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ICTを活用したデータヘルス事業について【自治体事例の教科書】

2020/06/29

ICTを活用したデータヘルス事業について【自治体事例の教科書】

さまざまな業界から注目を集められるようになったデータヘルス事業。とくに近年では、ICTを活用したデータヘルス事業に注目が集まっています。今回は、このICTを活用したデータヘルス事業に焦点をあてて、どのような取り組みが行われているのかご紹介していきます。

【目次】
■ビッグデータを健康に役立てる
■メタボリックシンドロームをデータヘルスで改善させる
■企業と協力しながら行うデータヘルス
■データヘルスを推し進めていくうえで必要なPDCA
■データヘルスを導入することのメリット

ビッグデータを健康に役立てる

近年、さまざまな業界から大きな注目を集めているものに、ビッグデータがあります。20世紀末期に人間が営む文明は情報社会に移り変わったと定義されてきました。パソコンを通じて多くの情報が行きかうようになり、人々の交流は盛んになっていったのです。一方で、膨大になっていく情報をどのように整理していくかという点については課題がありました。人間には膨大なデータを処理するだけの能力はありません。たくさんのデータが集まったところでそれらの間にどういう関連性があるか、それらをどのように役立てればいいかにはつながらなかったのです。

ところが、近年になって人工知能のレベルが上がったことによって、こうした課題は解決しつつあります。人工知能の情報処理能力は人間よりも優れているので、これまで以上にスムーズなデータ分析が可能になりました。現在ではさまざまな業種が人工知能を使ったデータ解析を利用しつつ、ビジネスをより効率的に行おうと努めています。たとえば利用客がどのような商品を買う傾向にあるかを分析するだけでも、利益につなげられやすくなるのです。もちろんこうしたビッグデータは行政にも活用させる必要があるでしょう。とくに、健康事業に活用させる余地は十分にあります。今回はデータを活用し健康につなげる試みをデータヘルスと呼んだうえで、どのような事業を作り出せるかを考えていきましょう。

メタボリックシンドロームをデータヘルスで改善させる

近年医療業界の間で注目されるようになった症状に、メタボリックシンドロームというものがあります。メタボリックシンドロームは簡単に言えば代謝が悪くなっている症状です。一般的には腹囲が一定の数字以上であるとメタボリックシンドロームに該当すると考えられています。もちろん、それで間違いではありませんが、メタボリックシンドロームの危険性は合併症を併発しやすいことです。内臓脂肪が多い人は、合わせて高血圧や心臓病、そして脳卒中になりやすい傾向にあります。

こうした将来を防ぐためには、中年になる前に代謝機能を改善させなくてはいけません。メタボリックシンドロームを予防するためには、継続的な生活習慣の改善が対処療法としては望ましいとされています。そこにこそデータヘルスを導入する余地があるでしょう。たとえばスマートフォンのアプリなどを開発したうえで、メタボリックシンドロームに該当する患者にそれをインストールしてもらいます。そして日々の体重や腹囲を計測し、入力してもらって経過を観察するだけでも、十分なデータを得られます。

もう少し踏み込んだ活用例としては、アプリを通して医師のアドバイスを受けられる機能も盛り込むというものがあるでしょう。こうすることで、運動をしたほうがいいというアドバイスを送った時に、患者の身体測定の結果はどのように変化したかがしっかりとデータに残るようになります。また、1日の食事内容を写真で送ってもらう機能も盛り込む余地もあるでしょう。どういった食事がメタボリックシンドロームにつながりうるかを見極めることで、以後の診療に役立てられます。

企業と協力しながら行うデータヘルス

データヘルスは医療業界以外の一般企業でも導入するところが多くあります。企業にとっても従業員の健康状態の管理は業績にも直結しますから、敏感になるのは当然と言えるでしょう。そこで政府は多くの企業の健康保険組合と協力しながら、さまざまなデータヘルス事業を実験してきました。

まず企業と協力して事業を行う前に、ワークショップを行う必要があります。ここでお互いがどのようなデータヘルスの活用を目指しているかといった情報の共有をしなくてはいけません。こうしたワークショップを行うことで、方針のすり合わせを行うだけにとどまらず、新たなアイディアを生み出す機会にもなるため、政府と企業の双方にとって有益です。また、政府と企業が一対一で事業を行うだけでなく、さまざまな企業がデータヘルス事業に参画するという試みが行われたこともありました。まだまだデータヘルス事業は模索しなければいけない部分があるため、さまざまな業界との情報を交換しなければいけません。

その他、ICTの知見を有する専門家の協力を仰ぐ必要もあるでしょう。どのような機器を導入したほうが成果が上がりやすいか、どのような機能を盛り込んだら利用者にとって使いやすいものになるかといったことを常に検証する必要があります。行政だけでデータヘルスを行おうとするとデータを集めるための人数にも限界がありますし、事業を発展させるためのアイディアも限られてきます。今後もこのような他業種との交流は積極的に行っていく必要があるでしょう。

データヘルスを推し進めていくうえで必要なPDCA

データヘルスを効率的に行っていくためのノウハウとして、PDCAというものがあります。まず計画(Plan)を建てたうえで、その計画を実施(Do)、実施した内容と計画のすり合わせ(Check)をしたうえで、計画と実施の齟齬をどう修正(Act)していくかというものです。ビジネスマンが仕事をするうえでは基本的な流れと言えるものでしょう。そして、こうしたノウハウは健康状態の改善にも役立つのです。

とはいえ、こうしたPDCAを逐一組み立てていくのは一苦労です。たとえば紙に計画を書き、実施した内容を記録し、振り返った末にどういう修正案が生まれるかといったことを記載するとしましょう。それだけでも負担になりやすいので、データヘルスを面倒に感じてしまう人も出てきてしまいかねません。

そこで、ICTを活用しもっと簡単にPDCAを行えるようにするという解決策が挙げられます。とくに、近年ではスマートフォンを利用する人が一般的になっており、ビジネスの記録などもメモアプリで済ますという人が少なくありません。そういった方々が気軽に記録を行えるようになるという意味でも、アプリを開発するメリットは十分にあるでしょう。

データヘルスを導入することのメリット

以上、さまざまな症例に合わせたデータヘルスの活用例を見てきました。いずれの例についても患者の健康状態を改善できる可能性があると見ていいでしょう。ただ、データヘルスを活用するメリットはそれだけにとどまりません。一番のメリットは社会保障費をより効率的に割り当てられることです。日本の社会保障費は年々膨れ上がる傾向にあります。これを少しでも削減するためには、データに依拠した効率的な予算の組み立てが欠かせません。

たとえば、症例ごとにデータヘルス事業を行ったとしましょう。この地域では糖尿病が多い一方で、心臓病の死亡率は低いというデータが出たとします。ならば、糖尿病に関する予算を多くする一方で、心臓病に関する予算は削減できる余地があるでしょう。このような取り組みを行っていくうえで、少しでも社会保障費の増大を食い止められるのです。

〈参照元〉

厚生労働省_レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業公募説明会
(https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000521021.pdf)

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