
民間企業の取り組み
調達業務の効率化
全国的な情報を網羅したツール活用で、調達情報はもはや簡単に得る時代に
取締役 NJSS事業部長 渡邉 貴彦
※下記は自治体通信 自治体DX特別号(2021年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
近年、スマートシティに向けての新たな取り組みが行われたり、外部環境が大きく変化するなか、自治体職員が行うべき調達は以前にくらべて多岐にわたるように。民間企業に向けて公共事業に関する入札・落札情報を提供している、うるるの渡邉氏は、「いかに効率的に調達情報を収集するかが重要だ」と強調する。同氏に、調達における近年の傾向も含めて詳細を聞いた。

調達情報の収集に、現場は「追いつめられている」
―近年、調達においてどのような傾向がありますか。
ポイントは、おもに3つあります。1つ目は、AIやRPAといったDXに関する新しい事業が徐々に増えていること。2つ目は、一般競争入札や指名競争だけでなく、企画の品質を問われるような公募型プロポーザルの入札が多くなっていること。これは、画一的なものではなく、地元のためになるような事業を民間企業のノウハウを取り入れて実現させようという狙いがあると考えられます。3つ目は、効率的に調達を行うため、事業を細分化するのではなく、包括的に調達する大型案件が増えていることです。
さらにくわえると、この「コロナ禍」のなか、特別給付金交付のシステムのように、首長が専決してとにかく対応を急ぐような調達が行われる傾向にありますね。
―そうしたなか、調達を行っていくうえでの課題はなんでしょう。
やはり、調達準備を行う職員の負担が増えることが考えられます。以前であれば極端な話、予算内でルール違反に気を配ってさえいればいい、というのが判断基準とも言えました。しかしいまは、これまでに前例がない新しい事業の調達や、より多くの民間企業が「参画したい」と思えるような魅力的な調達情報の作成。そして、大型案件の調達を行おうとすれば、当然そのための情報収集が必要です。さらに、それにスピーディさが求められるとなると、現場はまさに、「追いつめられている」といった表現が適切かもしれません。
―どうすればいいですか。
「過去にどのような調達が行われたか」という情報を、効率的に収集することが求められます。そう考えると、個人が独自で情報収集を行うには限界があります。その点、全国の調達情報を調べられるツールがあれば、効率的な情報収集が可能。たとえば、当社が提供している『調達インフォ』が、まさにそうしたツールです。
調達の企画立案に、時間を割いてほしい
―詳細を教えてください。
官公庁・自治体の調達担当者向けに、全国約7,600の機関、約1,600万件の入札・落札に関する情報を提供しているサービスです。これを使えば、過去に公示された入札の仕様書や図面、落札情報や落札金額、落札企業といった、調達に関するあらゆる情報を手軽に調べることができます。これによって、これから手がける調達の準備に活かして、スピーディな準備が行えます。さらに最近では、自身の公示情報のPV数を調べて、いわゆる「人気度」を確認することも可能。それによって公示情報の改善に活かせるのです。
―なぜそのような情報提供が可能なのでしょう。
当社はもともと民間企業向けに、公共事業の入札・落札の情報が得られるサービス『NJSS(エヌジェス)』の運営を10年以上行ってきました。その情報を自治体向けに提供しているのが『調達インフォ』なのです。自治体側から得られる情報を『NJSS』に反映するぶん、『調達インフォ』は無料で自治体に提供しています。
―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。
『調達インフォ』を広めることで、「調達の情報収集は簡単にできて当たり前」という発想を浸透させ、職員の方には企画立案に時間を割いてほしいと考えています。「こんな情報ありますか」といった相談にも対応するため、気軽に問い合わせてほしいですね。

公告を早く、広く周知できていると実感
【調達の際に抱えていた課題】
調達を行う際は、地道に近隣市町などから情報を収集。しかし、なかなか求めている情報にたどり着くことができず、時間がかかっていた。また、公告をする際はホームページのみの掲載で、なかなか周知を行うことができずにいた。
【『調達インフォ』を活用した結果】
全国の入札情報からピンポイントで実例を確認できるうえに、過去に経験がない内容の入札案件や仕様・入札手法などが掲載されていることもあり、非常に参考になっている。また、『調達インフォ』ですぐに公告を掲載してもらえるため、以前より早く、広く周知できていると実感。

必要な情報への到達時間を 大幅に削減
【調達の際に抱えていた課題】
公募型プロポーザルによる事業者選定を行うための公募実施要領や審査基準を作成するために、インターネットで調査。ただ、一般的な検索エンジンを活用した調査では、類似事例や求めている情報にたどり着くことは至難の業だった。
【『調達インフォ』を活用した結果】
仕様書や落札結果のほかにも、公募にかかる実施要領や審査基準などの掲載も豊富で、案件名のほかにもキーワードで案件を検索することも可能。必要とする情報への到達時間を大幅に削減することができ、業務の効率化に大きく貢献している。
設立 | 平成13年8月 |
---|---|
資本金 | 10億3,095万1,100円 |
売上高 | 24億8,000万円(令和2年3月期) |
営業収益 | 130人(連結:令和元年6月時点) |
事業内容 | 入札情報速報サービス『NJSS』のデータを活用した自治体向けサービス『調達インフォ』の運営など |
URL | https://www.uluru.biz/ |
お問い合わせ電話番号 | 03-6225-0855(平日10:00~19:00) |
お問い合わせメールアドレス | bid-info@uluru.jp |
ソリューションの資料をダウンロードする