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コンパクトシティにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

2019/5/16

コンパクトシティにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

人口減少、少子高齢化社会においても活力あるまちづくりを実現するため、都市機能の集約、つまり“コンパクトシティ”の推進が重要な課題となっています。そのためには、どのような都市計画が必要なのか? 小規模自治体と中核都市の事例などを通じて、そのポイントを探ります。
 
【目次】
■コンパクトシティの意義・目的とは
■事例①【徒歩で暮らせるまちづくり】鷹栖町(北海道)
■事例②【地域特性を踏まえた集積】宇都宮市(栃木県)
■「安全・安心のまちづくり」を支えるシステム

コンパクトシティの意義・目的とは

現在、日本は急激な人口減少・高齢化に直面しており、そのなかでも持続的に成長し、人々の生活の質を高めていくことが求められています。そのためには持続的な成長を実現できるよう、社会インフラが賢く使える都市空間の形成を進めていく必要があります。

その具体策のひとつとして、集約型の都市構造である「コンパクトシティ」の形成が考えられています。コンパクトシティの実現により、健康で快適な生活の実現、財政・環境面での都市の持続可能性の向上、地域経済の下支え等の効果が期待されています。

コンパクトシティの定義については、論者や文脈によって異なりますが、一般的には、
①高密度で近接した開発形態
②公共交通機関でつながった市街地
③地域のサービスや職場までの移動の容易さ
という特徴を有した都市構造のことを示すと考えられています。

コンパクトシティの形成には、ある程度の人口がまとまって居住することにより、福祉・商業等の生活サービスの持続性の向上が期待できます。

また、これらの生活サービスに徒歩や公共交通で容易にアクセスできるようになることで、

①外出が促進され健康の増進につながるという生活面での効果
②除雪や訪問介護等の公的サービスの効率化
③公共施設の再配置・集約化等による財政支出の抑制につながるという財政面での効果
④徒歩や公共交通による移動を促進し、過度な自動車への依存が抑制され、二酸化炭素排出量の削減につながるという環境面での効果
⑤サービス産業の活性化と外出の増加による消費の増加という経済面での効果
など、多岐にわたる利点があるとされています。

次に、コンパクトシティの効果があった小規模自治体と中核都市の事例を紹介します。

事例①【徒歩で暮らせるまちづくり】鷹栖町(北海道)

人口約7,000人の鷹栖(たかす)町(北海道)では、居住や都市の生活を支える機能の誘導によるコンパクトなまちづくりと地域交通の再編との連携による「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」のまちづくりを進めています。

都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、市街地と農村部が調和のとれたまちづくりを進めています。町の構造としては、市街地の人口割合が高く、都市計画においても非常にコンパクトなつくりとなっています。

また、北海道第二の都市である旭川市に隣接した立地、子育てや福祉の充実、道内各地へのアクセスの良さ等、町の優位性を活かした施策を展開しています。

町の構造としては、市街地(鷹栖地区お呼び北野地区)の人口割合が高く、都市計画においても非常にコンパクトなつくりとなっています。そのため福祉施設や公共施設、子育て施設などが徒歩圏内に位置しており、子どもから高齢者まで安心して暮らすことができます。徒歩で暮らせるまちづくりにより、高齢者の健康増進が期待でき、第7次鷹栖町総合振興計画の基本目標のひとつである「いきいきとした生涯元気なまちづくり」につながります。

また、両市街地は路線バスで結ばれ、農村部と市街地はデマンドの町営バスが運行しており、拠点を結ぶ交通環境が整備されています。

事例②【地域特性を踏まえた集積】宇都宮市(栃木県)

人口約50万人の宇都宮市(栃木県)では、将来の都市の姿として掲げる「ネットワーク型コンパクトシティ」の具現化を進めるための取り組みとして、都市機能に関わる「立地適正化計画」の策定を段階的に進めており、平成29年3月に都市機能誘導区域、平成31年3月に居住誘導区域に関する計画を策定し、居住や医療・福祉、商業などの都市の生活を支える機能の立地誘導により、コンパクトなまちづくりを推進しています。

同市では、上位計画や都市づくりの課題、これまでの都市の成り立ちを踏まえ,人口減少や少子・超高齢社会に対応した都市の姿として「便利で暮らしやすく100年先も持続的に発展できるまち、ネットワーク型コンパクト シティの実現」を都市づくりの理念としています。

宇都宮市の都市構造は、高度な都市機能が集積した都心部と、それを囲み都心部から放射状に伸びた道路や市内を巡る環状の道路網などで結ばれた古くからの地域(合併前の旧 町村)から成り立っています。

こうした都市の成り立ちを踏まえ、都心部への一極集中ではなく、旧町村の中心部などの各地域の既存コミュニティなどに拠点を位置付け、地域特性を踏まえた各種の都市機能の集積を進めるとともに、過度な自動車依存を転換し、都市の骨格となる交通網から日常生活の身近な移動を支える交通網まで、階層性を持った交通ネットワークによって拠点間の連携・補完を推進しています。

具体的には、①都市や地域の拠点に地域特性に応じた都市機能の集積、②高い利便性が得られる拠点や公共交通沿線などに居住を集約、③公共交通などにより安全・快適で自由な移動の実現、④農地や森林などの緑豊かな自然と市街地の調和、⑤環境にやさしく災害に強い持続可能で効率的な都市運営―といった5つの柱となる事業や施策を推進しています。

その内容は次のとおりです。

①公共交通によるアクセス性の高い都市や地域の拠点などにおいて、地域特性に応じて高次な都市機能や日常を支える生活利便機能の誘導・集積を進めています。
拠点相互に役割を補完しながら、市全体で医療・福祉、商業等の生活サービスが安定的に提供され、市民が住み慣れた身近な場所で安心・快適な暮らしが送れるとともに、都心部や身近な地域の拠点において活力や賑わいを創出することがその目的です。

②市民の多様なライフスタイル・居住選択を尊重しながら、高い利便性が得られる都市拠点や地域拠点、公共交通で結ばれた沿線市街地などに時間をかけて緩やかに居住を誘導・集約しています。
生活サービスや地域コミュニティが持続的に確保された魅力的で快適な都市空間を維持・確保することが目的です、

③過度に自動車に依存することなく、誰もが安全・快適で自由に移動できる環境の創出に取り組んでいます。
そのため、身近な拠点等への都市機能の誘導・集積とともに、拠点間の連携や役割の補完、拠点等における回遊性向上を図るため,鉄道やバス等の公共交通を基本に地域内の身近な交通などによる拠点内外のアクセス性の確保や、歩行環境や自転車利用環境の向上を推進しています。

④市民の多様なライフスタイルに応じた居住選択が可能となる土地利用を促進しています。
そのため、身近な里山や農地などの緑豊かな自然環境が残されている郊外部等において、自然と調和した良好な生活環境が維持されるよう、郊外部等の農地や緑地の維持・保全などによる付加価値の向上を図っています。

⑤道路・上下水道などのインフラ等の効率的な維持管理や行政サービスの効率的な提供等により、人口減少や高齢化に対応した都市構造を形成し、環境にやさしく災害に強い持続可能な都市運営を推進しています。
そのため、既存の施設やインフラ等のストックの有効活用とともに、都市の省エネルギー化や地域防災機能の強化に係る取組と連携を図りながら,拠点等への民間機能の誘導・集積や公共施設の適正配置、民間活力によるネットワークの構築などを進めています。

これらの取り組みに加え、市民の多様な暮らし方やライフスタイルを尊重しながらメリハリのある居住地を維持・形成することにより、郊外に広がる農地や森林などの自然環境との調和を図りながら、市民生活に必要な機能を充足できるとともに、市民生活の質や都市としての価値・活力を高めることのできる都市空間の形成を目指しています。

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コンパクトシティなどの“まちづくり”について、自治体トップや担当者、支援企業に取材した「自治体通信Online」掲載の事例記事を紹介します。是非、参考にしてください。

ソリューション分野

光無線による通信網の構築

サービス名[提供社]

光無線通信
[提供:太陽誘電(株)]

導入自治体例

高崎市(群馬県)

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<参照元>
国土交通省「国都交通白書」
鷹栖町ホームページ
宇都宮市ホームページ

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