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現役教諭が“先生のホント”を絵本に

現役教諭が“先生のホント”を絵本に

【自治体通信Online 寄稿記事】
自著書評(小学校 教諭・まつした じゅんじ)

現役の小学校教諭が知ってほしい“先生のホント”を絵本にしました。「学校の先生は“ブラック”だと言われています。やりがいもたくさんあるのに、しんどさばかりが注目されるのが悔しくて…」。こう話すのは作者で公立小学校教諭の“まつした じゅんじ”さん。絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)に込めた想いや制作秘話をまつしたさんに語ってもらいます。

本書のきっかけ

はじめまして。小学校教諭の松下隼司と申します。大阪で小学校教師をして、18年目です。2021年9月17日に絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)を出版します。「先生」という仕事の魅力や大変さ、「仕事」への情熱や気づきなどが伝わる絵本です。

「先生の仕事は『ブラック一色』じゃない…」
「もっと子どもたちと向き合いたい…」

そんな思いを抱く先生たちにもエールを送る気持ちで作り上げました。

先生のことをもっと知りたいお子さんはもちろん、仕事に悩む方や、保護者の方にもぜひ読んでほしい一冊です。

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『せんせいって』(みらいパブリッシング)の表紙カバー(吹き出しは本書の抜粋)

学校の先生はブラックな職業だと、最近とても言われています。

確かに、しんどいことはあります。

でも、しんどいことがあるのは、他のお仕事も同じだと思います。

やりがいもたくさんあるのに、しんどさばかりが注目されるのが悔しくて…。

学校で働くことのしんどさだけでなく魅力を、子どもを含め多くの方に伝えたくて、絵本の形を選びました。

美しく迫力満点の水彩画で、子どもも大人も楽しめます。

一編の詩から生まれた絵本

完成した絵本は、子どもと先生との会話のやりとりがありますが、最初は、「先生になって ほんまによかった」という題名の詩でした。

「先生になって ほんまによかった」

朝8時前には 学校に来るのは、当たり前
全然、いやや ない

ほんまは、朝は 8時半からが 仕事やけど

クラスのみんなが 8時すぎから 登校してくるやろ
そしたら、教室に 早めに 行って、電気つけといて あげたいやん

当たり前やん

でも、ごめんな

時々、息子を 保育園に 預けるのが 遅くなって、
教室に 1番に 行けんで

ええねん

給食、毎日 5分で 食べるのも 仕事やから
早よ食べて、みんなの日記とか ちゃんと 読みたいやん

でも、ごめんな

ほんまは、いろんな班をまわって、
給食時間は 毎日ずーっと みんなと おしゃべりしながら 食べたいねん
休み時間も 全部、みんなと 遊びたい
放課後も 教室や 運動場で 遊びたい

でも、放課後は 会議や 研修や 出張が 毎日のようにあるねん

ほんまは、先生ら、3時45分から4時半まで 休憩やねんけどね

明日の 授業の準備も あるし
行事の準備も あるし
会計も せなあかんし
だから、休んでられへん
学校の先生は みんな そやで
子どもらのためやから、当たり前やん

ええねん!

先生やから
子どもが好きやから
お給料は そら大事やけど、
それが 一番で 選んだ仕事や ないから

自分が 子どものとき、学校で 出会った 恩師
楽しそうに 学校の先生をやってた おかん

憧れてなった 仕事やから

子どもが 好きでなった 仕事やから
みんなが 楽しそうに 授業を 受けてくれることが 先生の幸せ

できんかったことが できるようになった時の 
みんなの顔を 見られるのが 先生の幸せ

先生の仕事は ブラック一色やない
ホワイトもある
ピンクもブルーもある
色んな色がある

そんなの 他の仕事も 一緒

可能性と 好奇心 いっぱいの みんなと 過ごせる 先生の仕事は、
ほんま、ゴールドやで!

先生になって ほんまに よかった

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画像は『せんせいって』からの抜粋

本書への思い

この絵本を描いてくださったのは、夏きこさんという方です。

無表情で猫背の「ストゥープさん」という独自のキャラクターが人気を博し、パッケージのイラストやイベントのポスター制作など関西を中心にさまざまな企業とタイアップしています。

2019年には初の個展を開催するなどイベント活動も精力的におこなっている方です。

実は、他の出版社に絵本の企画を出したとき、違う著名イラストレーターさんを推薦してもらいました。

でも、新しいことにチャレンジしたくて、私自ら夏さんに絵の依頼をしました。

絵本の内容は、もっと子どもとゆっくり向き合いたい先生と、もっと先生といっしょに遊びたい子どもたちとの、少し悲しくて心あたたまるお話です。

子どもにとって身近な職業である学校の先生のことを、絵本を通して伝えていきたいです。

そして、様々な業種で働かれている方の活力に少しでもなれば嬉しいです。

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まつした じゅんじ さんのプロフィール

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大阪の公立小学校 教諭
本名は松下隼司。関西の小劇場を中心に演劇活動を10年間。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞を受賞。日本最古の神社、大神神社短歌祭で額田王賞を受賞。プレゼンアワード2020で、優秀賞を受賞。第69回読売教育賞で優秀賞を受賞。
著書に、絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)。2021年9月17日に絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)を刊行予定。

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