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地域再生支援利子補給金について【自治体事例の教科書】

2020/07/16

地域再生支援利子補給金について【自治体事例の教科書】

事業には、さまざまな種類の業種があり、政府は事業者に対して多くの種類の補助金や助成金、軽減税率などの優遇措置を制定しています。地域再生に資する事業者に対しては、優遇措置として補助金の支給対象となる場合があります。政府が定めたフォーマットに則り申請を行うことで、承認を得られれば優遇措置を受けることが可能です。

本記事では、地域創生事業者への優遇措置として受けられる地域再生支援利子補助金と地方創生推進交付金についてくわしく解説します。

【目次】
■地域再生支援利子補給金を用いた優遇措置
■地方創生推進交付金を用いた優遇措置

地域再生支援利子補給金を用いた優遇措置

地域再生に資する事業者に対する優遇措置の1つとして、地域再生支援利子補給金が挙げられます。地域再生支援利子補給金とは、地域再生に関する事業を行うにあたり、金融機関から借り入れを受ける際、そのときの利子を一部負担するものです。政府からの利子の一部負担があることから、事業者は本来の利子よりも、低利子で借り入れを受けることができ、地域再生事業をより円滑に進めることが可能です。

地域再生事業とは、主に該当地域の経済状況を好転させるための事業を指し、地域再生支援利子補給金は、その事業を進めるために必要な費用の補填となります。地域再生事業を進めるために必要な費用とは、地域産業活性化のための研究開発費や、観光事業活性化のための設備費、特産品などをブランド化するための商品開発費などです。

地域再生支援利子補給金を受ける際の流れは、最初に地方公共団体によって組織された地域再生協議会において、指定金融機関の参画のもと、地域再生計画を作成します。作成された地域再生計画をもとに内閣府に認定申請を行い、認定されると、内閣府により金融機関の指定が行われます。指定された金融機関から地域再生事業を行う企業やNPO法人に対して融資が行われる仕組みです。

融資が実行されると、内閣府と金融機関の間に5年間の利子補給契約が締結されます。指定金融機関は、企業やNPO法人からの返済金とともに、内閣府からの利子補給を受けるという全体の流れです。地域再生支援利子補給金を行ける際、借り入れを行う金融機関はどの金融機関でもいいわけではなく、政府によって指定された金融機関を利用することになります。対象となる金融機関は以下のとおりです。

・銀行
・信用金庫および信用金庫連合会
・労働金庫および労働金庫連合会
・信用協同組合および信用協同組合連合会
・農業協同組合および農業協同組合連合会
・漁業協同組合および漁業協同組合連合会
・農林中央金庫
・株式会社商工組合中央金庫
・株式会社日本政策投資銀行

ただ、政府によって設定されている、特定の課題解決に資する事業を営む事業者の場合は、地域再生協議会に参画していない金融機関であっても、地域再生支援利子補給金の対象にできる要件緩和を設定しています。指定金融機関と内閣府の間に結ばれる利子補給契約は、有効期限を5年間と設定しており、地域再生支援利子補給金には、補給金額の上限も設定されています。利子補給の上限金額は、内閣府が定める予算の範囲内かつ、0.7%となっています。地域再生支援利子補給金は、地域再生法の目的である、地域再生の推進を実現するためのものであり、経済活動の活性化や雇用の増加、投資誘発を期待しています。

地方創生推進交付金を用いた優遇措置

地域再生に資する事業者に対する優遇措置の1つとして、地方創生推進交付金が挙げられます。地方創生推進交付金とは、地域再生法に基づく施策であり、地域再生基本方針に基づいた自治体の取組を支援するためのものです。平成30年度には1,000億円の予算額が設定されています。本交付金は、地域再生制度の支援措置の一環であり、これは地域再生法に基づき、地域再生計画と連動して行われる施策になります。

地域再生基本方針に基づいた自治体の取組とは、自主的、主体的な取組で先導的なものや、KPIと呼ばれる業績指標、PDCAサイクルを組み込んだ、従来の取組よりも改善された取組を指します。先導的な取組とは、官民協働や地域間連携、政策間連携や事業推進主体の形成などが挙げられます。KPIの設定には、ガイドラインが設けられており、その中には3つの視点からの設定ポイントが記載されています。KPI設定のための3つのポイントは以下のとおりです。

・「客観的な成果」を表す指標であること…アウトカム指標もしくはアウトプット指標、定量化された指標
 観光イベント例)×…イベントの開催回数、○…イベントを通して申込された数

・事業との「直接性」ある効果を表す指標であること…事業目標とKPIの因果関係の明確化
 観光イベント例) ×…市町村全体の観光者数、○…イベント対象施設の観光者数

・「妥当な水準」の目標が定められていること…費用対効果を踏まえたうえで低過ぎることのない目標
 観光イベント例) ×…類似イベント平均以下の売上目標、×…類似イベント平均以上の必要費用

このように、KPIの設定には「客観的」、「直接性」、「妥当な水準」の見解に問題がないかどうかを判断する必要があります。PDCAの考え方は、ガイドラインに沿って自主的に設定したKPIに基づく施策実行により、効果検証を行い、翌年度以降に反映させることを目的としています。

・P…Plan(策定)交付申請
・D…Do(実施)事業実施
・C…Check(検証)地方公共団体による検証
・A…Act(見直し)検証結果の反映

事業実施における、地方公共団体による検証の結果は、地域再生協議会だけで共有されるのではなく、地方公共団体の報告が国によって取りまとめられます。その結果を踏まえて、翌年度以降の交付金に反映されるのです。地域再生基本方針とは、平成17年に閣議決定されたものであり、地域再生に関する施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針です。地方創生推進交付金を取得するためには、地方公共団体により組織された地域再生協議会において、民間事業者の参画のもと、地域再生計画を作成します。地域再生計画は民間事業者と地方公共団体の連携によって作成されるものであり、計画申請は1年に3回行われ、申請から3ヶ月以内に認定結果が出ます。

地域再生計画の認定には、地域再生基本方針に適合しているかどうか、地域再生の実現に相当程度寄与するかどうか、円滑かつ確実な実施の見込みがあるかどうかなどの認定基準が設けられており、これまでに5,190件が認定されています。作成された地域再生計画をもとに、地方創生推進交付金の申請を行い、承認を得られれば支給の対象です。

地域再生計画により申請を行えるのは、地方創生推進交付金だけではなく、地域再生度を活用することによってさまざまな支援措置を受けることが可能です。同交付金は、地域再生計画と連動した地域再生法に基づく施策の1つに該当しますが、地域再生法に基づく施策には、地方創生推進交付金以外にも以下のような優遇制度が設けられています。

・地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)
・地域再生支援利子補給金
・企業の地方拠点強化の促進に係る税制の特例等
・「小さな拠点(コンパクトビレッジ)」形成に係る手続の特例
・「生涯活躍のまち」形成に係る手続の特例
・農地といった転用等の許可特例
・補助対象施設の転用手続の一元化・迅速化の特例

地域再生計画と連動した地域再生法に基づく施策以外の連動施策には、以下のような施策が挙げられます。

・厚生労働省による実践型地域雇用創造事業
・農林水産省による農山漁村振興交付金
・国土交通省による地域公共交通確保維持改善事業など

〈参照元〉

首相官邸_地域再生支援利子補給金制度について
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/kankei/gaiyou.pdf)

経済産業省_地方公共団体におけるSIBの導入の検討について-地方創生推進交付金の活用-
(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/05_co.pdf)

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