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【簡単解説】病児保育事業とは?【自治体事例の教科書】

【簡単解説】病児保育事業とは?【自治体事例の教科書】

子どもたちが風邪や病気にかかり、保育園などで預けられなくなった場合に備えるために病児保育事業があります。今回は病児保育事業がどのように役立つのか、どういうパターンがあるのかを見てまいります。


【目次】
■事業内容
■3つの事業類型

事業内容

女性の社会進出が進み、出産後も妊娠前と変わらず働く女性が増えた昨今、子どもが病気になった時の対応に困ってしまうというワーキングマザーも少なくありません。手を借りたい祖父母や両親、兄弟などの親族が遠方に住んでいる場合や何らかの事情により、子どもの体調不良時に誰かに頼ることができないという方も多く、深刻な問題として頭を悩ませている家族も多いようです。

そこで、国は働く女性も安心して仕事に邁進できるよう子育てと仕事を両立させる新たな取り組みを発表しました。子どもが熱を出してしまったが看病することができないといった、働く女性にとって困ったトラブルが発生した時、強い味方になってくれるのが病児保育事業です。仕事をするために保育園に子どもを預けていても熱がある場合や体調が悪いと登園を断られてしまうのも現状です。また、朝のうちは体調の変化が見られず元気に保育園に登園したものの、熱が急に出てしまいお迎えの連絡がくることも子どもが小さい頃はよくあることでしょう。子どもが小さい頃は、体調を頻繁に崩しやすく保育園を休むことが多くなってしまうことで仕事へ大きな影響を及ぼしてしまうこともあります。中には、有給休暇を消化して子どもの体調不良に対応しているという方もいますが、子育てと仕事を両立するワーキングマザーにとって子どもの体調不良と仕事への影響は切実な悩みになっていることも考えられます。このような悩みを抱える働く女性の精神的負担を軽減してくれるのも病児保育事業なのです。

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病児保育事業は、体調を崩してしまった子どもを一時的に施設で預かってくれる事業です。子どもの受け入れを行っているそれぞれの施設によって対象年齢には違いがありますが、基本的に小学校6年生までを対象にした制度となっています。自治体や施設によって利用条件には違いがあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。病児保育事業は、現在3つの事業内容を用意し子育てと仕事を両立する方をサポートしています。自治体や施設のみならず、運営者によっても事業の形はさまざまあり、病院や医療法人が運営するものの他にも保育園やNPO法人が行うものなど、その種類は多岐にわたっています。また、病児保育事業に携わるスタッフも看護師や保育士が行い、安心して子どもを預けられる環境が整っている点もメリットとなっており、充実した事業内容となっているのも特徴です。

子どもの体調不良といっても風邪や腹痛など症状はさまざまです。中には、長期間にわたる重度の体調不良に見舞われてしまうこともあり、病状によっては病児保育事業サービスを利用できないケースもあります。病児保育事業は、風邪や腹痛の他、はしかや風疹などの感染症にも対応していますが、中には受け入れが難しい症状もあるため、突然の子どもの体調不良時に慌ててしまうことがないように受入条件を確認しておくことが欠かせません。病児保育事業といっても体調が優れない時期だけでなく、回復傾向にある時期に子どもを預かってくれる病後児保育を行っている自治体もあります。熱はなく顔色がよいものの、保育園に預けることに不安があるという場合に安心して利用できるサービスです。利用方法や利用料金は病児保育と同様となっており、専門的な知識や経験を持つ看護師や保育士がサポートしてくれる点もメリットといえます。

病児保育事業を利用する際には、事前の登録を行っておく必要があります。お住まいの各自治体のホームページなどで情報を集めることができるので、事前に調べておくと子どもの突然の体調不良にも慌てずに対応できるでしょう。

現在、日本全国で病児保育事業を行っており、年々利用者は増え需要は高まっています。全国で2,500ヶ所以上の受入施設があり、一日単位で利用できるのも嬉しい点です。利用料金は、それぞれの自治体によって違いがあるものの、1日2,000円程度から利用可能になっているなど、働く保護者にとって安心のサポート体制が整っています。現在、病院や保育園だけでなく民間の施設による病児保育事業サービスも増えており、以前より利用しやすくなったなどサービスが充実しているのも、年々需要が高まっている大きな理由といえるでしょう。

3つの事業類型

病児保育事業は、3つの事業類型があるのも特徴です。病児・病後児対応型の他、体調不良児対応型、非施設型(訪問型)があります。それぞれに特徴があり、事業内容にも違いがあるので確認してみましょう。

病児・病後児対応型

病児・病後児対応型は、病院や保育園などの専用のスペースを利用し一時的な保育を行います。専門的な知識や経験を持った看護師や保育士が対応し、病気の回復期に至らず集団保育が困難であると市町村に認められた場合に利用することができます。概ね10歳未満の児童を対象としており、平成24年度には1,102ヶ所の事業実績があります。実施要件にも決まりがあり、看護師や保育士の配置人数も条件が定められているのも病児・病後児対応型の特徴です。
看護師は、利用児童約10名に対し1名以上配置すること、さらに保育士は利用児童約3名に対し1名以上配置することが人数配置基準として定められています。現在、利用者は3歳未満の児童が60%を占めており、今後も人材確保が求められています。

体調不良児対応型

体調不良児対応型は、保育中の児童の体調不良時にサポートを行っている他、子育て中の保護者や妊産婦の相談支援を行うなど、幅広い支援をする事業内容となっているのが特徴です。病児・病後児対応型との大きな違いは、事業を行う保育園に通園しており、保護者が迎えに来るまでの間において対応するという点が挙げられます。体調不良児対応型を行っている保育園は現在、全国に500ヶ所以上あります。看護師などを常に2名以上配置するだけでなく体調不良児の安静を保てるスペースを用意しなければいけません。現状は、保育園のみで事業が行われていますが、今後においては医務室を設けている認定こども園や事業所内保育園での対応も認めることができるよう検討が進められています。

非施設型(訪問型)

非施設型(訪問型)は、体調不良の児童を抱える保護者の自宅まで看護師などが訪問し、一時的にサポートする事業です。病児だけでなく病後児にも対応しており、市町村で適切だと認められれば利用することができます。病児・病後児をサポートする看護師や保育士の他、家庭的保育者は、事前に一定の研修を受けた後に派遣されます。児童の体調不良が回復に至らない場合や回復期であるものの、保育園で集団生活を送ることが難しいと判断された場合、非施設型(訪問型)を利用することが可能です。児童1名に対して看護師など専門のスタッフ1名の人員が必要となっていますが、まだまだ事業の実績は伸びているとはいえません。サポート体制を充実させるために今後も人員を増やすことが必要となっており、大きな課題ともいえます。

病児保育事業は、平成24年法律第65号、子ども・子育て支援法の第59条により制定されました。現在、市町村から委託を受け事業を開始する病院や保育園も少なくありません。利用者は年々増えており、事業を行う病院や保育園によっては予約をすることすら困難なところもあります。子育てと仕事を両立する保護者の負担を軽減できるように一人ひとりの児童としっかりと向き合い、保育ニーズを高めていくことが求められています。未設置の市町村もあるため、今後の対策と改善が望まれるところです。

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<参照元>
内閣府_病児保育事業について_(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/administer/setsumeikai/h260124/pdf/s5-6.pdf)

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