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茨城県つくば市の取り組み

会議録作成ツールの導入

簡単に「学習」させられるAI音声認識技術が、行政の業務効率化を大きく促す

つくば市 総務部 ワークライフバランス推進課 主任 山本 大介
[提供] 株式会社イグアス

人員の削減や業務負担の増大に直面するなか、ICTツールを活用した業務効率化は、どの自治体においても共通の課題となっている。そうしたなか、つくば市では、民間の先端技術成果を公共サービス分野に積極的に導入するための取り組み「つくばイノベーションスイッチ」を立ち上げ、業務効率化に活かしているという。この取り組みを担当する同市総務部ワークライフバランス推進課の山本氏に、取り組みの内容とその成果について聞いた。

つくば市データ
人口:24万3,467人(令和2年6月1日現在) 世帯数:10万9,170世帯(令和2年6月1日現在) 予算規模:1,488億875万円(令和2年度当初) 面積:283.72km² 概要:北に関東の名峰筑波山を擁し、東には我が国第2位の面積を有する霞ヶ浦を控え、あわせて水郷筑波国定公園に指定されている。市内にある筑波研究学園都市は、研究機関などの集積を活かした世界的な科学技術拠点都市としての実績を積み重ねる。現在では2万人を超える研究者を有する我が国最大のサイエンスシティとなっている。
つくば市
総務部 ワークライフバランス推進課 主任
山本 大介やまもと だいすけ

市が抱えるニーズと非常にマッチ

―「つくばイノベーションスイッチ」という取り組みについて教えてください。

 行政ではまだ導入されていない先端技術について、民間事業者とともに共同研究を行い、導入に向けた可能性を検証するための取り組みです。民間ではすでに導入が進んでいるものの、行政では導入がまだ進んでいない技術・サービスは多くあります。そうした成果を積極的に導入し、市民サービスの向上や行政の業務効率化に活かしていくのが、この取り組みの狙いです。

 事業スキームについては、市側が行政課題を設定して、その解決策を民間事業者から提案してもらう「課題設定型」と、民間事業者から研究テーマを提案してもらう「提案型」があります。

―これまでの研究内容には、どのようなものがありましたか。

 「課題設定型」では、平成29年にはイノベーションスイッチ事業第1回として、RPA(Robotic Process Automation)を活用した定型的で膨大な業務プロセスの自動化の検証を行いました。「提案型」は昨年度から実施しており、その1つとして、「AIを活用した議事録作成システム」の共同研究を行いました。議事録作成業務は、普段住民からは見えにくい業務ではありますが、担当職員の負担が大きく、効率化が必要な業務のひとつでした。そのため、システムの提供元となるイグアスなどの民間企業グループから受けた提案は、市が抱えるニーズと非常にマッチしたことから、採択された経緯があります。

「大きく負担が減った」「ぜひ正式導入してほしい」との声が

―「AIを活用した議事録作成システム」とは、どのようなシステムでしょう。

 検証した『AI Minutes for Enterprise』というシステムは、会議での音声をリアルタイムにテキスト化してくれるシステムです。パブリッククラウドの活用が前提となるため、非公開情報などの保護の観点から当市ではまず市民へ公開される会議を対象と決め、令和元年11月から令和2年3月までの5ヵ月にわたり、時間削減効果や音声認識率の正確性、録音条件の影響などを検証しました。この検証には、庁内で広く参加を募ったところ、およそ30の部署が興味を示してくれました。この技術に対する職員の関心の高さを感じましたね。

―検証の結果はいかがでしたか。

 約20の庁内会議で検証を行ったのですが、大きな業務効率効果が確認されました。具体的には、従来要していた業務時間に対して、一言一句を文字化する「逐語録形式」の場合は3割程度、全体の大まかな内容をまとめる「概要形式」にかんしては、じつに7割ほどの削減効果を得られています。

 音声認識率については、期待どおりのレベルは発揮されました。さらに、検証した『AI Minutes for Enterprise』の大きな特徴として、「学習機能」が搭載されています。過去のテキストをコピー&ペーストで読み込ませるだけで、システムが学習してくれるのは非常に簡単で使いやすかった。庁内で簡単にカスタマイズ化することが可能で、音声認識率のさらなる向上が期待できます。実際、この機能を活用し、音声認識率は10%ほど向上した感覚ですね。

―今後の予定を教えてください。

 今後、正式な報告書を公表する予定ですが、検証の結果、『AI Minutes for Enterprise』には、大きな業務効率化効果が実証されました。実際、検証に参加した職員からは、「負担が大きく減った」「ぜひ正式導入してほしい」といった声が寄せられています。また、業務効率化だけではなく、昨今、行政に求められる透明性や迅速な情報公開体制の構築にも寄与するでしょう。

 今回の検証では、学習機能の活用や録音条件の改善などによって、その導入効果をさらに高められる可能性についても確認できました。今後本格導入する場合には、こうした知見も投入し、業務効率化を通じた行政サービスのさらなる向上に活かしていきたいですね。

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