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自治体クラウドにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

2019/6/12

自治体クラウドにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

近年、複数の市町村が「自治体クラウド」を構築・運用する事例が増えています。どうすれば行政コスト削減効果や業務効率化など自治体クラウド導入のメリットを最大化できるのか? 事例などを通じて、そのポイントを探りました。
 
【目次】
■自治体クラウドとは
■事例①【18町村が参加】埼玉町村会(埼玉県)
■事例②【県域を越えた連携】橋本市(和歌山県)×大和郡山市(奈良県)
■事例③【中核市での共同利用】岡崎市(愛知県)×豊橋市(同)
■事例④【人口規模の差を超越】新潟県市町村情報システム共同利用連絡会議
■テーマ「#自治体クラウド」に関する関連記事

自治体クラウドとは

自治体クラウドとは、従来、自治体ごとに庁舎内に電算機を設置し、個別にプログラムされたソフトで処理してきた住民基本台帳・税務・福祉などの自治体の情報システムやデータを外部のデータセンターにおいて管理・運用し、複数の自治体で共同利用する取り組みです。

自治体クラウド導入のおもな効果は、以下4つが挙げられます。
①情報システムの運用コスト削減
②集中監視による情報セキュリティ水準向上
③庁舎が被災するなどしても業務継続が可能
④参加団体間での業務共通化・標準化

経費削減効果については、次のようなデータがあります。平成28年に自治体クラウドに参加している自治体グループの経費削減効果を総務省が調査したもので、導入前と比較した削減率について、40%以上と回答したのは11グループ、40~30%が18グループ、30~20%が7グループ、20%未満が9グループとの結果になっており、高い削減効果が見込まれています。

自治体クラウドを導入する自治体は年々増加しています。平成26年時点の導入自治体は211団体・45グループでしたが、平成30年3月時点では導入団体数は約1.8倍増の379団体、グループ数は約1.4倍増の62グループに増加しています。

また、自治体クラウドの導入を支援する地方財政措置として、平成30年度地方財政計画において「自治体情報システム構造改革推進事業」として1,500億円が計上され、一部の経費について支援が受けられます。

対象経費は5つです。
①共同化計画
②導入コンサルタント
③データ移行
④実務処理研修
⑤新システムの安定稼働のためのコンサルタント

次に、事例を通じて導入自治体の費用削減効果やそれぞれの取り組みの特徴などを紹介します。

事例①【18町村が参加】埼玉町村会(埼玉県)

平成25年10月に嵐山町と吉見町の2自治体から導入が開始された埼玉町村会の自治体クラウドには多くの自治体が参加しています。参加自治体は、いずれも埼玉県内の、吉見町、鳩山町、ときがわ町、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、美里町、上里町、寄居町、宮代町などの18町村。人口総数は合計34万人以上に上ります。

対象業務は基幹系システム全般の29業務。費用削減効果は18団体・5年間で44.6%減に達しています。また、事業者に対する交渉力アップが図られたといった副次的な効果もありました。自治体クラウドについての定例協議会がシステム担当者の交流の場にもなっており、事例共有やノウハウの交換などが行われています。

スケールメリットによる調達・運用費用の削減、住民サービスの向上、情報システム職員の負担軽減と情報システムに関する知見の向上が図られている事例と言えます。

事例②【県域を越えた連携】橋本市(和歌山県)×大和郡山市(奈良県)

橋本市(和歌山県)と大和郡山市(奈良県)は県域を越えた自治体クラウドを構築しました。

橋本市が平成26年10月から、次いで大和郡山市が平成27年9月から導入を開始しました。対象業務は基幹系システム全般の22業務。費用削減効果は両市全体で約30%(橋本市で31%、大和郡山市で26%)が見込まれています。人口総数は両市を合わせて約15万5,000人に達します。

クラウド導入によって確保できた人的・時間的・財政的なリソースを活用し、コンビニ交付やコンビニ収納など新たな住民サービスの導入が実施ができるようになったほか、導入によるBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリングの略。業務全体の見直しによる効率化・最適化を図ること)として、帳票関連と総合収納のアウトソーシングを実施し、一層の人的・時間的・財政的なリソースも確保できました。データセンター活用と自庁バックアップサーバーの併用による業務継続性も確保しました。

両市の自治体クラウドには、
①県域を越えた自治体クラウドの実現
②中間標準レイアウトを活用したカスタマイズの抑制
③アウトソーシング等の推進による人的・時間的・ 財政的なリソースの確保
などの特徴があります。

業務標準化によるシステム改修費やハードウェア費等の維持費削減、データセンター活用による災害時の業務継続・データ保全、クラウド化によるBPRとしてのアウトソーシング推進を実現した事例だと言えます。

事例③【中核市同士】岡崎市(愛知県)×豊橋市(同)

岡崎市(愛知県)×豊橋市(同)の自治体クラウドは、全国初の人口30万人以上の中核市での共同利用です。両市はともに、それぞれ人口総数は約38万人で、合算すると約76万人に達します。

両市による自治体クラウドの対象業務は国民健康保険・国民年金、税総合で、各業務処理について平成24年7月から、順次、自治体クラウドに移行しました。

費用削減効果は、国民健康保険・国民年金システムではイニシャルコストで56%減、5年間のランニングコストで25%減、トータルで46%減が実現しました。

また、税総合システムではイニシャルコストで15%減、5年間のランニングコストで70%減となり、トータルで45%減が図られました。

その他の効果として、①データセンタ活用による安全性確保、②バックアップの保全についての具体的検討 や自治体間での相互バックアップの協定について検討―といった2点が挙げられます。

システム刷新に必要な各種検討を共同で行い、業務改善や経費節減を図るための手段・方法を整理した事例だと言えます。

事例④【人口規模の差を超越】新潟県市町村情報システム共同利用連絡会議(新潟県)

新潟県内の長岡市、三条市、見附市、 魚沼市、粟島浦村では、人口約28万人の長岡市から同約4,000人の粟島浦村までが参加する人口規模の差を超越した自治体クラウドを実現しました。

まず平成27年1月から三条市と粟島浦村で自治体クラウドの導入・運用が開始されました。5団体・10年間で約50%の経費削減が見込まれています。対象業務は基幹系システム全般と団体単独実施業務です。

その他の効果として、本共同化が波及し、eLTAX・国税連携システム(県内13団体、平成26年から)や財務会計システム(県内6団体、平成28年から)等の共同調達・共同化が実現しました。

この自治体クラウドでは、納得感のある各団体の負担割合の設定により、人口規模の差を超越した自治体クラウドが実現しました。

また、①団体単独システムのクラウド化を実現した、②後発団体が参加できる仕組みを当初から設定した―といった特徴もあります。

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自治体業務にさまざまなICT技術の導入が進んでいますが、これについて先進的な自治体トップや担当者、支援企業に取材した「自治体通信Online」掲載の事例記事を紹介します。是非、参考にしてください。

ソリューション分野

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サービス名[提供社]

端末トレーサビリティソリューション
[提供:アラクサラネットワークス(株)]

導入自治体例

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<引用>
総務省 地域力創造グループ 地域情報政策室 「自治体クラウドの導入促進の取組」平成30年6月26日    等

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