自治体通信ONLINE
  1. HOME
  2. 先進事例
  3. 子どもの心と身体を育む学校給食に、新たな魅力を与える民間委託の効果
先進事例2023.02.27
学校給食運営の民間委託

子どもの心と身体を育む学校給食に、新たな魅力を与える民間委託の効果

[提供] シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
子どもの心と身体を育む学校給食に、新たな魅力を与える民間委託の効果
この記事の配信元
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社

佐賀県鹿島市の取り組み

学校給食運営の民間委託

子どもの心と身体を育む学校給食に、新たな魅力を与える民間委託の効果

鹿島市 教育総務課 課長補佐兼管理係長 中島 圭太
[提供] シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社

※下記は自治体通信 Vol.47(2023年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

子育て・教育施策の充実度が、自治体の実力を測る指標とも言われる昨今、同施策の重要な一角を占める学校給食事業の持続的な運営は、財政事情が厳しい多くの自治体にとって共通の課題である。そうしたなか、鹿島市(佐賀県)では、学校給食の調理・運搬事業を民間事業者に委託したことで、財政負担の軽減をはじめ多くの政策効果を生み出したという。同市担当者に、民間委託の経緯とその効果について聞いた。

[鹿島市] ■人口:2万7,914人(令和4年12月31日現在) ■世帯数:1万913世帯(令和4年12月31日現在) ■予算規模:216億2,297万8,000円(令和4年度当初) ■面積:112.12km2 ■概要:佐賀県の西南部に位置し、東には有明海が広がり、西は多良岳山系に囲まれている。市内には、年間280万人の参拝客が訪れる日本三大稲荷のひとつの祐徳稲荷神社がある。また、有明海の自然を生かした地域おこしのイベント「ガタリンピック」が知られる。
鹿島市
教育総務課 課長補佐兼管理係長
中島 圭太 なかしま けいた

抜本的な事業の見直しで、学校給食の民間委託を決意

―学校給食の運営を民間事業者に委託した経緯を教えてください。

 当市では、平成17年8月に策定した「財政基盤強化計画」のなかで、組織・人員の見直しや民間活力の導入をはじめとした再建策を打ち出し、各種事業の持続可能性を高めるべく抜本的な改革を図ってきました。その一環として、市直営の学校給食事業の見直しも議論の俎上に載ったのです。当時の学校給食事業は正職員11人、臨時職員14人の体制で運営しており、センター方式により市内小中学校11校分の約3,000食を調理・配送していました。これをまとめて民間に委託することを決めました。


―委託事業者の選定は、どのように行ったのでしょう。

 公募型プロポーザル方式を採用し、企業評価、技術力評価、コストの3分野11項目で評価を行いました。なかでも、人員体制や衛生管理体制をもっとも重視し、業務実績や危機管理体制についても評価を重ねました。その結果、当時すでに全国で300校以上の受託実績があり、人員体制や衛生管理体制が充実していたシダックス大新東ヒューマンサービスを選定。平成26年度から委託を開始しました。

―委託効果はいかがでしたか。

 最大の懸案であった運営経費については、人員の適正配置や業務の合理化により、毎年2,000万円以上の経費削減効果が得られています。事業の持続可能性を高められたのは極めて大きな効果です。またこの間、衛生面に関する大きな事故は1件も発生していません。そればかりか、民間ならではの発想や工夫が盛り込まれ、学校給食に新たな魅力が加わっています。

学校と家庭を結ぶ役割を、給食が担う場面も

―どういうことでしょう。

 たとえば、保護者を巻き込んだイベントを実施することで、学校と家庭を結ぶ役割を給食が担うような場面もつくってくれています。保護者を招待した「試食会」や、メニューにご家庭の献立を採用した「我が家のおすすめ料理」といったイベントはその代表例です。そのほか、全国の食材を通じて各地に関心をもってもらう「日本の味めぐり」という食育イベント、さらには、当市の特産品を材料に使い、郷土愛を育んでもらう「鹿島うまかばい給食」といった取り組みも実施しています。こうした取り組みを通じて、児童・生徒の心と身体を育む学校給食の重要性が、関係者の間により広く認識されるようになったのを感じますね。

―今後の方針を聞かせてください。

 同じ教育分野の取り組みとして、近年ニーズが増加する学童保育の運営も、先日シダックス大新東ヒューマンサービスへ委託することが決まりました。両事業の相乗効果により、当市の教育事業がより充実し、子どもたちの成長をよりきめ細かく見守ることができるよう期待しています。


支援企業の視点

民間委託による運営の効率化で、学校給食の持続可能性を高めよ

シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社 学校給食事業本部 本部長 持田 美枝
[提供] シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
学校給食事業本部 本部長
持田 美枝 もちだ みえ

―学校給食の運営をめぐる自治体の課題とはなんでしょう。

 ひとつの問題は、人件費を中心とする運営コストの負担増です。少子高齢化で事業規模が縮小するなか、これまで以上に運営を効率化しなければ、事業の存続さえ危ぶまれる状況もあります。また、近年は食のアレルギー問題が深刻化しています。いずれの観点からも、専門的知見やノウハウをもった事業者への運営委託が学校給食を守るための解になると考えています。

―どういったサービスを提供しているのですか。

 当社は現在、全国で600ヵ所以上の給食施設を運営しています。そこで培った専門的なノウハウのほか、栄養士約830人、調理師約1,900人*1という豊富な人材を最適に活用し、学校給食運営の効率化と安定化を実現できます。給食事務や配膳業務などの周辺業務も包括的に受託することで、コストを低減。また、同じ自治体の学童保育運営の受託も可能となれば、夏休みには調理員が学童保育にも従事するなど、人材のマルチ化も図れます。そのほか、専門部署「品質管理室」が全国の現場の衛生管理状況やサービス品質を一元管理する業界トップレベルの衛生管理体制も当社サービスの特徴です。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 10年後、20年後を見すえ、児童・生徒の人格形成にとって重要な学校給食の意義を理解し、支えてくれる人材の育成にも力を入れています。自治体のパートナーとして、いままで以上に必要とされる学校給食の提供を目指していきます。

持田 美枝 (もちだ みえ) プロフィール
昭和37年、埼玉県生まれ。高校時代に有吉佐和子著『複合汚染』に感化され栄養士を目指す。平成16年8月、シダックス株式会社に入社。学校給食の営業開発、マネジメント業務などを経て、令和4年4月より現職。
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
設立 昭和61年11月
資本金 1億円
売上高 約370億円(令和4年3月期)
従業員数 1万8,714人(令和4年3月現在)
事業内容 社会サービス事業、地域活性化事業、学童保育事業、学校給食事業
URL https://www.shidax.co.jp/corporate/group/shidax-daishinto-human-service/
お問い合わせ電話番号 03-6731-9111 (平日 9:00〜18:00、年末年始を除く)

*1:※栄養士、調理師の数は令和4年12月現在

シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社
電子印鑑ならGMOサイン 導入自治体数No.1 電子契約で自治体DXを支援します
自治体通信 事例ライブラリー