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熊本県熊本市 の取り組み

「いつでも、どこでも」つながる機器が 実現する新しい教育のカタチ

熊本市教育委員会事務局 学校教育部 熊本市教育センター 教育情報室 室長 土井 義周
熊本県立大学 総合管理学部 総合管理学科 情報部門 教授 飯村 伊智郎
[提供] 株式会社NTTドコモ

大学入試改革や新学習指導要領の施行を前に、教育現場のICT化は待ったなしの状況にある。そうしたなか、民間企業や地元大学との連携協定を結び、教育ICTの整備に乗り出したのが熊本市(熊本県)だ。そのユニークな連携スキームにくわえ、世間の耳目を集めたのが、2万3,000台余りというタブレット端末の導入規模だった。これは、自治体による教育用セルラータブレットとしては国内最大規模となる。大胆な決断に至った背景や狙いとはなにか。関係者に話を聞いた。

※下記は自治体通信 テクノロジー特別号(2019年2月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

熊本県熊本市データ

人口: 74万38人(平成30年12月1日現在) 世帯数: 32万4,276世帯(平成30年12月1日現在) 予算規模: 6,552億5,645万8,000円(平成30年 度当初) 面積: 390.32km² 概要: 九州の中央、熊本県の西北部に位置し、金峰山を主峰とする複式火山帯と、これに連なる立田山等の台地からなる。東部は阿蘇外輪火山群によってできた丘陵地帯、南部は白川の三角州で形成された低平野。気候は、内陸盆地的気象条件のため、寒暖の較差が大きく冬から春への移り変わりは早く、夏は比較的長い。産業はIC産業が集積するほか、全国でも高い生産性を誇る都市型農業、水産業など各種産業が展開されている。

―教育ICT整備に着手した経緯を聞かせてください。

 熊本市は平成28年まで教育ICTの整備がとても遅れており、整備率は全国で20ある政令指定都市のなかで19番目という低さでした。予算の制約などが理由でしたが、整備の遅れに対する問題意識はありました。そんな折、平成28年に熊本地震が発生。復旧・復興事業でさらに予算事情が厳しさを増すなか、事業の優先順位をあらためて議論する必要に迫られました。その結果、「未来への礎となる教育投資は重要」という市長の意思決定があり、教育ICT整備へと大胆に踏み切ることができました。

―整備にあたって、どのような方針を掲げたのでしょう。

 まず、やるなら最初から国の指針に沿う環境を整備しようと決め、タブレット端末は3人に1台が割り当てられる方針としました。3年間で2万3460台の規模となります。また、通信環境はWi-Fiではなく、LTEを選定したこともポイントです。校外学習でも自由に使え、ICTの効果を最大限にえられると期待しているからです。

―今後、どのような効果を期待していますか。

 知識をため込むだけでなく、それを使って深く考え、発信できる能力を養う教育をICTによって実現したいです。そのために、整備事業を委託したNTTドコモの提案により、地元大学も巻き込んだ連携協定を締結。プログラミング学習など、新学習指導要領で必修となるカリキュラムに対応した学習環境のデザイン構築に挑戦しています。これを成功させ、「熊本市モデル」として発信することをめざしています。

―連携協定ではどのような役割を担っているのでしょう。

 プログラミング技術によって社会課題の最適な解決策を探る研究者として、まずはプログラミング学習の意義を啓発し、そのうえでその学習に教育ICTをいかに効果的に活用していくかという「学習環境デザイン」も手がけています。義務教育で必修化されるプログラミング学習に対し、「うちの子はエンジニアになるわけではないから必要ない」と感じている保護者も多いと聞きます。そうした誤解を解き、プログラミング学習の意義、ひいてはその実践に欠かせない教育ICT環境の重要性を広く伝えていくのが私の役割です。

―プログラミング学習の意義とはどのようなものですか。

 テクノロジーの進展で今後、プログラミングはより身近になり、だれもが使いこなす技術になる。この技術がなければもはや情報発信もできない時代がいずれきます。かつて「読み、書き、そろばん」といわれた必修能力が、いまは世界的に「英語とプログラミング」といわれる理由がここにあります。

 それだけではなく、プログラミングでは、まず問題の所在を発見し、分析して整理・分類し、順序立てて解決していきます。こうした問題発見能力や論理的思考を学ぶことも、プログラミング学習の大きな意義です。まさに、新しい教育における象徴的な存在といっていい。その入口で使うツールとして、タブレット端末は最適です。

 世界ではいま、実社会での活用を前提に、制約のない環境でICT機器を使いこなす教育が実践されています。LTE対応のタブレット端末を大規模に導入した熊本市は世界基準の教育を実現できるチャンスをえたわけで、とても可能性を感じますね。

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