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地域情報通信振興関連施策集(2020年度版)・ICTを活用した地域活性化について・その4【自治体事例の教科書】

地域情報通信振興関連施策集(2020年度版)・ICTを活用した地域活性化について・その4【自治体事例の教科書】

総務省がまとめている地域情報通信振興関連施策集は、「ICTを活用した地域活性化」、「地域情報基盤の整備促進(地理的デジタル・ディバイドの解消等)」、「電子自治体の推進」といったパートから構成されています。ここでは、「ICTを活用した地域活性化」より、「IoT機器等の電波利用システムの適正な利用のためのICT人材育成事業」、「障害者・高齢者のためのインクルーシブ社会推進事業」、「放送コンテンツ海外展開強化事業」についてまとめます。

【目次】
■IoT機器等の電波利用システムの適正な利用のためのICT人材育成事業
■障害者・高齢者のためのインクルーシブ社会推進事業
■放送コンテンツ海外展開強化事業

IoT機器等の電波利用システムの適正な利用のためのICT人材育成事業

今後、多様な分野・業種において膨大な数のIoT機器の利活用が見込まれており、多様なユーザや若者等の電波利用に係るリテラシー向上を図ることが不可欠となっています。 このような状況の中、IoT時代に必要な人材の育成に寄与するため、講師育成及び人材育成手法の確立を図るべく、次のような事業を行う予定です。

1つ目は、IoT機器等の電波利用に関する教材等の作成・更新です。IoT機器等の電波利用に関する最新動向を踏まえた、IoT時代に必要な人材やその育成を担う講師のための教材等の作成を実施します。そして、2つ目~5つ目の取組を通じて教材等を検証し、更新をしていきたいとしています。

2つ目は、ユーザ企業等を対象とした地域ごとの講習会や体験型セミナーです。地域におけるIoT普及・推進に関心があるIoT導入推進者等を対象として行うもので、半日程度の座学を予定しています。全国で15~25回程度実施されます。地域におけるIoT導入推進に際して留意すべきIoTの基本知識を習得します。電波の特性を踏まえたセンサーの選び方、活用方法等といった内容です。

3つ目は、工場内のIoT機器といった電波の適正利用に係る講習です。主として工場で無線・IoTの導入・管理に関わる工場関係者を対象として行われるものです。半日程度の座学と半日程度の体験型講習を組み合わせて行われる予定です。工場等が立地する地域を中心に実施され、全国で10回程度実施となります。講習内容は、工場におけるIoT機器等の電波利用に関する知識・技術を習得するための座学講習と、IoT機器の設置・管理、スペアナ等を使った電波計測等の体験型講習です。スペアナとは、スペクトラムアナライザの略で、スペクトラム(高周波信号に含まれる周波数成分の分布)を表示・解析する測定器のことです。

4つ目は、開発者を目指す若者を対象とした講習会・ハッカソン体験です。主に大学生、高専生の開発者を目指す若者を対象として、HTML、JavaScriptの基礎知識を有する者を推奨しています。2日間の事前講習会と2日間のハッカソン体験で構成されています。ハッカソンとは、ソフトウェアのエンジニアリングを指すハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた言葉で、複数の参加チームが、マラソンのように、数時間から数日間の与えられた時間を徹してプログラミングに没頭し、アイデアや成果を競い合う開発イベントのことを言います。全国で5~10回程度の実施を予定しており、電波リテラシーを含むIoTの基本知識とハンズオンによる技能を習得するための事前講習会及び習得技能を活用したハッカソン体験を実施する内容となっています。 これまでにWeb×IoTメイカーズチャレンジ等が企画されました。 

5つ目は、若手向けワイヤレス技術実証です。高等専門学校の学生等を対象として、技術実証(半年間以上)+成果発表会(1日間)といった内容で構成されます。 8件程度の実施が想定されており、実施内容としては、地域に密接しつつ高度な技術を育成している高等専門学校の学生の技術力や独創的なアイデアによる、ワイヤレスIoT及び第5世代移動通信システムを活用した、地域課題の解決や新たなサービス創出を実現するための技術実証を実施するとしています。 これまでに、高専ワイヤレスIoT技術実証コンテスト等が開催されました。コンテストでは、「5G活用部門」「ワイヤレスIoT活用部門」の2部門でアイデアが募集され、採択されたアイデアにはその技術実証費用をサポートして、高専生の活躍をサポートするとされています。

これら5つの取組を通じ、地域におけるIoT導入推進役を育成することで、全国のユーザ企業等の人材に対する電波利用に係るリテラシーの向上させ、体制構築を図る目的があります。予算額は、令和2年度当初予算、一般会計で173百万円となっています。

障害者・高齢者のためのインクルーシブ社会推進事業

高齢者・障害者が、住居から地理的に近い場所で、心理的に身近な人からICTを学べる環境を整備するため、デジタル活用支援員を推進する事業で、制度の仕組みに関して、必要な調査・検証を実施するものです。高齢者・障害者が、AI・IoT等が日常生活、職場や公共空間に広く浸透する時代に、豊かな人生を享受できるよう、住居から地理的に近い場所で心理的に身近な人からICTを学べる環境整備を行います。自宅訪問や電話等で直接相談を受けるほか、高齢者になじみ深いテレビを利用した遠隔相談も実施して、ICTの進展に高齢者等が取り残されないようにします。

デジタル活用支援員の登用には、地域の高齢者、地域で活動中のNPO団体の構成員、携帯電話事業者・メーカー・家電量販店・携帯電話販売店・ベンダー等の従業員(退職者含む)、シルバー人材センターの登録者が検討されています。また高齢者等が、住居から地理的に近い場所で、心理的に身近な人からICTを学べる環境を整備するため、「デジタル活用支援員」の仕組みについて、全国展開に向けたスキームの実証を実施します。予算額は、令和2年度当初予算、一般会計で、100百万円となっています。

放送コンテンツ海外展開強化事業

地域活性化と日本の産業の国際競争力向上を目的として、日本の魅力を発信し、地方創生等にも資する放送コンテンツを海外と共同制作・発信等する取組を支援します。放送コンテンツの海外展開を通じて、地域への観光需要の増加、農林水産品や工芸品を含む地域産品の海外販路開拓、対日理解の向上等が後押しされるため、日本経済の活性化や日本の魅力の発信になると考えられます。国家戦略である訪日外国人旅行者数の増加、農林水産物・食品の輸出額の増加、地方創生等に貢献にもつながります。

放送局等の海外展開支援では、海外展開に必要な交渉・契約ノウハウの共有、人材育成、海外市場・ニーズの深掘り、情報発信等を行います。放送局等の国際共同制作支援では、ローカル局等と海外の放送局等が地域の魅力を発信する番組を制作、発信します。放送局等の番組展開支援では、国際番組見本市への出展に向けた支援を行います。

ローカル放送局等と、自治体、地場産業、観光業等の関係者が幅広く協力し、これらの取組及びこれと連動するプロジェクトを一体的に展開する取組を支援します。 放送コンテンツの制作に係る費用、海外放送枠の確保に係る費用、連動事業に係る費用等が対象経費とされ、民間事業者等を補助対象として、補助率は2分の1です。予算額は令和元年度補正予算、一般会計で1,452百万円の内数と、令和2年度当初予算の一般会計、201百万円の内数です。

〈参照元〉

総務省_地域情報通信振興関連施策集
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000349789.pdf)

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