全国の自治体トップ・職員・議員に贈る
自治体の"経営力"を上げる情報サイト
自治体通信Online

奈良県奈良市 の取り組み

学びの特性と習熟度をAIで分析し個々の児童に合った指導につなげる

奈良市立柳生小学校 校長 坂上 典之
奈良市教育委員会 奈良市教育センター 教育支援課 課長補佐 垣見 弘明
[提供] 大日本印刷株式会社

子どもの学ぶ力を高めるため、一人ひとりの能力に適した指導を行う「個別最適化学習」の実現が求められている。しかし、「習熟度の測定」や「指導への反映」など課題は多い。こうしたなか、奈良市(奈良県)は課題解決に向け、AIを活用したテスト結果の分析や民間教育機関との連携を行う取り組みを実施している。その詳細を、市の担当者と小学校の校長に聞いた。

※下記は自治体通信 テクノロジー特別号(2019年2月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

奈良県奈良市データ

人口: 35万7,249人(平成30年12月1日現在) 世帯数: 16万2,039世帯(平成30年12月1日現在) 予算規模: 2,352億2,210万円(平成30年度当初) 面積: 276.94km² 概要: 和銅3年(西暦710年)に藤原京からこの地に都を遷されて以来、70余年の間、首都として栄えた。江戸時代には奈良奉行が置かれ、産業の奨励により製墨、奈良晒などが発展した。戦後は日本文化のふるさととして多くの観光客を受け入れるようになり、昭和25年には国際文化観光都市を宣言。また、隣接村との合併や、京阪神のベッドタウンとして市西部や北部に近代的な住宅団地が次々と建設されたことで、人口は急激に増加した。

―個別最適化学習に取り組んだ経緯を聞かせてください。

垣見:児童の学力向上に向けた取り組みをさらに充実させるため、一人ひとりに合った丁寧な指導の実現をめざしていました。そのためには、児童個々の学習傾向を客観的にとらえ、分析できるよう学力にかんする十分なデータをえることが必要だったのです。

 そこで、知識を系統的に積み重ねていく学習である算数において、個別のつまずきや学習内容の特性を読み取れる詳細なデータをえることで、個別最適化学習の実現をめざす『学びなら』という事業を平成28年から始めたのです。

―どのような取り組みですか。

垣見:まず、児童が受けたテストの答案を教員が採点し、学習用クラウドに送ります。その答案を、現代テスト理論(※)にもとづいてAIを活用して分析し、児童一人ひとりの習熟度や苦手分野に応じた復習教材をクラウド上で作成。教員はこれらの分析結果や復習教材を児童の指導に活用するのです。現在は、算数を対象教科に、このサイクルを単元テストと学期末テストで実施。市立小学校全43校の4~5年生とモデル校6校の6年生で導入しており、このうち柳生小学校については、山間地域のモデル校のひとつとして4~6年生を対象に実施しています。

※現代テスト理論: テストの得点を科学的対象としてあつかう学問分野のひとつ。小問ごとの正誤情報を統計的に処理することで、問題の難易度を客観的に設定し、個人の能力特性を可視化できる

―柳生小学校では『学びなら』で提供される復習教材をどのように活用しているのでしょう。

坂上:教材を家庭にもち帰り、宿題として取り組んでもらっています。最近では、放課後の時間を使い、民間の教育機関と連携して復習を行う実証研究にも参画しています。山間地域にある当校は、児童が通える塾が近くに少ないため、民間教育機関の講師にオンラインで遠隔指導をしてもらうのです。この実証研究は、経済産業省の実証事業「未来の教室」のひとつとして採択されています。

 この実証研究ではまず、学校側が単元テストの結果など児童の学習にかんする情報や復習教材をクラウド上にあげ、民間教育機関と共有します。民間教育機関の講師はこれらをもとに、パソコンの画面を通じて児童を1対1で指導。その後、指導した内容や児童の理解度、つまずきやすいポイントなどを、学校へのフィードバックとしてクラウドで共有するのです。

官民一体で児童を育てていく

―実証研究ではどのような点に意義を感じていますか。

坂上:民間教育機関の協力がくわわることで、学校や各家庭での学習が補完される点です。官民が児童一人ひとりの学習状況や指導内容を共有することで、個人に対してよりきめ細かな指導を実現できるようになりました。これまで取り組んできた個別最適化学習が一層充実するようになったと実感しています。

―個別最適化学習の実現に向けて今後の展望を聞かせてください。

坂上:教わったことを暗記するだけでなく、みずから考える力を身につけられる教育を実現したいと考えています。児童の思考力を高めるには、指導する教員や学校が、個々の学習状況や理解度をきちんと把握することがまず大切です。

 その仕組みづくりとして、AIやクラウドなどの先端技術も、必要に応じて積極的に取り込んでいきたいです。

垣見:民間教育機関との連携では、復習教材だけでなく、AIの活用による分析結果も共有し、民間のノウハウや活力も取り入れながら、より効果的な個別最適化学習を実現させたいですね。

自治体通信メール版

「自治体通信オンライン」の最新記事や、イベント情報などをいち早くお届けします。

この記事について支援企業へ問い合わせる

自治体名・会社名 *
部署・役職名 *
お名前 *
電話番号
メールアドレス *
ご相談内容
【個人情報の取り扱いについて】
ご提供いただいた個人情報は弊社プライバシーポリシーに基づき管理され、必要に応じて自治体もしくは支援企業に提供する場合がございます。
また、自治体通信から電子メールなどで各種ご案内をさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

自治体通信カンファレンス
自治体総合フェア2019

自治体の取り組みを探す

課題から探す
地域から探す

自治体通信

自治体通信

自治体通信は経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。
自治体関係者の方に無料配布しております。

自治体通信への取材希望の方

自治体通信編集部では、「自治体の"経営力"を上げる」というテーマのもと紙面に登場いただける自治体関係者・自治体支援企業の方を募集しております。

地域別ケーススタディ
課題別ケーススタディ
自治体通信カンファレンス
自治体総合フェア2019
pagetop