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地方創生カレッジ事業について【自治体事例の教科書】

2020/05/22

地方創生カレッジ事業について【自治体事例の教科書】

東京と地方の経済的・環境的格差を埋め、少子高齢化社会に先立ち対策を打つ地方創生は、計画を立てる段階から実際に取り組みを行う段階に入っています。そのため、今まで地方にはいなかった人材が必要になり、それを補うために「地方創生カレッジ」事業がはじまりました。ここでは「地方創生カレッジ」事業がどういったことを行うのか、何が目的なのかという概要、実際にカレッジへ行くとどのような知識が身につくのかなどを解説します。

【目次】
■地方創生カレッジ事業の概要
■「地方創生カレッジ」の事業内容
■人材育成のためのeラーニングカリキュラム
■「地方創生カレッジ」の受講で得られる効果
■「地方創生カレッジ」で交付される補助金

地方創生カレッジ事業の概要

地方の公共団体は地方版総合戦略に基づき、これまで東京中心で行われていた専門的な仕事を今後は各自治体で行う必要があります。しかし、その専門的な仕事を行える人材が地方では不足しています。

「地方創生カレッジ」とは、地方公共団体で不足している専門知識や技術を持った人材を集め、育成するための場を形成する取り組みです。また、高度な専門技術・知識を持った人材を地方で育てることで、そのまま地方に戦力として還元される狙いがあります。平成27年度までは地方版総合戦略の取り組みを決める段階でしたが、平成28年度からは具体的な取り組みを本格的に行う段階になっています。

地方創生に必要とされる人材は戦略全体に関わる人材と、個別分野に精通している人材です。地方創生の総合戦略のプロデューサーをしたり、首長の補佐をしたり、地域のコミュニティのリーダーをしたりと専門性を有している上で戦略全体を俯瞰できる人と、それぞれの専門分野に精通している分野プロデューサーや中枢を担う人の両方がいて地方創生は実現できます。

「地方創生カレッジ」の事業内容

「地方創生カレッジ」事業を行うにあたり、まずカレッジで講義する人物を決め、公式サイトを作成します。実際に地域で人材育成に取り組んでいる学校や企業を調査し、選定します。また、「地方創生カレッジ」の推進会議を開催し、取り組みを行う人材に関する知識や経験を持っている人、実際に地方創生人材育成をしている人を集め、定期的に会議を行います。

次に地方創生人材育成にかかわっている企業や法人、個人などが情報を共有できるネットワークやポータブルサイトを開設し、連携を強化します。そして今現在、地方創生人材の育成を行っている地元企業や学校、団体などの情報を網羅し、成果を調査・分析します。「地方創生カレッジ」での講義は対面式のみではなく、ビデオ教材も取り入れるため、地方創生の第一人者による講義を動画撮影し、ポータブルサイトにアップロードすることで、さまざまな地方で講義を受けることができます。

そしてeラーニングカリキュラムを作成し、講義を実施します。eラーニングカリキュラムを受講して、高度な専門性を身につけた人に「地方創生マイスター」などの肩書を与え、ポータブルサイトなどを通じ、プロフィールやインタビューを掲載します。実際に受講して参考になった人の条件や感想を公開することで、親近感や興味を持ってもらいます。

また「地方創生カレッジ」で紹介された地方創生の事例をポータブルサイトでも公開し、受講しなくても地方創生人材育成に役立つ情報を得ることができるようにします。そして「地方創生カレッジ」を通じて、地域のニーズに合わせて確保されるマッチング機能であるスキームを検討・構築します。そして「地方創生カレッジ」のポスターやパンフレットなどを地域の学校、企業、地方公共団体に配布して、必要に応じてシンポジウムの開催やメディアの効果的な活動も行います。

人材育成のためのeラーニングカリキュラム

人材育成のための「地方創生カレッジ」で行われるeラーニングカリキュラムには、施策を事業として展開できる経営力、事業推進に必要な基礎的知識、地方創生の深化のための個別分野、これまでの地方創生に関する取組の紹介、対面学習を含めた官民連携講座の5種類があります。それぞれのカリキュラムは以下のような内容です。

・地方事業における提供側と受け取り側が合致するためのマーケティング戦略
・新規事業を始める時に役立つスキルとビジネス知識
・中堅・中小企業の事業継承、M&Aの事例から実践に向けた考え方
・女性や高齢者が活躍する職場の導入方法、課題や実際の効果
・地方の平均取得底上げのための生産性向上対策、実例を基にした要点
・中山間地域における集落生活圏の形成と維持のための知識
・金融機関における地方創生の取り組み、苦労した点、その成果
・首都圏の大企業による地方企業でも生かせるビジネスノウハウ
・地域が抱える課題と解決策について官民が対面講座で連携を強化
・他の地方自治体が行っている官民連携の取り組みの紹介

このように「地方創生カレッジ」のeラーニングカリキュラムは、今現在企業で行われている人材育成の基本ノウハウや、他の地方自治体で行われ成果を得た活動事例などを知ることが中心です。以前の地方活性化は費用のバラまきをはじめとする単発的な効果しか期待できないものでしたが、現在は成果重視で改革が進められているため、成果を出している人物による講義が行われます。

「地方創生カレッジ」の受講で得られる効果

「地方創生カレッジ」を受講すると、地方創生に関する知識が身につき、心構えが変わる効果が期待されています。「地方創生カレッジ」の受講者数は平成29年11月の時点で10,190人で、受講者の居住地域は関東地方が33.6%ともっとも多く、東海地方が20.1%、関西地方が17.9%でした。受講者の職種は民間企業が33%ともっとも多く、地方公務員が20%でした。

受講者は『銀行の重要な業務はお金を貸すこと以外にもあると知り、地方銀行への視点が変わった』という感想や、『今度の地域でのビジネスの重点を絞り込め、方策のヒントもいくつも得られた』という感想があります。「地方創生カレッジ」を通じて、地域を活性化するヒントを得る前に、日常生活や日常業務で役に立つ情報を得られたという感想がありました。

「地方創生カレッジ」を通じて得られる知識は基本的なものから、専門的なものまで幅広くあります。多くの受講者にとって役に立つ知識は専門的なものよりも、他業種の基本的な知識で、それを得ることで見解を広め、日常的な業務から地方活性化につながる取り組みを考えるひとつのきっかけになります。

「地方創生カレッジ」で交付される補助金

「地方創生カレッジ」では補助金が交付されますが、補助金の交付を受けるためには条件があります。まずは「地方創生カレッジ」にかかった費用のみを補助金の対象とするため、それ以外の地方創生活動の費用と区別することが条件です。また対象となる経費に関する書類は、「地方創生カレッジ」との関連を明記した調書を作成しておくことと、事業実績報告書を提出することなどが条件となっています。費用を計算する場合は、1,000円以下を端数として切り捨てます。

補助金を受け取り、「地方創生カレッジ」を成功させ、利益を得た場合は、善良な管理者の下で増やした財産を管理します。また「地方創生カレッジ」は継続的に続け、長期的な地方活性化のための教育機関として、常に発展させていくことが求められます。

〈参照元〉

首相官邸_地方創生カレッジ
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/karejji/pdf/jigyou_gaiyou.pdf)

首相官邸_(別添)地方創生人材の育成に向けたeラーニングカリキュラム案(イメージ)
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/karejji/r02karejji/image.pdf)

首相官邸_「地方創生カレッジ事業実施要綱」
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/karejji/r02karejji/bassui.pdf)

首相官邸_地方創生カレッジ事業募集要綱
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/karejji/r02karejji/bosyu_yoko.pdf)

内閣府_地方創生カレッジ」について
(https://www.cao.go.jp/cool_japan/kaigi/jinzai/5/pdf/siryou4.pdf)

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