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複雑な機器操作を伴わない、楽しめる「IoT×健康増進策」

埼玉県川口市の取り組み

IoTを活用した介護予防

複雑な機器操作を伴わない、楽しめる「IoT×健康増進策」

川口市 長寿支援課 生きがい対策係 山田 剛
[提供] 株式会社Y4.com

※下記は自治体通信 Vol.38(2022年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

長寿化が進み「人生100年時代」とも言われるいま、高齢者に健康増進を促して介護予防へつなげることは、自治体における重要な取り組みとなっている。こうしたなか、川口市(埼玉県)では、IoTを活用した介護予防の実証実験を行い、高齢者の健康増進につながる確かな成果をあげたという。取り組みの詳細について、同市長寿支援課の山田氏に聞いた。

[川口市] ■人口:60万5,067人(令和4年4月1日現在) ■世帯数:29万6,539世帯(令和4年4月1日現在) ■予算規模:4,255億6,560万円(令和4年度当初) ■面積:61.95km2 ■概要:埼玉県の南端に位置し、荒川を隔てて東京都に接する。江戸時代から鋳物や植木などの産業が発展し、その後、住宅都市化が進んだ。古くは「日光御成道」で結ばれた宿場町として栄えた旧川口と旧鳩ヶ谷の両市が、平成23年に合併して現在の川口市が誕生。平成30年には中核市へ移行した。
川口市
長寿支援課 生きがい対策係
山田 剛 やまだ つよし

スマホを使ったデータ連携は、IoT活用の思わぬネックに

―IoTを活用した介護予防の実証実験を行ったそうですね。どのような内容なのですか。

 参加者にリストバンド型のウエアラブル端末を装着してもらい、週単位で歩数を競う「ウォーキングコンテスト」というものを行いました。端末では、呼吸や心拍などのバイタルデータも計測されます。この実証実験は、身体の状態を可視化することで参加者の健康意識を高めつつ、ゲーム感覚で運動を習慣づけてもらうことが目的です。令和2年に1回目のコンテストを行ったのですが、そのときには参加のハードルが高いことが課題として残りました。

―どういったところにハードルの高さを感じたのでしょう。

 バイタルデータを収集する際、参加者のリテラシーやスマホの仕様によって操作の難度が相対的に高まってしまう点です。ウエアラブル端末で計測したバイタルデータはスマホを介して分析プラットフォームへ送信してもらうのですが、この操作に慣れずデータを送れないといった人が少なくなかったのです。この教訓を受け、実証実験を一緒に行ったY4.com社からはその後、複雑な操作が不要なスキームの提案を受けました。その新たなスキームのもとで、令和3年に2回目の実証実験を行いました。

―新たなスキームでは、どのようにデータ収集を行ったのですか。

 専用の受信端末を地域の老人クラブ役員の家に設置し、データを簡単に収集できる仕組みを整えました。ウエアラブル端末をこの受信端末に近づけることで、分析プラットフォームにデータが無線で届く仕組みです。これにより参加者は、ウエアラブル端末を装着してウォーキングを行い、最後に老人クラブ役員宅の近くへ立ち寄るだけで、一切の操作が必要なくデータを自動的に送信できるのです。

参加者のほぼ全員が、3ヵ月間取り組みを継続

―2回目の実証実験に対する参加者の反応はいかがでしたか。

 「より気軽に楽しく、取り組みに参加できた」という声をいただけました。期間は3ヵ月と長期にわたりましたが、参加者22人のほぼ全員がウォーキングを継続できました。Y4.comから個別に受けた健康に関するアドバイスを実践したうえでさらにウォーキングを続けたことで、体調が明らかに良くなり、それがモチベーションにつながったそうです。また、歩数が電子マネーに換算されるといったさまざまな仕掛けも好評でした。

―介護予防に関する今後の方針を聞かせてください。

 IoTやデータを活用した取り組みとしては、地域対抗のウォーキングコンテストを行うなど、まだまだ工夫の余地が大きいと思っています。参加者が楽しく健康増進を図れるこの取り組みを、埼玉県内のほかの自治体や、全国へも広めていきたいですね。


老人クラブ役員の声

ゲーム感覚で楽しめる取り組みは、新たな交流のきっかけにもなった

川口市 老人クラブ連合会 青5松寿会 高野 喜代子
[提供] 株式会社Y4.com
川口市
老人クラブ連合会 青5松寿会
高野 喜代子 たかの きよこ

「ウォーキングコンテスト」には、当老人クラブの一部会員が参加しました。参加者のみなさんはゲーム感覚で運動を習慣化でき、体調がどんどん良くなっていくのも実感できたそうです。取り組みは地域でも話題になり、「私も参加したい」と問い合わせてくる人も多くいました。取り組みをきっかけに、参加者やその周りで新たな会話や交流が生まれたことも大きな成果です。川口市には、この取り組みを今後もぜひ継続してほしいですね。


支援企業の視点

IoT活用を成功させるカギは、参加者への「動機づけ」

株式会社Y4.com 代表 安嶋 幸直
[提供] 株式会社Y4.com
株式会社Y4.com
代表
安嶋 幸直 あじま ゆきなお

―IoTを使った介護予防に注目する自治体は多いのですか。

 高齢者へのスマホ普及のほか、データの利活用を医療費増大など課題の解決につなげるスーパーシティの推進を背景に、ここ数年で増えています。しかし実際は、「一定水準以上のスマホの仕様や参加者のリテラシーを要し、自治体側に継続フォローの仕組みが必要」という課題もあります。そこで当社では、参加者が気軽に介護予防に取り組め、バイタルデータの可視化だけでなくゲーム性やインセンティブなどの動機づけを行える『GENKIMIRU』というプラットフォームを提案しています。

―特徴を教えてください。

 当社が開発した受信端末『Bangle Station』と組み合わせれば無線でデータを収集できるため、利用者はスマホアプリでの複雑な操作がいりません。また『GENKIMIRU』では、歩数に対して医療費抑制効果金額を算出し、ポイントを付与します。ポイントは電子マネーや地域通貨に交換でき、この機能はビジネスモデル特許取得済みです。参加者のモチベーションを高めつつ、医療費抑制や域内経済循環などの施策にもつなげられます。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 『GENKIMIRU』では、体温や心拍数、血中酸素濃度、呼吸数といった身体機能に関するログを30秒単位で収集できるので、要介護者の見守りにも活用できます。生活習慣病予防やデジタル田園都市国家構想でのデータ連携など、自治体のニーズに合った幅広い提案が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

安嶋 幸直(あじま ゆきなお) プロフィール
平成30年4月、株式会社Y4.comの代表に就任。

株式会社Y4.com
事業内容 健康プラットフォーム・アプリの開発など
URL https://y-4.jp/ja/
お問い合わせ電話番号 03-5219-1343 (平日 10:00〜17:00)
お問い合わせメールアドレス info@y-4.jp
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