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学校現場のICT環境整備について(タブレット端末)・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/06/19

学校現場のICT環境整備について(タブレット端末)・実施事例【自治体事例の教科書】

新学習指導要領では、情報活用能力が「学習の基盤となる資質・能力」と位置付けされ、「各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図る」ことが明記されました。このことから今後の教育現場では、積極的にICTを活用することが想定されています。各自治体はタブレット端末についてどのように整備を進めているのか実施事例を見ていきましょう。

【目次】
■事例1 福岡県飯塚市【2020年度までに国の水準達成を目標に】
■事例2 東京都葛飾区【2020年度までに1人1台環境を目指す】
■事例3 滋賀県長浜市【財政状況を勘案しつつ段階的に整備を進める】
■事例4 岐阜県神戸町【大学と連携して効果的な導入を目指す】

事例1 福岡県飯塚市【2020年度までに国の水準達成を目標に】

飯塚市は、グローバル化やICT化の発展を念頭に置き、ICTの活用による効果的な学習を実施するため、タブレット端末の機器の整備を進めています。2018年度から2022年度までの5か年計画を飯塚市地域情報化計画として取り組みます。

平成26年度までの飯塚市は、全小中学校のパソコン教室にデスクトップパソコンが1校あたり41台設置されていました。しかし、パソコン教室にデスクトップパソコンを設置したため、ICT活用の場がパソコン教室に限られるという問題がありました。そこで、平成27年度、28年度に実証研究校への先行導入として、4校の小中学校にタブレット端末を配備しました。1校あたりタブレットPCを41台整備し、4校で合計164台となりました。

実証研究後のアンケートでは、90%以上の生徒が、「ICT機器を使った授業は、楽しい、わかりやすい」と回答しました。また、特別支援学級においてICTを活用したところ、生徒の学習意欲が高まり、理解の程度に応じて、きめ細やかな指導および学習ができると効果的でした。

2年の実証研究の成果をもとに、タブレット端末は飯塚市内全小中学校に順次導入されています。これは飯塚市内の29の小中学校で、タブレットPCを1校あたり40台程度整備するものです。各学校のパソコン教室に整備しているデスクトップPCをタブレットPCへ入れ替えて、タブレット端末の整備を行っているところです。

しかし、平成30年3月の時点で、飯塚市の1台あたりの児童生徒数は35.2人であり、これは全国平均(14人)と比較し約2.5倍の格差が生じているため、今後タブレットPCの整備を急ぐとしています。

2020年度までに、国が目標として設定した水準である、3クラスに1クラス分のタブレット端末の整備を達成する計画です。これは小学校2400台、中学校1100台のタブレット端末の配置となります。

事例2 東京都葛飾区【2020年度までに1人1台環境を目指す】

葛飾区教育委員会は、今後の社会や教育を取り巻く環境の変化を見据えた学校教育の実践を見据え、平成31年度から5年間を計画期間とする、情報化分野の行動計画である「かつしか教育情報化推進プラン」を策定しました。

平成29年度には、各小学校に教員用タブレット端末と、中学校には生徒用タブレット端末を1校あたり40台導入しました。平成30年度には、小学校に生徒用タブレット端末を1校あたり40台導入しました。このように葛飾区においては、すでに学校に40台ずつ生徒用タブレット端末を整備しています。

しかし、国の指針である、3クラスに1クラス分程度の生徒用タブレット端末の整備に向けて、2020年度までに必要数の整備を目指す、としています。3クラスに1クラス分程度というのは、授業展開に応じて必要な時に「1人1台環境」を可能とする環境として国が示した指標です。現行の生徒用タブレット端末の入れ替え時期にあわせ、3クラスに1クラス分程度の生徒用タブレット端末の整備を目指します。

事例3 滋賀県長浜市【財政状況を勘案しつつ段階的に整備を進める】

平成29年度の調査によると、長浜市のICT機器の整備状況について、教員の校務用パソコンの整備率以外は県・全国の平均を下回っています。教育用パソコン1台あたりの児童生徒数として、国の目標は、3.0人ですが、長浜市は6.6人で、県平均の5.6人も下回ります。

市内すべての小中学校にパソコン教室が設置され、児童生徒用のデスクトップパソコンが整備されていますが、長浜市の整備環境は大きく遅れていると報告しています。パソコン教室ではない普通教室については、市教育委員会主導によるICT機器の整備は行っておらず、各校の配当予算の中で対応している状況です。

各校では教員が教室にノートパソコンを持ち込み、デジタルテレビの画面やプロジェクターで画像等を映し出して授業を行っています。しかし、使用できる機器の数が制限されており、活用には学校や教員間で差があります。

国はICT環境整備の段階的な導入として、次のように説明しています。

Stage1は電子黒板、各教室PC1台です。
Stage2は電子黒板、グループタブレットPC1台、無線LANです。
Stage3は電子黒板、授業展開に応じて必要な時に1人1台のタブレットPC、無線LANです。
Stage4は電子黒板、1人1台のタブレットPC、無線LANとなります。

したがって、日常的にICTを活用した授業が可能な環境、とくに長浜市においては授業での拡大提示が可能になるような電子黒板の環境整備をまず早急に行う必要があります。財政状況を勘案しつつ、市の実情に応じたICT環境整備を段階的かつ早期に進めたい、としています。今後、国のICTを活用した教育の推進への具体的な整備目標を目指して、整備していく必要があります。

事例4 岐阜県神戸町【大学と連携して効果的な導入を目指す】

神戸町では、より良いまちづくりを総合的かつ計画的に推進するため、学校教育の充実に向けた主要な施策として「教育環境のICT化を進め、情報活用能力を高める授業の推進」を掲げています。

神戸町では平成25年度より小中学校へのICT環境の整備を進め、平成28年度には電子黒板を全小中学校に配置しました。また、平成29年度にはモデル校の中学校1校にタブレット端末を整備し、さらに平成30年度以降には小学校へのタブレット端末の整備が計画されています。現場の教職員向けに研修会を実施するなど、積極的に環境整備を推進しているところです。

導入にあたっては、ICT導入推進担当者が近隣大学との連携を行い、体制を整えてきました。タブレット端末の導入に向けて、大学からiPadを借用し指導の研究を行うなど、効果的に導入するための事前検証を行いました。

導入後、授業や各種活動における積極的な活用につながっています。生徒からの声も好評で、「文字ばかり見ているよりも実際に動くものを見たりできるので興味がわく」と、興味関心を促しています。教職員の声としては、「今までの紙での配布や資料作成からICT機器を活用することで授業準備が効率化された」「授業中子どもたちの笑顔や取り組み姿勢が向上した」と評価されています。

課題としては、学校による格差やICT機器に不慣れな教職員の活用頻度の問題、生徒のICT活用能力の差などがあります。神戸町は、ICT機器を利用することだけが目的ではなく、「情報を主体的に捉えながら何が重要かを主体的に考え、見いだした情報を活用しながら他者と協働し、新たな価値の創造に挑んでいくこと」の重要性、情報技術が生活の身近なものとなっている中で「情報技術を手段として活用できるようにしていくこと」の重要性、情報技術の進展に応じて「情報モラルを身につけていくこと」の必要性を大事にしていきたいとしています。

<参照元>

福岡県飯塚市_飯塚市学校ICT環境整備推進計画
(http://www.city.iizuka.lg.jp/gakuji/documents/suisinkeikaku.pdf)

東京都葛飾区_かつしか教育情報化推進プラン
(http://www.city.katsushika.lg.jp/_res/projects/default_project/
_page_/001/020/390/puran.pdf
)

滋賀県長浜市_長浜市学校ICT環境整備計画【第1次】
(https://www.city.nagahama.lg.jp/cmsfiles/contents/0000006/6252/ICTseibikeikaku.pdf)

岐阜県神戸町_神戸町学校ICT整備計画
(https://www.town.godo.gifu.jp/politics/pdf/28_01-h30.pdf)

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