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第2期地方創生における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

2019/4/26

第2期地方創生における自治体の課題と取組事例【自治体事例の教科書】

5ヵ年計画の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の次期戦略の基本方針が令和元年6月にまとめられ、12月に閣議決定する見込みです。「第2期地方創生」のポイントとは? 事例などをもとに展望しました。
 
【目次】
■第2期地方創生のポイントとは
■事例①【街ぐるみの創業支援】取手市(茨城県)
■事例②【先端技術実装化で協働】幸田町(愛知県)・豊根村(同)
■事例③【広域連携による地方創生】熊本県・長崎県

第2期地方創生のポイントとは

「地方創生」が第2期の段階に入ります。令和元年度は第1期の総合戦略における最終年で、国は、これまでの地方創生に向けての活動の成果や課題を調査・分析し、第1期の総仕上げに取り組む年度になります。

各自治体においても、それぞれの地方版総合戦略の進捗などを検証して総仕上げにとりかかると同時に、今後の課題点などをピックアップし、第2期地方創生である次期地方版総合戦略の骨組みを策定していく年度になるでしょう。

令和元年5月に開かれた第18回「まち・ひと・しごと創生会議」(地方創生会議)では、第2期地方創生について、次の6つの「新たな視点」を議論しました。

①民間との協働
・地方公共団体に加え、NPO等の地域づくりを担う組織や企業と連携。

②人材を育て活かす
・地方創生の基盤をなす人材に焦点を当て、掘り起こしや育成、活躍を強化。

③新しい時代の流れを力にする
・Society5.0の実現に向けた技術の活用を横断分野として位置付け、強力に推進。
・SDGsを原動力とした地方創生をより一層充実・強化。

④地方へのひと・資金の流れを強化する
・将来的な地方移住にもつながる「関係人口」を創出・拡大。
・志ある企業や個人による地方への寄附・投資等により地方への資金の流れを強化。

⑤誰もが活躍できる地域社会をつくる
・女性、高齢者、障害者、外国人等誰もが居場所と役割を持ち、活躍できる地域社会を実現。

⑥地域経営の視点で取り組む
・新設からストック活用、マネジメント強化へ転換等。

このように論点は多岐にわたりますが、Society5.0の実現とSDGs(持続可能な開発目標。Sustainable Development Goalsの略)達成に向けた取り組みが第2期地方創生の重点課題となりそうです。

次に、第2期地方創生における具体的な取り組みのヒントとなりえる、第1期の特徴的な事例を紹介します。

事例①【街ぐるみの創業支援】取手市(茨城県)

取手市(茨城県)は20代から30代の若年人口の流出という課題解決策として、創業支援事業「起業家タウン☆取手」を推進しています。

同事業の特徴は、創業による成功の可能性を高めるため、行政だけでなく、地元の民間企業による起業応援団や金融機関等の多様な関係者が街ぐるみで起業を支援する体制が構築されている点です。また、JR取手駅西口前にレンタルオフィスも提供して起業支援をおこなっています。

取手市の創業支援事業は、民間との協働しながら人材を育成し、地方へのひと・資金の流れを強化する取り組みだと言えます。

事例②【先端技術実装化で協働】幸田町(愛知県)・豊根村(同)

幸田町(愛知県)と豊根村(同)は、連携協定の締結により協働で新たな地場産業であるチョウザメ養殖を効率化する「低温プラズマ技術実装化推進事業」に取り組んでいます。

幸田村の製造業で利用されている低温プラズマ技術について、試験魚における成長促進効果が確認できたことを受け、チョウザメ養殖による産業振興を計画している豊根村で低温プラズマ機器を活用可能にする取り組みです。チョウザメを使った試験への対応やさらなる機器の開発等を行っています。

町内のものづくり企業等も参画し、機器を製造することで新産業創生に繋げ、雇用の場の創出を目指しています。

名古屋大学や東海大学などの地元の学術機関も全面的に協力し、製品開発や販路開拓などは地元企業がバックアップするなど、新産業を定着させるために多様な関係者が連携を図っています。

また、チョウザメ養殖をはじめとして、ハウスいちご栽培やヒメマス養殖などでも低温プラズマ技術の実装化に取り組み、事業として早期の自立化を図っています。

それぞれの強みを活かし補い合った幸田町と豊根村の連携は、域経営の視点による取り組みだと言えそうです。

事例③【広域連携による地方創生】熊本県・長崎県

インバウンド促進などを目的に、熊本県と長崎県は両県にまたがる世界遺産を活用した「VISITあまくさ・しまばらプロジェクト」で連携し、広域的な地方創生に取り組んでいます。

このプロジェクトは、天草五橋開通50周年、雲仙・天草国立自然公園編入60周年という記念すべき年に当たり、島原・天草連携の枠組みの中で交流人口拡大の取組みをさらに深化させ、持続した地域づくりの礎を築く取り組みです。プロモーション事業や、世界遺産を活用したインバウンド促進事業、DMO(観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人。Destination Management Organizationの略)基盤整備事業等を実施しています。

天草版DMO、島原版DMOを組織することによって一致団結し、広域的に観光振興に取り組むことによって地域経済の活性化を図っています。地域産業の振興に一体となって取り組んでいるのも特徴です。

このプロジェクトには旅行会社などの民間企業も複数参画しており、民間との協働で地方へのひと・資金の流れを強化する取り組みだと言えそうです。
 

<参照元>
まち・ひと・しごと創生本部 「まち・ひと・しごと創生総合戦略(案)(2018 改訂版)」
内閣府 地方創生推進事務局「地方創生に係る特徴的な取組事例」
まち・ひと・しごと創生会議「まち・ひと・しごと創生基本方針 2019 骨子(案)」    等

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