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県が民間コンサルの知見をもとに、施設での介護ロボット活用を支援

埼玉県の取り組み

県が民間コンサルの知見をもとに、施設での介護ロボット活用を支援

埼玉県
福祉部高齢者福祉課 施設・事業者指導担当 小村 秀明
福祉部高齢者福祉課 施設・事業者指導担当 根岸 青葉
[提供] 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所

※下記は自治体通信 Vol.42(2022年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

今後さらに急速に進む高齢化に向けて、多くの自治体が介護現場の負担を減らすべく、介護ロボット導入支援を強化している。そうしたなか、補助金制度の整備だけでなく、民間コンサルタントの活用で、より効果的な導入支援を実現しているのが埼玉県だ。同県が介護ロボット導入支援で抱えていた課題や、民間コンサルタント活用で得られた成果について、福祉部高齢者福祉課の小村氏と根岸氏に聞いた。

[埼玉県] ■人口:733万9,830人(令和4年7月1日現在) ■世帯数:323万3,208世帯(令和4年7月1日現在) ■予算規模:3兆6,455億5,320万1,000円(令和4年度当初) ■面積:3,797.75km2 ■概要:関東平野の内部に位置し、首都・東京に隣接する内陸県。8事業者24路線からなる鉄道網や6つの高速道路をはじめとする道路網など、交通網が発達。また、電気機器や輸送機器といった機械産業のほか、小川和紙や岩槻人形など伝統工芸も盛ん。近年は産業のハイテク化が進んでいる。
埼玉県
福祉部高齢者福祉課 施設・事業者指導担当
小村 秀明 こむら ひであき
埼玉県
福祉部高齢者福祉課 施設・事業者指導担当
根岸 青葉 ねぎし あおば

モデル施設で業務改善を行い、成果を他施設に共有していく

―介護ロボットの導入に関して、どのような問題意識がありましたか。

小村 導入自体を目的とするのではなく、介護ロボットをいかに活用して、職員の業務改善と負担軽減につなげるかという点です。当県では、平成28年から介護事業所に対する介護ロボット導入費用の一部補助を開始。結果、令和3年度には県内の特別養護老人ホームにおける介護ロボットの導入率は約68%まで上昇しています。

根岸 一方で、介護施設に課題をヒアリングしたところ、「導入した介護ロボットをうまく活用できていない」「導入したとして、どういった効果があるのかわからない」といった、ノウハウ不足に起因する内容が多く寄せられていました。そこで、令和3年度から、民間コンサルタントの協力のもと、モデル施設において介護ロボットを活用した業務改善を実施し、その成果をほかの施設に共有する取り組みを始めたのです。

―具体的にどのようなことを行ったのでしょう。

小村 生産性向上や業務効率化などの改善活動に不慣れな介護事業所でも実践しやすいよう、取り組みを段階的に進められるステップ形式のプログラムを用意。具体的には、9つのステップ(下図参照)をモデル施設に実践してもらいました。これは、介護現場の実態を踏まえて、民間コンサルタントがさまざまな業界で培った業務改善のプロセスを介護ロボットの導入に落とし込んだものです。

主体性を重視した導入支援で、介護施設の問題解決力が向上

―コンサルタントの活用にあたり、こだわった点はなんでしょう。

小村 各施設に主体的に取り組んでもらうことです。コンサルタントには、介護ロボット導入の意義の浸透や、自由に質問や意見を出し合える雰囲気づくりといった部分では積極的に動いてもらいましたが、それ以外は職員からの質問への対応に徹してもらいました。

―支援の効果はいかがでしたか。

根岸 いずれの施設でも、職員の負担軽減につながりました。たとえば、新たに見守りセンサー型の介護ロボットを導入した施設では、つねに入居者の動向に神経をとがらせる必要がなくなり、「精神的に楽になった」といいます。

―介護施設に対する、今後の支援方針を教えてください。

小村 モデル施設では、職員の問題解決力が高まり、介護ロボットの導入はもちろん、それ以外の部分でも業務改善が行われるという成果を得られました。今後もモデル事業を継続して、より多くの施設へノウハウを共有していきます。


支援企業の視点

現場に寄り添った業務改善には、「心理的安全性」の確保が重要

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
先端技術戦略ユニット HealthCare Implementionグループ グループ長
アソシエイトパートナー 足立 圭司
[提供] 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
先端技術戦略ユニット HealthCare Implementionグループ グループ長
アソシエイトパートナー
足立 圭司 あだち けいじ

―介護ロボットの導入における課題はなんでしょう。

 補助金で介護ロボットの導入数を増やすだけでは、十分ではないという点です。実際は、現場のオペレーションに馴染ませていく試行錯誤の過程や努力があって初めて効果が発揮されるのです。当社には、さまざまな業界でのコンサルティングで培った業務改善の知見があるだけでなく、介護現場での経験が豊富なスタッフが多数在籍しています。それらを活かし、現場の実情に沿う形で介護ロボットの効果的な導入プロセスを9つのステップへと体系的にまとめ、その実践をサポートする形で支援を行っています。

―導入を支援するうえで重視していることはありますか。

 現場の職員全員が、自由な意見を言える環境を整えることです。「どんな人が、どんな突飛なことも言っても大丈夫ですよ」という「心理的安全性」が確保されて初めて、職員が主体となった「課題の見える化」や、業務改善のためのアイデア出しができるのです。その風土づくりのため、我々は施設で行われる会議に参加するなど、内側に入り込む形で伴走します。

 その結果、介護ロボットの導入が施設をあげての取り組みとなり、一時的な負担増やロボットへの忌避感といった逆風を乗り越えることができるのです。

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 介護ロボットの導入だけにこだわらず、あらゆる面で介護施設の業務改善をお手伝いしたいと考えています。ぜひ、気軽にお問い合わせください。

足立 圭司 (あだち けいじ) プロフィール
平成29年から株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所に参画。介護領域での調査研究や生産性向上コンサル、介護ロボットの開発・実証、現場実装の実績をもつ。
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所
設立 平成3年4月
資本金 4億5,000万円
従業員数 351人
事業内容 企業経営・行政、情報・通信システム、経済、社会、産業、文化などに関する調査研究ならびにコンサルティング業務、教育研修・セミナーの実施・運営、情報の提供ならびに刊行物の出版
URL https://www.nttdata-strategy.com/
問い合わせ先 担当者:先端技術戦略ユニット 大塚 恒治
03-5213-4171(平日 9:30~18:30)
otsukak@nttdata-strategy.com
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