大規模災害が頻発する昨今、「現行260MHz帯デジタル移動系の老朽化」や「高額な維持・更新費用」、「音声通話のみで情報共有が困難」等のお悩みはございませんか？災害に強い共同利用型の自営無線「MCAアドバンス」は、中継局の維持管理を一般財団法人移動無線センターが行うため、自治体様にて構築・運用・保守を行う必要がありません。
また、日頃使い慣れたスマートフォン型端末のため、どなたでも使いやすく、画像や動画による情報共有の迅速・効率化も可能です。MCA無線として全国350以上の自治体様にご利用頂いており、東日本大震災や熊本地震等でもサービス継続した実績があります。詳しくはお気軽にお問合せください。

機動力が高まる災害対応の通信網を、MCA無線機で費用負担を抑えて整備

<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">茨城県水戸市の取り組み</span></p>
<p class="jto-c-topic">移動系防災無線システムの整備</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="災害に強いMCA無線機を導入し-緊急時対応の機動力を強化">「災害に強い」MCA無線機を導入し、 緊急時対応の機動力を強化</h3>
<div class="jto-c-interviewee">水戸市<br />市民協働部 防災・危機管理課 課長　小林 良導<br />市民協働部 防災・危機管理課 主事　大内 竣介</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 一般財団法人移動無線センター</div>
</div>
<p>※下記は自治体通信 Vol.46（2023年1月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
<div class="jto-c-lead">
<p>大規模災害が多発している昨今、職員間で災害情報を的確かつ迅速に共有する手段として、移動系防災無線システムの導入や見直しを検討している自治体は多い。水戸市(茨城県)もそうした自治体の1つで、かつて東日本大震災後、災害時における確実な情報伝達手段として移動系防災無線システムを導入。最近では、そのシステムの一部を見直し、さらなる機能強化を図ったという。機能強化の経緯や効果について、同市担当者に話を聞いた。</p>
</div>
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<div class="municipality-data">[水戸市] ■人口:26万9,438人(令和4年12月1日現在) ■世帯数:12万5,126世帯(令和4年12月1日現在) ■予算規模:2,074億580万円(令和4年度当初) ■面積:217.32km<sup>2</sup> ■概要:茨城県の県庁所在地。江戸時代から地域の行政、経済、文化の中心地として発展を遂げてきた。市の中心部に千波湖を抱え、平成27年4月に日本遺産に認定された日本三名園の一つである「偕楽園」や、「弘道館」といった歴史文化遺産が数多く残されている。</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20230106/20230106141419.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">水戸市</div>
<div class="jto-p-person__position">市民協働部 防災・危機管理課 課長</div>
<div class="jto-p-person__name">小林 良導 <span class="jto-p-person__kana">こばやし よしみち</span></div>
</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20230106/20230106141447.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">水戸市</div>
<div class="jto-p-person__position">市民協働部 防災・危機管理課 主事</div>
<div class="jto-p-person__name">大内 竣介 <span class="jto-p-person__kana">おおうち しゅんすけ</span></div>
</div>
</div>
<h4 id="災害時でも確実に情報伝送できる無線網を整備">災害時でも確実に、情報伝送できる無線網を整備</h4>
<p><strong>―水戸市では、東日本大震災後に新たな移動系防災無線システム(以下、無線システム)を導入したそうですね。</strong></p>
<p><strong>小林</strong>　はい。移動無線センターが運営し、特定の利用者のみが共同で使用できる「MCA無線<a href="#f-1e009e7c" name="fn-1e009e7c" title="※MCA無線 : 国から割り当てられた周波数を限られたユーザーが共同で利用できる専用システム網">*1</a>」を活用したシステムを導入しました。当市では東日本大震災の際、本庁舎が被災した影響で、災害対策本部と災害現場にいる職員の間で思うように通信できない状況になりました。そのとき痛切に感じたことは、情報収集・発信の重要性です。それがあってこそ、災害時における混乱を抑制でき、市民の適切な避難行動につなげられます。そのためには、災害時でも職員間で確実に情報伝送できる無線システムの整備が不可欠だと考え、震災後、複数の無線システムを検討した結果、「MCA無線」の導入を決めました。</p>
<p><strong>―どのような部分を評価したのですか。</strong></p>
<p><strong>小林</strong>　まずは、「災害時におけるつながりやすさ」です。特定の利用者のみが使える専用ネットワーク網であるMCA無線は、公衆通信網とは異なり、災害時でも輻輳<a href="#f-3a3a7426" name="fn-3a3a7426" title="※輻輳 : 通信が一度に集中することで通信困難になる状態">*2</a>が起きにくいという特徴があります。また、IP無線を活用した「通信の二重化」によって不感地帯の解消を図っているため、災害時でも安定した通信が期待できます。さらに、各中継局には非常用発電機が設置され、停電時でも最大72時間以上の運転が可能です。中継局は24時間365日対応の有人管理体制で守られているなど、災害への強靭性が特徴だと感じました。</p>
<p><strong>大内</strong>　共同利用型であるMCA無線は、当市が独自に基地局を設置せずに済むため、初期費用と維持管理費を抑えることができます。この費用負担の観点からの「導入のしやすさ」も大きな評価ポイントでした。<br /><br />　導入がしやすく、災害時でも確実に情報伝送できる無線システムだと評価し、導入当初は152台だった通信端末の台数を220台に増やすなどして運用してきました。そうしたなかで、さらに「伝送の情報量を増やす必要がある」と感じた出来事がありました。</p>
<h4 id="動画を活用すれば被災状況を詳細に伝送できる">動画を活用すれば、被災状況を詳細に伝送できる</h4>
<p><strong>―どういった出来事でしょう。</strong></p>
<p><strong>大内</strong>　令和元年に発生した台風19号の影響により、市内で約11km<sup>2</sup>にわたる範囲で浸水被害が発生したときのことです。被災現場にいる職員からの無線連絡で、「河川の水位が上昇している」「普段は水がない場所で水が流れ始めた」といった報告を災害対策本部が受け取っても、言葉だけではその詳しい状況を把握できなかったのです。災害対応を進めるうえで重要なことは、「水が流れ始めた」という情報だけでなく、「それがどれほどの勢いなのか」「範囲はどれくらいなのか」と細部にわたる状況まで把握することです。受け取る情報量が多ければ多いほど、災害対応の機動力を高められるのです。そのためにも、言葉だけでなく、被災現場から動画も送れる仕組みを構築できないかと考えるようになりました。</p>
<p><strong>小林</strong>　そうしたときに、移動無線センターの担当者から、静止画や動画も伝送可能な新たな通信端末による無線システムを開発したという話を聞きました。そこで、すぐに導入を検討することにしたのです。</p>
<p class="text-center"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20230106/20230106152112.jpg" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><strong>―具体的にどのようなシステムなのですか。</strong></p>
<p><strong>大内</strong>　これまでの「MCA無線」におけるトランシーバー型の通信端末を刷新して、スマホ型の通信端末を活用した『MCAアドバンス』というシステムです。LTE通信技術の採用により、従来の音声通話にとどまらず、静止画や動画をはじめとしたデータ通信機能を搭載しています。導入前にデモ機を利用して試験運用を行い、確実に伝送できることを確認できました。なにより、使い慣れているスマホ型であるため、操作しやすいと感じました。端末上の画面は強化ガラスとなっており、防水・防塵機能を備えているのも安心でした。</p>
<p><strong>小林</strong>　災害に強い通信システムである「MCA無線」をベースに、伝送の情報量を高められる『MCAアドバンス』はまさに、自治体における災害対応の機動力を高めるシステムだと感じました。令和3年9月に入札を行い、令和4年1月から運用を開始しています。</p>
<h4 id="端末のGPS機能で被災現場の正確な割り出しも">端末のGPS機能で、被災現場の正確な割り出しも</h4>
<p><strong>―運用後の状況はいかがですか。</strong></p>
<p><strong>小林</strong>　幸いなことに、住民への避難指示が必要となるような大きな災害は発生していませんが、短時間豪雨で道路が冠水した際に、現場にいる職員から静止画と動画を送ってもらい、冠水状況を正確に把握できた例がありました。実際に端末を利用した多くの職員から、「現場の状況を災害対策本部に詳しく伝えられた」といった声があがっています。このように、静止画や動画を伝送できる機能以外にも、災害対応の機動力を高める機能が備わっていると感じています。</p>
<p><strong>―どういった機能でしょう。</strong></p>
<p><strong>大内</strong>　各端末にはGPS機能がついており、災害対策本部に映し出される地図データと連動させることで、本部は各端末の位置情報を俯瞰的にリアルタイムで把握できるのです。その位置情報をもとに、たとえば、被災現場の近くにいる職員の端末を呼び出して、迅速に指示を出すことが可能です。また、端末の位置情報をもとに、被災現場の住所を正確に割り出すこともできるため、応援要請を的確に伝達できます。そのほか、地図上からグルーピングをしたい端末について本部が複数選択し、一時的なグループ設定ができる機能も搭載されています。本部と複数の特定端末との情報のやり取りが、迅速にできるようになるのです。</p>
<p class="text-center"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20230106/20230106152251.jpg" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><strong>―新たな無線システムを、今後どのように活用していきますか。</strong></p>
<p><strong>小林</strong>　当市には避難所が128ヵ所あり、そのすべてに『MCAアドバンス』を配備していますが、現在は災害協定を結んでいる各種団体への配備も進めています。市内全域をこの無線システムで網羅し、万が一災害が発生した場合には、市全体で迅速な対応が図れる体制の構築を強化します。</p>
<p><strong>大内</strong>　また当市では、静止画や動画を伝送できる特性を活かし、平時でもこの端末を利用しており、実際に私たちの部署では、防災倉庫の見回り業務で使っています。平時から端末の使い方に慣れることで、災害時にいざ利用する際、戸惑うことなく操作できることにつながると期待しています。</p>
<hr />
<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">支援企業の視点</span></p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="動画も伝送可能な通信網で激甚化する自然災害に備えよ">動画も伝送可能な通信網で、激甚化する自然災害に備えよ</h3>
<div class="jto-c-interviewee">田中電気株式会社 放送・通信 エンジニアリング事業部 係長　遠藤 佳織<br />一般財団法人移動無線センター 事業本部次長 防災・公共 安全利用推進室長　本間 達也</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 一般財団法人移動無線センター</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20230106/20230106152822.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">田中電気株式会社</div>
<div class="jto-p-person__position">放送・通信 エンジニアリング事業部 係長</div>
<div class="jto-p-person__name">遠藤 佳織 <span class="jto-p-person__kana">えんどう かおり</span></div>
</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20230106/20230106152849.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">一般財団法人移動無線センター</div>
<div class="jto-p-person__position">事業本部次長 防災・公共 安全利用推進室長</div>
<div class="jto-p-person__name">本間 達也 <span class="jto-p-person__kana">ほんま たつや</span></div>
</div>
</div>
<p><strong>―災害対策として無線システムを導入する際、自治体はどのような点に留意すべきでしょう。</strong></p>
<p><strong>本間</strong>　2つあると考えています。まず1つ目は、「災害に強いかどうか」です。災害時には、通信の集中による輻輳のほか、停電の可能性もあります。どのような状況でも、安定した通信が可能な無線システムでなければ、災害対応を迅速に進められません。2つ目は、「伝送内容の情報量の多さ」です。自然災害が激甚化しているいま、自治体が災害対応の機動力を高めるには、被災状況をより詳しく正確に把握できる情報量が必要です。これらを踏まえた場合、『MCAアドバンス』は、1つの解になり得ます。</p>
<p><strong>―詳しく教えてください。</strong></p>
<p><strong>本間</strong>　『MCAアドバンス』にはまず、限られた利用者が共同使用する通信網「MCA無線」を活用し、輻輳が起きにくい特徴があります。また、エリアに応じて最適な電波を利用する「通信の二重化」を行っています。さらに、停電対策として中継局には非常用発電機を設置しています。</p>
<p><strong>遠藤</strong>　通信端末がスマホ型になり、カメラ機能も搭載され、静止画や動画のリアルタイム配信も可能になりました。これらの機能を活用すれば、音声通話だけでは伝えにくい現場の状況を静止画やリアルタイム動画で共有できるため、より正確な被災状況を把握できるようになるはずです。</p>
<p class="text-center"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20230106/20230106162004.jpg" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><strong>―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。</strong></p>
<p><strong>本間</strong>　『MCAアドバンス』の特徴を活かし、平時利用を通じた自治体業務の効率化も支援します。たとえば、輻輳が起きにくい特徴は、人が多く集まるイベントの警備業務に活かせます。静止画や動画の伝送機能は、建物の点検業務に活かせるでしょう。</p>
<p><strong>遠藤</strong>　日常的に端末を利用すれば、いざというときに迷わずスムーズに使えるメリットも生まれます。そのためにも、導入後も責任をもってサポートしますので、無線システムの導入を検討している自治体のみなさんは、ぜひご相談ください。</p>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">遠藤 佳織 (えんどう かおり) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">岩手県生まれ。平成24年に田中電気株式会社へ入社。現在は、おもに防災行政無線などの営業業務に携わる。</div>
</div>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">本間 達也 (ほんま たつや) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">東京都生まれ。昭和59年に財団法人移動無線センター(現:一般財団法人移動無線センター)に採用され、利用推進事業を担当する。平成30年から、現職の防災・公共安全利用推進室長として中央省庁、地方自治体に対してMCA無線の利用推進を行っている。</div>
</div>
<hr />
<div>田中電気株式会社</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>昭和28年7月(創業/昭和25年5月)</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>6,000万円</td>
</tr>
<tr>
<th>売上高</th>
<td>61億3,100万円(令和4年1月期)</td>
</tr>
<tr>
<th>従業員数</th>
<td>256人(令和4年6月現在)</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>無線機事業、放送設備点検事業、レンタル事業、ドローン事業など</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.tanaka-denki.co.jp/" target="_blank">https://www.tanaka-denki.co.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td>0120-150-712 (平日 8:30～17:30)</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div>一般財団法人移動無線センター</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>創業</th>
<td>昭和39年7月</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>MCA事業</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.mrc.or.jp/" target="_blank">https://www.mrc.or.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td>03-5323-5509 (平日 9:00～17:30)</td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせメールアドレス</th>
<td><a href="mailto:mcaccess_e@mrc.or.jp" target="_blank">mcaccess_e@mrc.or.jp</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div id="material-area" class="jto-p-material">
<div class="jto-p-material__lead">この記事で支援企業が提供している<br />ソリューションの資料をダウンロードする</div>
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</div><div class="footnote">
<p class="footnote"><a href="#fn-1e009e7c" name="f-1e009e7c" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※MCA無線 : 国から割り当てられた周波数を限られたユーザーが共同で利用できる専用システム網</span></p>
<p class="footnote"><a href="#fn-3a3a7426" name="f-3a3a7426" class="footnote-number">*2</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※輻輳 : 通信が一度に集中することで通信困難になる状態</span></p>
</div>

「災害に強い」MCA無線機を導入し、 緊急時対応の機動力を強化

<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">埼玉県滑川町の取り組み</span></p>
<p class="jto-c-topic">防災行政無線の整備</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="広範囲に通じて災害時に強いMCA無線で確実な情報伝達を">広範囲に通じて災害時に強い、MCA無線で確実な情報伝達を</h3>
<div class="jto-c-interviewee">滑川町 総務政策課 課長　大塚 信一</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 一般財団法人移動無線センター</div>
</div>
<p>※下記は自治体通信 Vol.19（2019年8月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
<div class="jto-c-lead">
<p>防災対策をよりいっそう強化していくため、各自治体ではさまざまな施策が行われている。防災行政無線の見直しも、その強化策のひとつだ。そうしたなか、滑川町(埼玉県)では移動系無線を平成30年度末からハンディ型のMCA<a href="#f-9634c752" name="fn-9634c752" title="※MCA : Multi-Channel Accessの略">*1</a>無線に新しく切り替えた。同町の担当者である大塚氏に、切り替えた背景や導入した決め手などを聞いた。</p>
</div>
<div class="municipality-data">[滑川町] ■人口:1万9,196人(令和元年7月1日現在) ■世帯数:7,793世帯(令和元年7月1日現在) ■予算規模:96億7,354万8,000円(令和元年度当初予算)■総面積:29.68km<sup>2</sup> ■概要:埼玉県のほぼ中央にあり、都心から60km圏内に位置している。全町域の60%がなだらかな丘陵地で、北東部には国営武蔵丘陵森林公園が広がっている。町の中央を滑川が、南東部を市野川が流れ、かんがい用水として約200個のため池が点在。滑川を境に、北部は農業地帯、南部は住宅と工業地帯となっている。公共交通機関や自動車を利用して1時間という絶好の地理的条件を活かし、首都圏のレクリエーション地域として発展してきた。</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220613/20220613151418.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">滑川町</div>
<div class="jto-p-person__position">総務政策課 課長</div>
<div class="jto-p-person__name">大塚 信一 <span class="jto-p-person__kana">おおつか のぶいち</span></div>
</div>
</div>
<h4 id="丘陵地という性質上車載型では限界があった">丘陵地という性質上、「車載型」では限界があった</h4>
<p><strong>―新たな防災行政無線を導入した背景を教えてください。</strong></p>
<p>　きっかけは、防災行政無線をアナログからデジタルに移行するためです。それにともない、移動系無線を「車載型」から「ハンディ型」に変更しようと考えたのです。<br /><br />　滑川町は丘陵地が多く、車では行けないエリアもあります。そうした場合は、一旦職員が徒歩で現場状況を確認し、車に戻ってから本部とやりとりしなければならない。それゆえ、時間のロスはどうしても起こりえます。その点、ハンディ型だと職員が現地に行って、その場で通信が可能ですから。<br /><br />　くわえて、地域によっては防災無線が届きにくいエリアもありました。そのため、町内のどこでも通信がつながるようなハンディ型無線を検討していたのです。</p>
<p><strong>―どのように検討していったのでしょう。</strong></p>
<p>　まず、着目したのは「IP無線」です。こちらは携帯電話の回線を使った無線で、滑川町では全エリアで携帯が通じることから適しているのではないか、と。ただ、もし災害が起こった場合、たとえば携帯電話も含めたいっせい利用などで通信に輻輳(ふくそう)<a href="#f-3df602ab" name="fn-3df602ab" title="※輻輳 : 電話回線やインターネット回線にアクセスが集中し、つながりにくくなること">*2</a>が起こらないとも限りません。そこで、過去の災害時において多くの活用実績をもつ「MCA無線」にも注目したのです。<br /><br />　「広範囲に通じて、災害時に強い通信を」という観点で引き続き検討を続けるなか、IP回線と二重の通信が可能なMCA無線がリリースされることを聞いたのです。「これなら要件を満たしている」と考えました。<br /><br />　また、定額制で初期導入費用が抑えられることも考慮し、導入することにしたのです。</p>
<h4 id="普段から助けあえるようなコミュニティづくりを支援">普段から助けあえるような、コミュニティづくりを支援</h4>
<p><strong>―導入後はいかがですか。</strong></p>
<p>　平常時ですが、いままで車載型では通じなかったエリアでも通信できるのを確認ずみです。庁舎内も含めて基本的にすべてMCAでカバーできていますが、万が一、MCAが通じなかった場合でも、IPで二重化されているため安定した通信が期待できます。災害時には、なにが起こるか予測がつきません。その点、IPもあわせて利用できるのはやはり心強いと感じています。<br /><br />　また、これも災害時ではありませんが、町内における行方不明者の捜索にMCA無線を活用しました。ボタンひとつで通じるうえに、所持者全員といっせい通話が行えるためスムーズな情報伝達ができ、早期発見につながりました。</p>
<p class="text-center"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220613/20220613155141.jpg" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><strong>―今後の防災対策における方針を教えてください。</strong></p>
<p>　災害は、まったなしに起こります。そのため、普段から防災に対する意識づけを行っていくことが重要。それは、職員はもちろん、町民の方も含まれます。<br /><br />　滑川町では、昔からつき合いがあり、なにかあれば近所の方同士で声かけができる仕組みがすでにできているエリアがある一方、区画整理によって新住民が増えているエリアがあります。そういった新しい方たちにも、防災訓練の参加を働きかけるなどして、防災意識を高めてもらうとともに、普段から助けあえるようなコミュニティづくりの支援を行っていきます。<br /><br />　MCA無線も行方不明者捜索のように、普段から使用することでいざというときに使い慣れておきたいですね。</p>
<hr />
<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">支援企業の視点</span></p>

<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="複数の通信手段をもつことで万が一の際に安心の担保となる">複数の通信手段をもつことで、万が一の際に「安心の担保」となる</h3>
<div class="jto-c-interviewee">一般財団法人移動無線センター 関東センター利用推進部 防災・公共安全利用推進室長　本間 達也</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 一般財団法人移動無線センター</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20220613/20220613162453.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">一般財団法人移動無線センター</div>
<div class="jto-p-person__position">関東センター利用推進部 防災・公共安全利用推進室長</div>
<div class="jto-p-person__name">本間 達也 <span class="jto-p-person__kana">ほんま たつや</span></div>
</div>
</div>
<p><strong>―防災行政無線の刷新を検討している自治体は多いのですか。</strong></p>
<p>　ええ。アナログ方式における周波数の期限が迫っているのはもちろん、新スプリアス<a href="#f-7bbd960b" name="fn-7bbd960b" title="※スプリアス : 無線設備から発射される電波のうち、本来必要とされる所定の周波数を外れた不必要な電波のこと。従来の規格の使用期限は令和4年11月30日まで">*3</a>規格に対応できない無線も将来使えなくなります。老朽化も含め、そうした背景から入れ替えを検討している自治体は多いですね。</p>
<p><strong>―そうしたなか、MCA無線はどのような特徴をもっているのでしょう。</strong></p>
<p>　もともとは、運送会社で車と配送センターの業務連絡などに使用されていた無線です。それが阪神・淡路大震災で活用されたことで注目され、「災害時に強い無線」として自治体や企業に普及していったのです。</p>
<p>　特徴は、やはり「つながりやすさ」ですね。通信は同一ユーザーに特定されているほか、通信時間を制限しているため、輻輳もほぼありません。もしMCAがつながらない場合でも、IPと二重化されているので安定した通信が確保できるのです。</p>
<p>　また、自営の中継局には非常用発電装置が完備されており、停電でも通信が継続できます。さらに、定額制で初期投資費用も大幅に抑えられるのです。<br /><br /><strong>―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。</strong></p>
<p>　MCA無線は現在、338の自治体で導入されているほか、多くの中央省庁でも導入予定です。すでにデジタル防災行政無線を導入ずみでも、「安心の担保」として追加で導入している自治体もあります。災害時に強いMCA無線は、万が一の際に通信の「最後の砦」になるのです。通信認知・普及を進めることで、防災に貢献していきたいですね。</p>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">本間 達也（ほんま たつや）プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">東京都生まれ。昭和59年に財団法人移動無線センター(現:一般財団法人移動無線センター)に採用される。利用推進事業を担当する。平成30年から、現職の防災・公共安全利用推進室長として中央省庁、地方自治体に対してMCA無線の推進を行っている。</div>
</div>
<hr />
<div>一般財団法人移動無線センター</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>平成24年4月(創業/昭和39年7月)</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>MCA事業(マルチチャンネルアクセスと呼ばれる、複数の周波数を多くの利用者で共用する陸上移動通信システムの中継局を全国に整備した、業務用移動通信サービス)</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.mrc.or.jp/" target="_blank">https://www.mrc.or.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td>03-5323-5509</td>
</tr>
</tbody>
</table><div class="footnote">
<p class="footnote"><a href="#fn-9634c752" name="f-9634c752" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※MCA : Multi-Channel Accessの略</span></p>
<p class="footnote"><a href="#fn-3df602ab" name="f-3df602ab" class="footnote-number">*2</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※輻輳 : 電話回線やインターネット回線にアクセスが集中し、つながりにくくなること</span></p>
<p class="footnote"><a href="#fn-7bbd960b" name="f-7bbd960b" class="footnote-number">*3</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※スプリアス : 無線設備から発射される電波のうち、本来必要とされる所定の周波数を外れた不必要な電波のこと。従来の規格の使用期限は令和4年11月30日まで</span></p>
</div>

広範囲に通じて災害時に強い、MCA無線で確実な情報伝達を

<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">千葉県千葉市の取り組み</span></p>

<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="費用負担を抑えたMCA無線で災害に強い移動系通信網を整備">費用負担を抑えたMCA無線で「災害に強い」移動系通信網を整備</h3>
<div class="jto-c-interviewee">千葉市 総務局危機管理部 防災対策課 課長　田中 剛志</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 一般財団法人移動無線センター</div>
</div>
<p>※下記は自治体通信 Vol.44（2022年11月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
<div class="jto-c-lead">
<p>災害対応の機動力や通信の安定性を高めるために、移動系防災無線システムの導入や見直しを検討している自治体は多い。千葉市(千葉県)もそうした自治体の1つで、同市担当者の田中氏によると、「従来の自営網によるシステムを見直し、災害時でも安定した通信が確保できる共同利用型の移動系防災無線システムを整備した」という。共同利用型の仕組みとはどのようなものなのか。従来のシステムを見直した経緯と合わせて、同氏に話を聞いた。</p>
</div>
<div class="jto-p-jumpToMaterial"><a href="#material-area"><span class="fa fa-chevron-circle-down"> </span> 本記事で紹介しているサービス概要資料はこちら</a></div>
<div class="municipality-data">[千葉市] ■人口:97万8,801人(令和4年10月1日現在) ■世帯数:46万153世帯(令和4年10月1日現在) ■予算規模:9,295億5,300万円(令和4年度当初) ■面積:271.76km2 ■概要:千葉県の中央部に位置する県庁所在地。臨海部の開発、大規模住宅団地の建設、内陸工業団地の造成、さらには、近隣町村との合併や埋め立てにより市域を拡大。快適な生活環境づくり、バランスのとれた都市づくりを進め、平成4年4月1日には、全国12番目の政令指定都市に移行した。</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20221028/20221028172324.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">千葉市</div>
<div class="jto-p-person__position">総務局危機管理部 防災対策課 課長</div>
<div class="jto-p-person__name">田中 剛志 <span class="jto-p-person__kana">たなか つよし</span></div>
</div>
</div>
<h4 id="自営網の無線では通信が途切れることも">自営網の無線では、「通信が途切れる」ことも</h4>
<p><strong>―移動系防災無線システムを見直した経緯を教えてください。</strong></p>
<p>　当市は平成22年度に、260MHz帯の移動系防災無線システムを整備しました。従来のシステムは、自営網のため通信の混雑や遮断は起きにくいのですが、一方でときには「通信が途切れる」ことがあったのも事実です。中継局が少なければ遠くまで電波は届かず、通信端末が建物内にあれば電波が入りにくくなるためです。そのほか、通信容量の関係で端末の同時利用は最大11回線までで、大規模災害時などは迅速に情報共有ができるか不安でした。災害が激甚化・頻発化しているいま、より安定して非常時通信ができる移動系無線システムの整備が必要と考えたのです。</p>
<p><strong>―どのような検討をしましたか。</strong></p>
<p>　自営網以外の無線システムであることを条件に、システム選定を行うことにしました。というのも、自営網の整備には大きな初期投資が必要となり、設備の維持管理も事業者に委託するため、財政上の大きな負担になります。そこで、「安定した通信システム」を、可能な限り費用負担を抑えて整備しようと考えたのです。検討の結果、令和2年7月に行ったプロポーザルで、『MCAアドバンス』という無線システムを選定し、令和3年度から導入しています。</p>
<p><strong>―どういったシステムでしょう。</strong></p>
<p>　移動無線センターが運営し、限られた利用者のみが使用できる専用無線網「MCA無線<a href="#f-01493a13" name="fn-01493a13" title="※MCA無線 : 国から割り当てられた周波数を限られたユーザーが共同で利用する専用システム網">*1</a>」を活用したシステムです。いわば、「共同利用型の自営無線システム」です。不特定多数が使う公衆通信網ではないため、輻輳<a href="#f-3a3a7426" name="fn-3a3a7426" title="※輻輳 : 通信が一度に集中することで通信困難になる状態">*2</a>が起きにくい特徴があります。不感地帯の解消を目的に、IP無線網も活用できる「通信の二重化」を行っているため、災害時でも安定した通信が期待できます。さらに、MCA無線は共同利用型であることから、当市の試算では、自営網の整備と比較して約40%費用負担を抑えられるという結果が出ています。</p>
<h4 id="スマートフォン形状なので操作しやすく画像送信も可能">スマートフォン形状なので、操作しやすく画像送信も可能</h4>
<p><strong>―導入効果はいかがですか。</strong></p>
<p>　通信端末はスマートフォン形状であり、使い慣れているため操作しやすいです。データ通信機能によって災害現場の状況を画像で送ることもでき、災害対策本部では現状をより詳細に把握できます。また、今回は480台の端末を導入しましたが、MCA無線自体が限られた利用者のなかで通信容量を共有し効率的に通信を行える方式のため、これまでのように同時利用する際に回線数が制限されることはありません。まさに、「災害に強い」移動系無線システムを整備できたので、今後は災害対応の機動力をさらに高められると考えています。</p>
<p class="text-center"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20221028/20221028173143.jpg" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<hr />
<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">支援企業の視点</span></p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="自営網を整備しなくても安定した非常時通信は構築できる">自営網を整備しなくても、安定した非常時通信は構築できる</h3>
<div class="jto-c-interviewee">スイス通信システム株式会社 公需事業部 情報システム課 次長　澤辺 治彦<br />一般財団法人移動無線センター 事業本部次長 防災・公共安全利用 推進室長　本間 達也</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 一般財団法人移動無線センター</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20221028/20221028173716.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">スイス通信システム株式会社</div>
<div class="jto-p-person__position">公需事業部 情報システム課 次長</div>
<div class="jto-p-person__name">澤辺 治彦 <span class="jto-p-person__kana">さわべ はるひこ</span></div>
</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20221028/20221028173754.jpg" alt="" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">一般財団法人移動無線センター</div>
<div class="jto-p-person__position">事業本部次長 防災・公共安全利用 推進室長</div>
<div class="jto-p-person__name">本間 達也 <span class="jto-p-person__kana">ほんま たつや</span></div>
</div>
</div>
<p class="jto-p-headline__heading jto-c-heading"><strong>―防災行政無線としてMCA無線システムを導入する例は増えていますか。</strong></p>
<p class="jto-p-headline__heading jto-c-heading"><strong>本間</strong>　非常に増えています。特に、これまでに多額の費用をかけて自営の移動系防災無線を整備してきた自治体では、高額な維持費の発生や通信エリア不足などの悩みを抱えています。そのため、当財団が全国各地に設置している中継局を利用できる「MCA無線」に注目が集まっているのです。このMCA無線は、費用負担を抑えて災害時でも安定した通信環境を整備できる無線システムとして、これまでに21省庁、350以上の自治体で導入実績があります。さらに昨年4月から、その進化版といえる『MCAアドバンス』という無線システムの提供を始めました。</p>
<p class="jto-p-headline__heading jto-c-heading"><strong>―どのような特徴があるのでしょう。</strong></p>
<p class="jto-p-headline__heading jto-c-heading"><strong>澤辺</strong>　通信端末を、これまでのトランシーバー型からスマートフォン型にモデルチェンジし、画像送信だけでなく動画やチャットも利用できる機能を搭載しました。これらの機能をフル活用すれば、自治体の災害対策本部では、音声通話とは比較にならない詳細な災害現場の状況を把握できるようになり、災害対応の強化に寄与するはずです。<br /><br />　移動系防災行政無線システムの整備・更新を検討されている自治体のみなさんは、ぜひご相談ください。</p>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">澤辺 治彦 (さわべ はるひこ) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">千葉県生まれ。昭和59年にスイス通信システム株式会社へ入社。現在は、主に防災行政無線などの営業業務に携わる。</div>
</div>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">本間 達也 (ほんま たつや) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">東京都生まれ。昭和59年に財団法人移動無線センター(現:一般財団法人移動無線センター)に採用され、利用推進事業を担当する。平成30年から、現職の防災・公共安全利用推進室長として中央省庁、地方自治体に対してMCA無線の利用推進を行っている。</div>
</div>
<hr />
<div>スイス通信システム株式会社</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>昭和40年9月</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>3,000万円</td>
</tr>
<tr>
<th>売上高</th>
<td>23億円(令和4年5月期)</td>
</tr>
<tr>
<th>従業員数</th>
<td>90人(令和4年5月期)</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>無線機、通信機器、情報機器の販売、保守など</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.systs.co.jp/" target="_blank">https://www.systs.co.jp/</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div>一般財団法人移動無線センター</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>創業</th>
<td>昭和39年7月</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>MCA事業</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.mrc.or.jp/" target="_blank">https://www.mrc.or.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td>03-5323-5509 (平日 9:00～17:30)</td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせメールアドレス</th>
<td><a href="mailto:mcaccess_e@mrc.or.jp" target="_blank">mcaccess_e@mrc.or.jp</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div id="material-area" class="jto-p-material">
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</div><div class="footnote">
<p class="footnote"><a href="#fn-01493a13" name="f-01493a13" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※MCA無線 : 国から割り当てられた周波数を限られたユーザーが共同で利用する専用システム網<br /></span></p>
<p class="footnote"><a href="#fn-3a3a7426" name="f-3a3a7426" class="footnote-number">*2</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※輻輳 : 通信が一度に集中することで通信困難になる状態</span></p>
</div>

費用負担を抑えたMCA無線で「災害に強い」移動系通信網を整備

<div class="jto-p-headline">
<p><span class="jto-c-label">民間企業の取り組み</span></p>
<p class="jto-c-topic">防災行政無線の整備</p>
<h3 class="jto-p-headline__heading jto-c-heading" id="MCA無線で費用負担を抑えた災害に強い通信網の構築を急げ">MCA無線で費用負担を抑えた「災害に強い」通信網の構築を急げ</h3>
<div class="jto-c-interviewee">一般財団法人移動無線センター 専務理事 事業本部長　奥 英之<br />PSCP株式会社 代表取締役社長　渡邊 一雄</div>
<div class="jto-c-sponsored">[提供] 一般財団法人移動無線センター / PSCP株式会社</div>
</div>
<p>※下記は自治体通信 Vol.33（2021年10月号）から抜粋し、記事は取材時のものです。</p>
<hr />
<div class="jto-c-lead">
<p>大規模災害が頻発する昨今、職員同士で災害情報をいかに的確かつ迅速に共有するか。多くの自治体に共通した課題である。これに対し、多くの自治体における無線網構築を支援してきた移動無線センター専務理事の奥氏は、「自前で防災行政無線の整備を行うことに負担を感じている自治体は少なくない」と指摘する。自治体が感じる課題とその解決策について、端末やアプリケーション事業を担うPSCP代表の渡邊氏とともに話を聞いた。</p>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210910/20210910121506.jpg" alt="f:id:jichitaitsushin:20210910121506j:plain" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">一般財団法人移動無線センター</div>
<div class="jto-p-person__position">専務理事 事業本部長</div>
<div class="jto-p-person__name">奥 英之 <span class="jto-p-person__kana">おく ひでゆき</span></div>
</div>
</div>
<div class="jto-p-person">
<div class="jto-p-person__photo"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210910/20210910121537.jpg" alt="f:id:jichitaitsushin:20210910121537j:plain" /></div>
<div class="jto-p-person__meta">
<div class="jto-p-person__organization">PSCP株式会社</div>
<div class="jto-p-person__position">代表取締役社長</div>
<div class="jto-p-person__name">渡邊 一雄 <span class="jto-p-person__kana">わたなべ かずお</span></div>
</div>
</div>
<h4 id="自前で整備した無線網が財政圧迫の要因に">自前で整備した無線網が、財政圧迫の要因に</h4>
<p><strong>―現在、防災用無線網の構築をめぐる自治体の課題はなんですか。</strong></p>
<p><strong>奥</strong>　これまで多くの自治体では、「防災行政無線」というカタチで個別の通信網を構築するのが主流でした。しかしこの場合、個々の自治体が自前で無線網を整備しなければなりません。そのため、整備費用の大きさはもとより、維持管理も事業者に委託し、多くの自治体でこの自前の無線網が財政を圧迫する要因になってきています。</p>
<p><strong>渡邊</strong>　また近年は、災害の被害が広域化・大規模化しており、災害時の自治体間連携がとても重要になっています。しかし、各自治体が個別に整備した無線網同士だと通信ができず、自治体間連携の障害になるケースも指摘されています。</p>
<p><strong>―それらの課題に対して、どのような解決策がありますか。</strong></p>
<p><strong>奥</strong>　我々はこれまで、「MCA無線<a href="#f-1bf40079" name="fn-1bf40079" title="※MCA無線 : 複数の周波数を多くの利用者で利用する専用システム網。MCAは「マルチチャンネルアクセス」の略語">*1</a>」という独自の通信方式を提案してきました。これは当センターが運営し、限られた利用者のみが使用する専用システム網です。不特定多数が使う公衆通信網と違い、災害時も輻輳<a href="#f-0a95654d" name="fn-0a95654d" title="※輻輳 : 通信が一度に集中することで通信ができなくなる状態">*2</a>の影響を受けにくいうえ、各中継局には非常用発電機を設置し、停電時にも最大72時間以上の運用が可能。ほかにも、中継局は24時間365日対応の有人監視体制で守られるなど、災害への強さを特徴としています。<br /><br />　さらに、MCA無線は共同利用型のため、導入自治体は整備費用や維持管理費を抑えられる。災害に強い共同利用型の自営無線システムとして、中央省庁での導入をはじめ、 350以上の自治体に採用されてきた実績があります。</p>
<p><strong>渡邊</strong>　今年4月からは、その進化版とも言える『MCAアドバンス』という新たなサービスを開始しています。</p>
<h4 id="動画が使える進化版を組織間連携の基盤に">動画が使える進化版を、組織間連携の基盤に</h4>
<p><strong>―どのようなサービスですか。</strong></p>
<p><strong>渡邊</strong>　 LTE通信技術の採用で、従来の音声通話に限らず、動画やチャットをはじめとするデータ通信機能を搭載しているのが最大の特徴です。『MCAアドバンス』の端末はスマートフォン型にモデルチェンジし、画面は強化ガラスにして防水・防塵機能も備えています。この端末を介して動画でのやり取りができ、本部では被災現場や避難所などの映像確認がリアルタイムに行えるため、音声通話とは比べ物にならない詳細な現地情報を把握できるようになります。端末からは位置情報が取れるため、遠隔地にいる職員に、的確かつ迅速な指示・命令を繰り出すことができるでしょう。</p>
<p><strong>―動画活用ができるなら、用途は広がりそうですね。</strong></p>
<p><strong>渡邊</strong>　ええ。水道事業や道路事業といった部門での普段使いも可能でしょう。また、共同利用型というMCA無線の特徴を活かし、隣接自治体や各種事業者との組織間連携の基盤にもなると思います。</p>
<p class="text-center"><img src="https://jto-image.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/images/fotolife/j/jichitaitsushin/20210910/20210910132426.jpg" alt="f:id:jichitaitsushin:20210910132426j:plain" title="" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p>
<p><strong>―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。</strong></p>
<p><strong>奥</strong>　『MCAアドバンス』は利便性を高める一方、耐災害性というMCA無線の特徴はそのまま継承しています。実際、各携帯キャリアの通信網に壊滅的な被害をもたらした平成28年熊本地震のほか、大規模停電が発生した平成30年北海道胆振東部地震や千葉の令和元年台風15号被害の際も、MCA無線は停波なく全中継局とも通常どおりのサービスを提供できた実績があります。まさに自治体が求める「費用を抑えた災害に強い無線システム」と言えます。ぜひ私たちにお問い合わせください。</p>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">奥 英之 (おく ひでゆき) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">昭和34年、三重県生まれ。昭和58年、東京大学卒業後、郵政省(現:総務省)へ入省。平成29年、一般財団法人移動無線センターへ入職。令和2年から現職。</div>
</div>
<div class="jto-p-profile">
<div class="jto-p-profile__heading">渡邊 一雄 (わたなべ かずお) プロフィール</div>
<div class="jto-p-profile__body">昭和39年、愛知県生まれ。昭和63年、青山学院大学卒業後、日本電気株式会社へ入社。令和3年、PSCP株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。</div>
</div>
<div>一般財団法人移動無線センター</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>平成24年4月(創業/昭和39年7月)</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>MCA事業</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.mrc.or.jp/" target="_blank">https://www.mrc.or.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td>03-5323-5509 (平日9:00～17:30)</td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせメールアドレス</th>
<td><a href="mailto:mcaccess_e@mrc.or.jp" target="_blank">mcaccess_e@mrc.or.jp</a></td>
</tr>
</tbody>
</table>
<div>PSCP株式会社</div>
<table>
<tbody>
<tr>
<th>設立</th>
<td>令和3年4月<br />(前身のPSコミュニケーション企画株式会社の設立は平成29年12月)</td>
</tr>
<tr>
<th>資本金</th>
<td>9.000万円</td>
</tr>
<tr>
<th>事業内容</th>
<td>MCA業務用無線通信に関する端末事業、アプリケーション事業</td>
</tr>
<tr>
<th>URL</th>
<td><a href="https://www.psc-p.co.jp/" target="_blank">https://www.psc-p.co.jp/</a></td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせ電話番号</th>
<td>03-6455-7460 (平日9:00～17:30)</td>
</tr>
<tr>
<th>お問い合わせメールアドレス</th>
<td><a href="mailto:contact@psc-p.co.jp" target="_blank">contact@psc-p.co.jp</a></td>
</tr>
</tbody>
</table><div class="footnote">
<p class="footnote"><a href="#fn-1bf40079" name="f-1bf40079" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※MCA無線 : 複数の周波数を多くの利用者で利用する専用システム網。MCAは「マルチチャンネルアクセス」の略語</span></p>
<p class="footnote"><a href="#fn-0a95654d" name="f-0a95654d" class="footnote-number">*2</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">※輻輳 : 通信が一度に集中することで通信ができなくなる状態</span></p>
</div>

MCA無線で費用負担を抑えた「災害に強い」通信網の構築を急げ

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