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ファミリーサポートセンターにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

ファミリーサポートセンターにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

地域の住民が子育てを助け合うファミリーサポートセンター事業を活性化させるには? 制度の概要・経緯や事例に基づいてその姿を探りました。
 
【目次】
■ファミリーサポートセンター事業とは?
■事業の成り立ち
■事例【ながのこどもの城いきいきプロジェクト】 長野市(長野県)

ファミリーサポートセンター事業とは?

ファミリーサポートセンター事業は子育てを手助けしてほしい人(依頼会員)と子育てに協力してくれる人(提供会員または援助会員)をつないで、依頼会員と提供会員の活動をサポートするための連絡・調整を行い、地域の中での子育てを支援する事業です。実施主体は特別区を含む市町村で、平成28年度で833市区町村が実施しています。

子育てに協力する提供会員になるのに資格は必要なく、一定の養成講座を受講すれば会員になることができます。依頼会員は生後3か月~小学校6年生までの子どもを育てる人がなれます。自治体によっては生後6か月からのところもあります。依頼会員と提供会員の両方に登録している両方会員もいます。

実際の補助活動の内容としては、保育園・幼稚園までの送迎や、幼稚園・小学校の開始前や終了後の子どもの預かりが主です。保育園や幼稚園のように1日子どもを預かるというよりは、すき間の時間に補助的に子ども預かることを目的としたものです。

また保護者の急病や休養の場合の子どもの預かりや、病気になった子どもの預かりなど、早朝や夜間の緊急時にも対応しています。これは平成21年度から病児・緊急対応強化事業として実施されています。しかし市町村によっては提供会員の不足により、対応してないところもあるようです。

子どもを預かる場所は提供会員の自宅になる場合が多いです。

料金は1時間あたり500~900円程度で曜日や時間帯、子どもの状態によって異なります。ファミリーサポートセンター事業は報酬を目的にしたものではなく、善意から行うボランティア的な側面が強く、地域の中での助け合いを目標にしています。

事業の成り立ち

ファミリーサポートセンター事業は、時代の流れによって夫婦共働きや核家族が増加し、周囲から育児をサポートしてもらうニーズが高まったことによって始まりました。

ファミリーサポートセンター事業は、平成26年度に「保育緊急確保事業」として実施されることになり、「子ども・子育て支援新制度」の開始に伴って、平成27年度からは、「地域子ども子育て支援事業」として実施されています。

事例【ながのこどもの城いきいきプロジェクト】 長野市(長野県)

長野市(長野県)のファミリーサポートセンター事業は、平成21年度からNPO法人「ながのこどもの城いきいきプロジェクト」に委託して実施しています。

こどもの城はこども広場の指定管理者で、ファミリーサポートセンターはこども広場に開設しています。平成28年12月末時点での依頼会員が1,406人、提供会員が391人、両方会員が84人の計1,881人となっています。

こども広場の指定管理者がファミリーサポートセンターの運営を行っている点や、土日にも会員登録や利用相談ができる点が特徴的です。

提供会員の募集は「広報ながの」や地元新聞、子育てに関する総合的なガイドブックを利用しています。保健センターや公民館でも行っています。

提供会員の養成講習は年3回、2月と5月と9月に行っています。入会説明会は全13回行っており、子どもがいる方の利便性も考えて、こども広場や保健センターでも実施しています。定期的に会員どうしの交流会も行い、日頃の活動について嬉しかったことや、苦労したことなどの情報を共有しています。イラストシートを使用しながら、子どもの事故や怪我の可能性が高い危険箇所を確認するグループワークも行い、援助活動の向上にもつなげています。

近年は、依頼会員と両方会員の合計は頭打ち傾向ですが、提供会員が少しずつ増えてきています。

依頼会員からは「いざという時に頼れる場所があるという安心感がある」「いろいろな企画があり、交流会がとても楽しかった」「ファミサポのおかげで仕事を続けていられる」などの声があります。提供会員からは「以前サポートしていたお子さんが大きくなってから声をかけてくれてうれしかった」「交流会で日頃の活動について話ができてよかった」「子どもを預かる自信が持てるようになった」という声があります。
 

<引用>(最終閲覧日:2019年4月24日)
同志社政策科学研究 「ファミリー・サポート・センター事業の歴史的経緯と課題」平成25年9月20 日    等

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