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ビッグデータの利活用について・実施事例【自治体事例の教科書】

2020/07/31

ビッグデータの利活用について・実施事例【自治体事例の教科書】

情報通信技術の進歩で多量のデータの生成や収集が可能になりました。各自治体にはそうしたさまざまなデータ、いわゆるビッグデータが蓄積されており、それらを活用したさまざまな取り組みが進んでいます。今回はビッグデータがどのように自治体で利活用されているのか、具体的な事例を紹介します。

【目次】
■事例1:神奈川県川崎市【ナビタイムの交通ビッグデータを活用して交通安全対策や渋滞対策等に関する取り組みを推進】
■事例2:新潟県【ビッグデータを活用した県内交流人口の動向調査】
■事例3:兵庫県加古川市【行政情報ダッシュボードの提供】

事例1:神奈川県川崎市【ナビタイムの交通ビッグデータを活用して交通安全対策や渋滞対策等に関する取り組みを推進】

川崎市は交通事故の削減と交通混雑の緩和を目標とした取り組みをナビタイムジャパンと協力して進めることになりました。

ナビタイムジャパンはカーナビアプリである「カーナビタイム」、「ドライブサポーター」といった交通分析システムを提供しています。上記のシステムから、同意を得たユーザーを対象として、走行実績データを取得しています。これはGPSにより1秒から6秒の間隔でデータを取得するもので、取得されたデータは、交通量や交通流分析、所要時間や速度分析、走行挙動分析に利用されます。ユーザーは匿名化しており、汎用的な活用が可能です。走行実績を把握するために使われたり、いろいろな車種のデータを取得するために活用されたり、また、分析の用途によりフォーマットの調整がしやすいのも特徴とです。

ナビタイムジャパンは、これらのデータから「道路プロファイラー」というシステムを開発しています。「道路プロファイラー」は、道路交通分析システムで、ウェブ上で分析できることが最大の利点です。全国の道路をカバーしており、分析したい道路や期間を選択することで、経路分析や渋滞分析を集計・可視化できます。

川崎市はナビタイムジャパンから「道路プロファイラー」の提供を受け、安全性向上と交通円滑化の2点において、即効的な対策を練る方針です。安全性向上については、自動車の急ブレーキ箇所や自動車の速度が高くなっている区間を分析し、カーブミラーや防護柵などを設置することで、交通事故の削減につなげたいとしています。交通円滑化については、指定した5ヵ所において、混雑の時期、原因、時間帯等を分析することで、右折レーンの設置や交差点改良等を行う予定です。これにより、交通混雑の緩和が見込めるとしています。

指定した5ヵ所とは、川崎市が第3次緊急渋滞対策で定めたもので、丸子橋交差点、北加瀬交差点、ガス橋交差点、遠藤町交差点、稗原交差点といういずれも通過に時間がかかる交差点です。最も渋滞が発生しているガス橋交差点では、平日17時台のピーク時で通過に12分以上かかっていました。

川崎市は総合計画の基本目標として、「安心のふるさとづくり」と「力強い産業都市づくり」を掲げており、ナビタイムのビッグデータを活用して、成果を上げたいとしています。

事例2:新潟県【ビッグデータを活用した県内交流人口の動向調査】

新潟県は携帯電話の運用データとスマートフォンユーザーを対象としたアンケート結果を使用し、県内交流人口の調査を行いました。

携帯電話の運用データについては、NTTドコモの全国7千万台のうち、新潟県で期間中に使われたデータと、訪日外国人による全国400万台のうち、新潟県内で期間中に使われたデータを使用しています。調査では、県内を7エリアに分け、動向を分析しています。

その結果、県外からは「新潟・阿賀」「湯沢・魚沼」「妙高・上越」に訪れる人が多いことがわかりました。

国内来訪者は「新潟・阿賀」、「長岡・柏崎」、「弥彦・三条」の来訪者が多いのですが、県外からという条件にすると、結果が異なるということが判明しました。また、「湯沢・魚沼」、「妙高・上越」、「佐渡」においては、県外来訪者の占める割合が、他のエリアに比べて著しく高いことも明らかになりました。

さらに、訪日外国人は、冬に最も多く来県しており、台湾からは「湯沢・魚沼」へ、オーストラリアからは「妙高・上越」が人気ということもわかりました。外国からの来県者の内訳は、中国、台湾、オーストラリアからが約半数となっています。

ほかにも、昼間と夜間の来訪者数を分析した結果、新潟県への来訪は県内での宿泊を伴うことが多数だと判明したほか、来訪者は東京都からが最も多く、埼玉県、神奈川県も合わせると4割以上となるエリアがほとんどであることが明らかになり、データ分析によって実情が見えてきました。

これらの調査結果を詳しくホームページで公表することで、観光振興に役立つようにしたいとしています。

事例3:兵庫県加古川市【行政情報ダッシュボードの提供】

加古川市は、API機能をサイトに公開することで、オープンデータに手軽にアクセスできるようにし、データを利活用できるようにしています。加古川市のホームページでもオープンデータの活用事例、可視化事例などが紹介され、積極的な活用を促しています。

加古川市はオープンデータカタログサイトで公開されている情報を活用して、「行政情報ダッシュボード」をウェブ上のシステムとして提供しています。このシステムでは、加古川市オープンデータのほかに、e-Stat、RESASなどを地図上で確認できるようになっています。地図は、Open Street Map、国土地理院の地図、国土地理院の写真から背景地図を選択でき、地図の縮尺も選択できるようになっています。

行政情報ダッシュボードでは、加古川市オープンデータカタログサイトで公開されている情報を地図上で確認できるようになっています。具体的には、AED設置箇所、バリアフリー施設、防災関連施設、介護事業所の位置等が確認でき、また、交通機関のバスや上荘くるりん号の停留所やルートも地図上で確認できます。

上荘くるりん号は加古川市が提供する有償のワゴン型車両の運送サービスで、地域住民のボランティアで運行されています。公共交通不便地域において、地域内のスーパー、病院等をつないでいます。

見守りカメラの設置場所、観光情報も地図上で公開されることで、生活に係る情報が幅広くまとめられ、確認できる場になっています。

e-Statは、政府統計の総合窓口のサイトですが、そこで公開されている各種の統計情報も地図上に表示できるようになっています。たとえば、人口増減率、人口千人あたりの飲食店数、人口千人あたりの刑法犯認知件数など統計表を選択し、調査年度を選択すれば、地図上に情報が表示されます。統計表は多様であり、日々の暮らしからビジネスまでさまざまな活用法が想定されます。

RESASは経済産業省と内閣官房が提供している地域経済分析システムです。RESASで公開されている情報もダッシュボードの地図上での確認が可能となっており、総人口の増減率、生産年齢人口の増減率といった情報がわかりやすく表示されます。RESASは地方創生の取り組みを支援するために、公開されている情報です。

ダッシュボードでは、防災情報も表示しており、Jアラート(全国瞬時警報システム)、Lアラート(災害情報共有システム)、Vアラート(自治体向け防災情報広報システム)の受信情報を確認できます。また、加古川市の安心・安全メールも一覧表示されるようになっており、加古川市の「防災ネットかこがわ」や、兵庫県警察のサイト「ひょうご防災ネット」からのメール通知サービスの内容が表示されます。

【参考文献】

川崎市_自治体初!!ナビタイムの交通ビッグデータを活用して 交通安全対策や渋滞対策等に関する取り組みを推進します
(http://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000112/112447/
houdouhappyousiryou.pdf
)

新潟県_新潟県ホームページ
(https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kankokikaku/1356866148366.html)

兵庫県加古川市_加古川市ホームページ
(https://www.city.kakogawa.lg.jp/soshikikarasagasu/kikakubu/jouhouseisakuka/
dashboard.html
)

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