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地域おこしにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

2019/6/17

地域おこしにおける自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

持続的な「地域おこし」の取り組みが各自治体で行われています。その施策のひとつとして推進されているのが“地域おこし協力隊”。地域おこし協力隊との連携事例などを通じて、実効性のある地域おこしのポイントを探りました。
 
【目次】
■「地域おこし協力隊」とは
■事例①【名産品の魅力度アップ】弘前市(青森県)
■事例②【地域資源の掘り起こし】桜川市(茨城県)
■事例③【“まち”のブランド化】東広島市(広島県)
■事例④【癒しの空間で地域活性】糸満市 (沖縄県)

「地域おこし協力隊」とは

人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域力の維持・強化を図るためには、担い手となる人材の確保が特に重要な課題です。

そうした課題解決の鍵となるのが、地域外の若年層だと指摘されています。生活の質や豊かさへの志向の高まりを背景として、豊かな自然環境や歴史、文化等に恵まれた地域で生活することや地域社会へ貢献することについて、若年層を含めた都市住民のニーズが高まっているからです。

人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に誘致し、その定住・定着を図ることは、都市住民のニーズに応えながら地域力の維持・強化にも資する取り組みです。

そこでスタートした制度が「地域おこし協力隊(以下、協力隊)」です。協力隊の隊員は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を地方公共団体が委嘱します。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援などを行います。

平成30年度の協力隊の隊員数は、総務省の「地域おこし協力隊推進要綱」に基づく隊員数が5,359名(平成29年度4,830名から529名増加)、農林水産省の交付金を活用した「地域おこし協力隊(旧田舎で働き隊)」の隊員数を含めると5,513名(見込み)に達し、増加傾向にあるとともに、隊員のうち約4割(38.3%)が女性隊員で、約7割(69.7%)が20歳代~30歳代といったように、多様性のある若年層が中心になっています。

同年度の協力隊受入自治体数は、平成29年度997自治体から64自治体増加し、1,061自治体(総務省の「地域おこし協力隊推進要綱」に基づく隊員の受入自治体数)に上っており、協力隊と連携しながら地域おこしに取り組む自治体が増加傾向にあることがうかがえます。

全国に広がる協力隊員の活動の充実や地域への定住・定着をさらに促進するため、総務省は地方自治体の支援のもとで起業に取り組む隊員や隊員OB・OGのビジネスプランを募集し、コンペティション形式で審査の上、支援事業を採択する「地域おこし協力隊ビジネスアワード事業」を行っています。

次に、同アワードの平成30年度の採択事業から、持続的な地域おこしの取り組みにつながった事例を紹介します。

事例①【名産品の魅力度アップ】弘前市(青森県)

弘前市(青森県)の協力隊は、地域の特産品であるりんご栽培の過程で廃棄される「りんごの花」を活用したユニークな地域おこし事業「hana-tsumi(ハナツミ)」を提案しています。

りんごの名産地である同市では5月上旬から、山の裾野から街中まで「りんごの花」が咲き誇りますが、その大部分は栽培の過程で間引き(摘花)され、廃棄されます。「hana-tsumi」は、この捨てられるりんごの花をプリザーブドフラワーやハーバリウムなどに商品化するほか、イベントでのフラワーシャワーなどでの活用を行い、りんご栽培の丁寧さと花の美しさをアピールするとともに「りんご」と「弘前(青森)」の魅力アップを図る事業です。

お土産品やギフト商品としてハーバリウムやプリザーブドフラワーなどを首都圏などでも販売する計画です。

事例②【地域資源の掘り起こし】桜川市(茨城県)

桜川市(茨城県)の協力隊は地域内外の人々の交流の場づくりと地域コミュニティの活性化を目指した事業「大泉さくらガーデンヒルズプロジェクト」を推進しています。

同市大泉地区の隠れた地域資源である「桜」を活用したもので、「桜の塩漬け」「桜の石けん」等の商品開発などを行うほか、直売所にコミュニティスペース機能を併せ持たせることで、地域内外の人々の交流の場をつくり、コミュニティ形成に寄与することを目的としています。

同地区にある農産物直売所の運営体制等も見直し、“稼げる事業体制”を構築するとともに、商品開発と並行してハーブガーデン等の周辺環境整備も実施しています。

これらの取り組みで、地域の生産者の所得向上、やる気の創出につなげ、地域の活力を支えることを目指しています。

事例③【“まち”のブランド化】東広島市(広島県)

東広島市(広島県)の協力隊は多くの人に“コト体験”を提供する事業「豊栄羊毛プロジェクト」を推進しています。

これは、同市豊栄町で草刈りのために飼育されている羊の毛を活用し、空き家となっていた古民家を借り上げた「ウール工房」で地域の若者や高齢者とともにピアスやモビールなどのアクセサリー製作や糸紡ぎといった体験の提供などを行うものです。これらの活動を通じて「羊のまち」としてのブランド化と農村田園環境の維持を図ります。

豊栄羊毛で作成したアクセサリーを県内の道の駅や空港などで販売するほか、都会のカフェなどでも販売することで、広島県のお土産品として代表的な「モノ」ものに成長させることも目指しています。

さらに、町内の公民館や生涯学習センターでアクセサリーづくり等の講座を開講し、地域住民との関わりも深めています。

事例④【癒しの空間で地域活性】糸満市 (沖縄県)

糸満市 (沖縄県)の協力隊は、公民館という地域自治の拠点を活用して地域住民と来訪者との交流ビジネスを展開する地域おこし事業「公民館を活用した『半自治半X』」を推進しています。

公民館で若者向けイベントを開催するほか、公民館の窓から見える青い海のロケーションを癒しスポットとして、来訪する若者と地元のおじぃ・おばぁと楽しく会話を交わせる“癒しの空間づくり”を通じて、過疎化が進んだ地域コミュニティと経済活動の活性化を目指す事業です。

こうした活動により、 地元住民だけの公民館ではなく市外・県外からの利用者を増やし、地域の憩いの場の活性化を促進します。

<参照元>
総務省 「地域おこし協力隊推進要綱」
総務省 「地域おこし協力隊ビジネスアワード事業 採択団体」     等

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