高齢化に伴い、運転者不足や公共交通機関の運営コストの重い負担など、さまざまな問題が浮上しています。これらの解決策として注目を集めているのが、自動運転によって行われる移動サービスです。自動運転サービスのレベルの高度化により、安全性や運送効率が向上し、実用化が見えてきました。自動走行システムを活用したサービスの実現に向けて、すでに実証実験も行われています。各自治体における実施事例をご紹介します。

【目次】
■群馬県前橋市
■茨城県日立市
■福井県永平寺町
■石川県輪島市
■沖縄県北谷町

群馬県前橋市

群馬県前橋市は、群馬大学と日本中央バスとの3者協定に基づき、国土交通省都市局の協力の下、路線バスによる自動運転の実証実験を開始しました。

前橋市が実験フィールドの提供や各機関の調整など、群馬大学が自動運転システム実証実験パッケージの提供や実証実験の実施など、日本中央バスが実際の運航に関する支援や運転者の提供などを担当しました。中央前橋駅からJR前橋駅を結ぶ約1kmのシャトル線の区間を、概ね30分に1本の間隔で運行。期間は平成30年12月14日から平成31年3月31日まで(週3~4日、通常ダイヤにて)で、3カ月を超える長期間、一般客が乗車する営業路線バスの実施は全国初の取り組みです。この実証実験での自動運転技術はレベル2(部分運転自動化)で、ドライバーが常に乗車して行われました。

実証実験の結果、バスの利用者は実験前の一日平均135.8人と比べて自動運転日は一日平均206.2人と大幅に増加。このことから自動運転に対し、利用者に一定の関心があることが明らかになりました。また乗客へのアンケートでは、自動運転バスに対する不安感の低下・安心感の向上が見られました。

自動運転バスはレベル4(高度運転自動化)の運行が目指されています。前橋市の今後の取り組みとしては、さらに区間を延長したシャトル線の実験運行を行った上で、磁気マーカーなどにより道路や信号と車輌を通信でつなぐ「路車間協調」の導入、そして多様な環境(複雑な経路やバス停での停車)での課題抽出などを行い、実用化を目指します。

茨城県日立市

経済産業省・国土交通省の連携により、「ラストマイル自動走行」(最寄り駅等と住宅等の最終目的地を結ぶ自動走行による移動サービス)のプロジェクトが開始され、茨城県日立市では、平成30年10月に「小型バス」を用いた自動運転による移動サービスの実証実験を実施しました。

日立市には日立電鉄線の廃線敷を利用したBRT(バス・ラピッド・トランジット:バスを利用した高速輸送システム)が整備されており、今回の実証実験ではこのコミュニティバス「ひたちBRT」専用道区間の一部を含むコースを利用しました。JR大甕駅から道の駅おさかなセンターまでの3.2kmを往復しました。途中で利用者の乗降はなく、一部区間では手動の運転も行われました。

実験車両は、周囲を広範囲に認識するためのセンサーやダイナミックマップなど自動走行に必要な技術を付加し、改造した既存の小型バス車両です。公道上に磁気マーカーを埋没し信号機の情報を取得するカメラを設置するなどインフラを整えることで、自動でルートを走行・走行速度40km/h以内での運行を維持します。自動運転機能はドライバー乗車のレベル4に相当します。

この実証実験での主要な目的として、「遠隔運行管理システムによる利用者を乗せた走行時の運行状況把握・車両内外の安全性確保」「道路上のセンサーや信号機と自動運転バスの連携による安全で効率の良い運行の実現」「自動運転バスへの乗降を考慮した新しい決済システムの実証」を挙げていました。

実証路線での採算性の検証を行ったところ、コスト試算上、運行経費は赤字。採算性を成立させるには量産化や複数台の運行管理、初期導入の補助金補てんなど自動運転システムと運行管理者の費用を削減できるかが課題となっています。

福井県永平寺町

福井県永平寺町では、「小型カート」を用いた「ラストマイル自動運転」の実証実験を行いました。平成30年4月には「遠隔監視・操作者1人が1台の自動運転車両を遠隔操作・監視」する実証実験を行いました。さらに同年11月には自動運転レベル4相当の技術を搭載した車両で「遠隔監視・操作者1人が2台の自動運転車両を遠隔操作・監視」する実証実験を実施しています。公道で1人の遠隔監視・操作者が複数の自動運転車両を運用する実証実験は世界初となりました。

実施場所は、京福電気鉄道永平寺線の廃線跡地の一部路線(永平寺参ロードの南側一部区間)約2kmの往復です。使用する小型カートはゴルフカートをベースに、誘導線検知・障害物対応・前走車追従のためのセンサー等、自動運転を可能とした技術を付加した車両を用いました。

1人の遠隔監視・操作者が複数台の車両を走行させるにあたり、警察庁が策定した基準に沿って管制システムにおける安全対策を実施。1台の車両について遠隔操作した場合に他の車両を自動的に安全に停止させ、操作後に2台を同時発進できる機能や、緊急車両のサイレンなどを検知した際に遠隔監視・操作者に対してどの車両で検知しているか注意喚起支援する機能等を付加しました。

事業性検討にあたり採算性を分析・検証した結果、現段階では収支は赤字になりますが、利用者を増やす工夫や商業施設等と連携した費用負担の体制構築により採算性成立は可能です。今後も開発が進み、社会実装が実現すれば、ドライバー不足の解消や需要への対応につながり、安心安全な交通手段の確保と地域の活性化が期待されています。

石川県輪島市

政府の目指す「ラストマイル自動運転」の実現に向け、いち早く実証実験を行ったのが石川県輪島市です。平成29年12月、経済産業省・国土交通省が国立研究開発法人産業技術総合研究所に委託して開発された自動運転レベル4相当の技術を搭載した電動の小型カートを用い、国内初の車両内無人による公道での自動走行の実証評価が開始されました。

輪島市では市街地モデルとして、複数のルートを利用した巡回が行われました。生活施設や観光地を回る電動カートがこれまで手動で使われていましたが、その一部において電磁誘導線を用いた完全無人の自動運転を実施。将来的にコースを拡大し、住民の移動手段や観光客が観光地を巡る手段として利用されることが期待されています。

沖縄県北谷町

沖縄県北谷町は平成30年2月から「ラストマイル自動走行」による移動サービスの実現を目指し、小型の電動カートを用いた実証評価を開始。北谷町の実証環境から「観光地モデル」と位置づけ、海沿いの遊歩道を利用したホテルからビーチや観光地への移動手段として実証実験が行われました。

「サンセットビーチ~ホテル~うみんちゅワーフ」「うみんちゅワーフ~サンセットビーチ~アラハビーチ」という非公道のルートを2段階に分けて実証実験を実施。平成31年1月からは運行事業者による長期(一カ月)の実証が実施され、事業化が可能かどうかの見極めが行われました。実用化されれば、住民の移動利便性向上や周辺施設利用による観光客の需要促進が期待され、地域の活性化が予想されます。

〈参照元〉

群馬県前橋市_H30自動運転バス実証実験概要
(https://www.city.maebashi.gunma.jp/material/files/group/9/6siryou2.pdf)

経済産業省_ラストマイル自動走行
(https://www.meti.go.jp/press/2018/08/20180827002/20180827002-1.pdf)

国土交通省_茨城県日立市における実証実験(ラストマイル自動運転)
(https://www.mlit.go.jp/common/001250440.pdf)

国土交通省地方運輸局_福井県永平寺町における実証実験(ラストマイル自動運転)
(https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/press/pdf/gian20181114.pdf)

国土交通省_ラストマイル自動運転について
(https://www.mlit.go.jp/common/001178889.pdf)

首相官邸_今年度実証の成果と次年度実証について
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/jidousoukou/dai8/siryou1.pdf)

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