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未利用の農産物に付加価値を与え、地域の「新たな名産品」に

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民間企業の取り組み

食品ロスの削減

未利用の農産物に付加価値を与え、地域の「新たな名産品」に

株式会社八芳園
コンテンツプロデュース事業部 サブマネージャー 中根 達也
[提供] 株式会社八芳園

※下記は自治体通信 Vol.37(2022年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

環境負荷や資源のムダ使いを減らすため、食品ロス削減の取り組みは自治体にも求められている。こうしたなか、ウェディング事業やレストラン事業を手がける八芳園の中根氏は、「地域住民を広く巻き込むことで、食品ロス削減の取り組みを地域振興につなげられる」と話す。その具体的な方法について、同氏に聞いた。

株式会社八芳園
コンテンツプロデュース事業部 サブマネージャー
中根 達也 なかね たつや

食品ロス削減の取り組みは、一過性のもので終わる例も

―食品ロスの削減に関心をもつ自治体は多いのでしょうか。

 SDGs推進の観点から、食品ロスに関心をもつ自治体は徐々に増えています。特に農産物は、落下した果実や規格外の野菜など、本来は食べられるのに廃棄されてしまうものがあり、加工食品への利用を自治体が生産者に推奨するケースが多いです。しかしこのような場合、一過性の取り組みに終わってしまう例も少なくありません。

―それはなぜでしょう。

 生産者や地域の関係者が得られる恩恵が限られ、食品ロス削減に取り組むモチベーションが高まりにくいことがあるためです。たとえば、規格外の食材を出荷する場合、生産者には梱包などの手間がかかるわりに、販売価格は低く抑えられてしまうのです。そこで当社では、規格外で未利用の食材に付加価値を与え「地域に新たな名産品を生み出す」というポジティブな取り組みを通じ、生産者のモチベーションを高めながら食品ロス削減を目指す支援を行っています。

―具体的な支援内容を教えてください。

 メニューの開発から商品化、製造、販売にいたるすべてを一気通貫でプロデュースしています。メニューの開発においては、和食やフレンチ、イタリアン、中華、製菓などに精通する当社の熟練シェフが食材に合った調理法を考案します。「果実をピザの具材に使う」といったプロならではのユニークなアイデアも、こうした開発過程で生まれます。さらにメニュー開発後も、商品の販売や流通まで支援しています。たとえば、当社が東京・白金台で運営するポップアップショールーム『MuSuBu』では、商品はもとより、作り手の想いを伝え、各地域の魅力を知ってもらうイベントを開催。首都圏の一般消費者に紹介、販売することができます。

 そして、商品企画、販売の際に特にこだわっていることがあります。それは、地域住民を幅広く巻き込み、当地に根づく新たなコミュニティの形成に導くことです。

住民や事業者を広く巻き込み、持続的な地域振興につなげる

―新たなコミュニティを形成する効果はなんですか。

 地域振興の取り組みを持続できる仕組みが、地域に生まれることです。食品ロス削減の事例ではありませんが、福島県で当社が行っている取り組みでは、同県産の米の安全性とおいしさをアピールするため、新たな甘酒ブランドをつくりました。この取り組みのポイントは、学校や農家、製造会社など地域の多くの人々が参画していること。これにより、メニュー開発や生産、流通など一連の工程を地域で完結できる体制ができ、この甘酒はふるさと納税の返礼品にも選定されました。「新たな名産品をつくり、地域を活性化させる」という共通目標のもとで一緒に仕組みをつくり、今では地域振興の取り組みが自走しつつあります。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 約70年にわたり、ウェディング事業の「おもてなし」で培ってきた技術と知見を活かし、地域の魅力を最大化する支援を行っていきます。たとえば当社では、伝統工芸品のプロデュースや、建物をおもてなしの空間にデザインする「空間プロデュース」などでも支援が可能です。地域の魅力を磨く「総合プロデュース企業」として、食品ロスや地域振興などさまざまなテーマで地域や自治体の課題解決に貢献していきたいですね。

中根 達也 (なかね たつや) プロフィール
平成31年、株式会社八芳園に入社。おもに自治体営業業務を担う。

山梨市(山梨県)の取り組み

規格外のフルーツからピザを開発。「継続的に売ってほしい」と好反響

山梨市
地域資源開発課 課長 磯村 賢一
[提供] 株式会社八芳園
[山梨市]■人口:3万3,773人(令和4年3月1日現在) ■世帯数:1万4,754世帯(令和4年3月1日現在) ■予算規模:331億1,066万9,000円(令和4年度当初案) ■面積:289.80km2
山梨市
地域資源開発課 課長
磯村 賢一 いそむら けんいち

 当市では食品ロス削減の取り組みを令和3年度から行っています。市内の農家で、落下した桃を廃棄する光景を見た八芳園の社員から「この桃を使ってなにかつくれないだろうか」と提案されたのがきっかけでした。

 八芳園と共同でこれまでに、規格外の桃やぶどうを使った「フルーティピッツァ」を開発し、八芳園のポップアップショールーム『MuSuBu』での販売や、山梨市内でのキッチンカー販売を行いました。果物を使ったピザそのものが珍しいうえ、食品ロス削減のための取り組みであることが多くの人々の関心を集め、消費者には非常に好評でした。いずれも期間限定の販売でしたが、「継続的に売ってほしい」といった反響も多く寄せられました。

 果物の廃棄は市内の農家では当たり前の光景でしたが、取り組みを通じ、「重要な地域資源をいかにムダにしていたか」と気づかされました。今後も、この取り組みをより多くの市民に広げ、これまで眠っていた地域資源に価値を与えることで、新たなマーケットを切り開いていきたいですね。

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山梨市と八芳園が開発したぶどうのフルーティピッツァ

株式会社八芳園
設立 昭和27年9月
資本金 1億円
売上高 85億2,000万円(令和元年度)
従業員数 370人(令和元年3月31日現在)
事業内容 ウェディング事業、宴集会&レストラン事業など
URL https://www.happo-en.com/corp/
お問い合わせ電話番号 0570-064-128 (平日10:00~19:00)
お問い合わせメールアドレス musubu@happo-en.com
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