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費用を抑えて複数キャリアと契約し「災害に強い」ネット環境を整備せよ

民間企業の取り組み

通信インフラのBCP対策

費用を抑えて複数キャリアと契約し「災害に強い」ネット環境を整備せよ

a2network株式会社 代表取締役CEO 門田 朗人
株式会社IDY 代表取締役社長 本田 和明
[提供] a2network株式会社

※下記は自治体通信 Vol.42(2022年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

自然災害が激甚化、頻発化しているいま、ライフラインの1つである通信設備を「災害に強い」インフラとして整備することは、自治体の重大な責務と言えよう。これに対して、通信事業を手がけるa2network代表の門田氏は、「自治体は防災行政無線の整備で災害時の対策は行っているものの、インターネット通信の整備では改善の余地がある」と指摘する。強靭なインターネット環境の整備方法について、通信機器メーカーであるIDY代表の本田氏とともに話を聞いた。

a2network株式会社
代表取締役CEO
門田 朗人 もんた あきひと
株式会社IDY
代表取締役社長
本田 和明 ほんだ かずあき

通信障害は災害時だけでなく、突然生じることも

―自治体が整備しているインターネット環境は、災害対策の観点でどのような課題がありますか。

門田 1つの通信キャリアとしか契約をしていないケースがあることです。災害によって、契約先の通信ケーブルが遮断したり、基地局がダウンしたりした場合、インターネット(以下、ネット)が利用できなくなります。そうなれば、自治体の災害対策業務にも大きな支障をきたすでしょう。そのため、耐災害性を強化すべきです。また、通信障害はなにも災害時だけとは限りません。最近、ある通信キャリアが数日間、突然通信障害を起こしたことは、記憶に新しいと思います。

―なにか解決策はありますか。

門田 複数の通信キャリアと契約すれば、ネットが利用できなくなるリスクを下げられます。しかし、そのためには通信契約料やWiFiルータ整備といった費用負担が、どうしても大きくなります。もちろん、自治体にとって万が一の災害に備えることは重要なことだとは思いますが、財政状況が厳しいなか、簡単に対応できることではないでしょう。

 そうした課題を解決するために、当社はIDY社と共同で『スカイベリー pro』というルータを開発し、9月から提供する予定です。このルータを使えば、費用負担を抑えて複数の通信キャリアが利用できます。

不安や恐怖におびえる住民を、救えるライフラインの確保

―詳細を教えてください。

本田 『スカイベリー pro』は、物理SIMを最大3枚まで搭載可能なマルチSIMルータです。たとえば、「NTTドコモ」「ソフトバンク」「au (KDDI)」という国内大手通信キャリアの物理SIMを装備できます。仮にNTTドコモに通信障害が発生したら、ソフトバンクやau (KDDI)に接続を切り替えることで通信を維持できるのです。切り替えについては、『スカイベリー pro』に搭載しているAIが、そのときの状況で接続できる最適な通信を自動的に判断して行います。

門田 『スカイベリー pro』については、現在特許を申請中です。また、a2network社はMVNO*1事業を展開しているため、利用しやすい料金体系を設定し、ほぼ1社ぶんの月額料金でバックアップ2社を含む、3社の通信を利用できるようにしました。これにより、平時に利用できる普段使いのネット接続サービスでありながら、BCP対策も施したネット接続環境を整備できます。災害時における住民の生活も守れるのです。

―どういったことでしょう。

門田 たとえば、避難所に『スカイベリー pro』を設置することで、水や食料と同じく、重要なライフラインである「ネット環境」を、住民に提供できるようになります。ネットがつながらずに、「情報収集できなくて状況がわからない」「家族と連絡が取れない」と、不安や恐怖におびえる住民を救えることでしょう。

本田 当社のルータ・ゲートウェイ製品は、鉄道や空港など堅牢かつ安定した通信が求められる施設で多く採用されています。そのため、『スカイベリー pro』も、「災害に強い」ネット環境の整備を目指す自治体のみなさんに、安心してお使いいただけます。

門田 朗人 (もんた あきひと) プロフィール
昭和36年、兵庫県生まれ。神戸大学大学院工学研究科修士課程修了。兼松株式会社、株式会社ACCESSを経て、平成17年にa2network株式会社を設立。
本田 和明 (ほんだ かずあき) プロフィール
昭和47年、宮城県生まれ。博士(システム情報科学)。ユニデン株式会社(現 : ユニデンホールディングス株式会社)、ネットツーコム株式会社などを経て、平成19年に株式会社IDYを設立。
a2network株式会社
設立 平成17年11月
資本金 1億円
事業内容 仮想移動体通信事業(MVNO)、仮想移動体通信事業者支援事業(MVNE)
URL https://www.a2network.jp/
お問い合わせ電話番号 03-5425-8777 (平日 10:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス contact@a2network.jp
株式会社IDY
設立 平成19年7月
資本金 6,500万円
事業内容 IoM®(IoT/M2M)ルータ、高速無線ゲートウェイ、GNSS端末およびIoM®向けアンテナ、4G/5GLTEフェムト基地局の開発と製造・販売
URL https://idy-design.com/

*1:仮想移動体通信事業のこと。無線通信インフラを、大手携帯電話会社から借り受けてサービスの提供を行う