民間企業の取り組み
情報セキュリティ環境の見直し
「環境分離」により安全性を確保して、2台のPCを1台に集約できる
ソリューション事業本部 セキュリティ・ソリューション事業部 ソリューション部 部長 緒方 洋敬
※下記は自治体通信 Vol.36(2022年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
全国の自治体において、情報セキュリティ対策の見直しが急ピッチで進められている。そうしたなか、自治体向けに情報セキュリティ強化の支援を行っているアドソル日進の緒方氏は「いかにして安全性を保ったまま低コストで職員の業務効率化を図れるかが、自治体共通の課題」と話す。同氏に、自治体における情報セキュリティの見直し状況を含めて、課題の解決法を聞いた。

複数のPCを活用すれば、コストがかかるうえに非効率
―各自治体において情報セキュリティの見直しはどのように進んでいるのでしょう。
多くの自治体では、「安全性の確保と業務効率化をいかに低コストで実現するか」の観点で見直しが進んでいます。これまでの「三層分離」は、インターネット接続用PCとLGWAN接続用PCを分ける、いわゆる「物理的分離」のため、2台のPCが必要でした。それではコストがかかります。なかには、「インターネット接続用PCは部署ごとに1台」というケースも聞かれましたが、これでは職員の業務効率は当然低下します。そこで注目されているのが、VDI*1といったネットワーク環境の分離です。これ自体はすばらしい技術ですが、課題もあります。
―どのような課題ですか。
転送された文字や画面の「コピー&ペースト」が可能なため、安全面でリスクがあります。たとえば、インターネット接続ネットワークで開いている転送画面の文字や画像をコピーして、LGWAN接続ネットワーク内にペーストした際、文字や画像にウイルスが潜んでいれば感染してしまいます。そこで当社では、「環境分離」という手法で安全性を保ったまま業務効率化を図るシステムを提供。それが、『Secure isolation(セキュア・アイソレーション)』です。
―詳細を教えてください。
簡単に言えば、インターネット接続ネットワークとLGWAN接続ネットワークの異なる環境を1台のPC内で構築すると同時に、それぞれを完全に分離するカタチで「環境分離」するソリューションです。米国で多くの実績がある組み込み型ハイパーバイザー*2を活用したセキュリティ・ソリューション『LynxSecure(リンクスセキュア)』を採用しており、ソフトウェアはもちろん、CPUやメモリを含むハードウェアまで2つに「環境分離」。いわば、1台で2つのPCを使うようなものですね。これにより、インターネット接続ネットワークがウイルス攻撃を受けても、LGWAN接続ネットワークへの侵入を防げます。また、複数のPCやシステムを必要とせず、コスト削減にもつながります。
さらに、簡単なキー操作一つでアクティブな画面を切り替えられるほか、最大3つまでモニターを接続することが可能です。
令和3年11月にリリース以降、多くの引き合いが
―なぜそのようなソリューションを提供できるのですか。
当社は、30年にわたって組み込みOS市場をリードしてきた米国のLynx Software Technologies社と提携し、『LynxSecure』の日本総販売代理店を担っています。この『LynxSecure』の仕組みと、当社が長年培ってきたセキュリティ技術を組み合わせることによって、こうしたソリューションを提供できるのです。
―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。
『Secure isolation』によって、安全かつ効率的な自治体業務の確立を支援していきたいですね。このソリューションは令和3年11月にリリースしましたが、すでに多くの引き合いをいただいています。一部の自治体では「LGWAN接続ネットワークと、マイナンバー利用事務ネットワークを1台のPCで試してみたい」と、実証実験および正式導入に向けて検討を進めているところです。興味のある自治体のみなさんは、ぜひ問い合わせてほしいですね。
設立 | 昭和51年3月 |
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資本金 | 5億7,153万円 |
売上高 | 135億1,874万円(令和3年3月期) |
従業員数 | 1,164人(グループ全体) |
事業内容 | 企業・公共向け情報システムの開発およびソリューションの提供ならびに商品化と販売 |
URL | https://www.adniss.jp/ |
特設サイト | https://www.adniss.jp/products/secure-isolation.html |
お問い合わせ電話番号 | 03-5796-3260 (平日10:00~17:30) |
お問い合わせメールアドレス | SecuritySol@adniss.jp |