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障がい者が継続して働ける職場を「農園就労」で創出

大阪府枚方市の取り組み

障がい者が継続して働ける職場を「農園就労」で創出

枚方市 市長 伏見 隆
[提供] 株式会社エスプールプラス

※下記は自治体通信 Vol.38(2022年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

令和3年3月に障害者雇用促進法が改正され、障がい者の法定雇用率が引き上げられた。それでも、障がい者雇用の受け皿はまだまだ少ないのが現状だ。そうしたなか、枚方市(大阪府)は、「農園就労」をその受け皿にするという事業スキームをもつエスプールプラス社と協定を締結し、障がい者就労支援の新たな取り組みに着手している。市長の伏見氏に、協定締結にいたった経緯や、農園就労の状況などについて話を聞いた。

[枚方市] ■人口:39万6,872人(令和4年2月末現在) ■世帯数:18万2,823世帯(令和4年2月末現在) ■予算規模:2,804億4,275万6,000円(令和4年度当初) ■面積:65.12km2 ■概要:大阪市と京都市のほぼ中間に位置する。西に淀川が流れ、東には緑豊かな生駒山系の山々がある。江戸時代には、京街道の宿場町として栄えた。戦後の大規模な住宅団地の開発により人口が急増し、一時は40万人を超え、平成26年4月1日には全国で43市目の中核市へ移行。市内には5つの大学があることから、「大学のまち」としての一面も有する。
枚方市
市長
伏見 隆 ふしみ たかし

障害者の人生を考えた場合、重要なのは「長く働けること」

―枚方市では、どのような障がい者就労支援を行っていますか。

 本市では、障害福祉サービス事業者と協力して、就労継続支援事業所で働く障害者の工賃向上に取り組んでいます。そのほか、さまざまな関係機関とも連携して、一般企業への就労を希望している障害者を支援しています。障害者の法定雇用率引き上げもあり、企業の障害者雇用への意識は以前にも増して高まっていると感じます。しかし、雇用の受け皿はもっと必要だと考えています。

 他方で本市では、農業分野で農業従事者の高齢化や担い手不足による耕作放棄地の増加といった課題を抱えており、新たな担い手として、福祉分野との連携に向けた取り組みを検討していました。そうしたなか、多くの障害者に就労機会を提供する農園の存在を知り、農園運営事業者であるエスプールプラスから事業の詳細を聞くことにしたのです。

―事業の感想はいかがでしたか。

 企業の障害者雇用促進と、障害者の就労希望を見事にマッチさせる取り組みだと感じました。自然のなかでのびのびと仕事ができる農業は、障害者と親和性が高いと言われており、障害者の就労の選択肢が広がると考えました。さらに、農園の運営体制を聞いて、「安心して働ける環境が整備されている」とも感じました。

―具体的にどのような部分に「安心」を感じたのでしょう。

 たとえば、就労希望の障害者への実習体験です。事前にどのような作業か体験することで、障害者は自分の特性に合わせた働き方を無理なくできると感じました。また、3人の障害者に対して1人の「農場長」と呼ばれる運営スタッフが付き、一人ひとりに目が行き届くチーム編成を組んでいる点も評価しました。障害者にとって慣れない環境や作業でも、孤独を感じずにやりがいをもって働けるのではないかと。本市では、障害者の今後の人生を考慮した場合、「長く働けること」が重要と考えています。安心して働けるエスプールプラスの農園はその環境が整っていると感じ、令和2年11月に協定を締結しました。

コロナ禍でも、寄せられた大きな反響

―現在の状況を教えてください。

 コロナ禍の影響で説明会を中止せざるをえない時期がありましたが、障害者や保護者からの反響は大きかったと聞いています。令和3年10月に農園がオープンし、令和4年2月時点で、9企業が雇用した41人の障害者が働いています。私も実際に農園を見学し、みなさんがとてもイキイキと働いている姿が印象的でした。エスプールプラスは全国各地で農園を展開し、安定した経営基盤があると聞きます。その実績から、障害者の就労の選択肢が増えることにくわえ、持続性が期待できることから、今後も同社と連携し、障害者の就労支援に取り組みたいと考えています。


就労移行支援事業者の声

障がい者の就業状況を詳しく把握

安心して働ける環境を実現できた

ラ・レコルト枚方 施設長 中野 栄知
[提供] 株式会社エスプールプラス
ラ・レコルト枚方
施設長
中野 栄知 なかの まさのり

障がい者への一般就労支援を行っている私たちは、障がい者が就職後も安心して働けるように、企業側とのコミュニケーションを図っています。今回の農園就労では、農場長がつねに同じチームのなかで行動をともにしてくれる仕組みなので、障がい者は安心して働けて、私たちは障がい者の日ごろの就業状況を詳しく把握できます。実際に当法人の卒業生からは、「いままで仕事が長続きしなかったが、安心して長く働ける仕事に出合えた」といった声が聞かれます。


支援企業の視点

障がい者就労支援の要所は、「雇用の継続性」

株式会社エスプールプラス 社長 執行役員 和田 一紀
[提供] 株式会社エスプールプラス
株式会社エスプールプラス
社長 執行役員
和田 一紀 わだ かずのり

 当社は11年前から、障がい者の雇用創出が目的の企業向け貸し農園を運営しています。現在、農園は全国に33ヵ所あり、農園利用企業は約500社、3,000人以上が働いています。これまでに事業推進協定を結んだ自治体数は10にのぼります。

 私たちは、企業の障がい者雇用支援で大切な視点は、「雇用の継続性」と考えています。だからこそ、障がい者に安心して働いてもらえるように一人ひとりに目が行き届く運営体制を心がけており、農園自体の持続的運営に向けた経営努力も重ねています。今後は農園以外でも多くの障がい者が就労できるプラットフォームを次々に生み出し、障がい者と保護者に「希望」を与えられる存在になりたいと強く思います。

和田 一紀(わだ かずのり) プロフィール
昭和50年、大阪府生まれ。株式会社リクルート(現:株式会社リクルートホールディングス)での就業経験後、「障がい者雇用を農業で生み出す」という事業に社会的意義を感じ、平成22年の株式会社エスプールプラス設立に参画。

株式会社エスプールプラス
設立 平成22年6月
資本金 1億500万円
売上高 248億6,200万円(令和3年11月期:株式会社エスプールグループ連結)
従業員数 945人(令和3年11月末現在:株式会社エスプールグループ連結)
事業内容 障がい者雇用支援事業(障がい者専用の企業向け貸し農園の運営、障がい者の採用・定着支援サービス)
URL https://plus.spool.co.jp/
お問い合わせ電話番号 0120-982-655 (平日 9:30~18:30)
お問い合わせメールアドレス whf@spool.co.jp

※株式会社エスプール(プライム市場上場)の子会社

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