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「災害に強い」LPガス空調で、住民が安心できる避難所を整備

愛知県大府市の取り組み

学校体育館への空調設備の導入

「災害に強い」LPガス空調で、住民が安心できる避難所を整備

大府市教育委員会 教育長 宮島 年夫
[提供] 一般社団法人全国LPガス協会、日本LPガス協会

※下記は自治体通信 Vol.34(2021年11月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

全国で頻発する自然災害において、学校体育館が避難所として活用される場面は多い。その際、住民が少しでも負担なく避難生活を送れるよう、空調機を整備する自治体が増えている。大府市(愛知県)もそうした自治体のひとつだ。具体的な整備内容や、整備にあたり重視したポイントなどについて、同市教育委員会教育長に聞いた。

[大府市] ■人口:9万2,825人(令和3年9月末現在) ■世帯数:3万9,837世帯(令和3年9月末現在) ■予算規模:471億7,741万7,000円(令和3年度当初) ■面積:33.66km2 ■概要:名古屋市の南部と隣接し、知多半島の北端に位置する。自動車産業が盛んで、丘陵部では愛知用水を利用した近郊農業が行われている。ぶどう、梨、木の山芋が特産。「健康都市」をまちづくりの基本的な理念としており、健康都市連合日本支部に所属している。
大府市教育委員会
教育長
宮島 年夫 みやじま としお

災害対策上の重要な課題は、避難所の環境整備

―大府市が学校体育館に空調を整備した経緯を教えてください。

 本市の公立小中学校の体育館は現在、地域の避難所に指定されています。昨今、さまざまな地域で豪雨被害やそれに伴う河川の氾濫が頻発しており、本市でもそうした自然災害への備えに力を入れるなかで、それら避難所の環境整備は重要な課題でした。かりに災害が発生し、多くの市民が避難した場合、夏や冬の体育館は、暑さや寒さで過ごしやすい環境とは言えず、避難所として果たして十分に機能できるかという懸念があったのです。また、近年は学校施設における熱中症予防対策の重要性も指摘されるなか、児童・生徒の安全を守るためにも空調機の設置は急務との考えもあり、令和元年度から検討を開始しました。

―どのように整備計画を進めたのでしょう。

 中学校4校、小学校9校への整備を進めるにあたり、まず中学校への整備を優先しました。柔剣道場も隣接する中学校の体育館は避難スペースが大きく、市内にバランスよく所在するためです。そのうえで、導入する空調機には、災害時における安定稼働を重視し、自立型電源を備えたLPガス仕様のガスヒートポンプエアコン(以下、GHP)を選定しました。

―選定の決め手はなんでしたか。

 LPガスが、災害に強い動力源とされている点です。導管供給の都市ガスや電気は、配管の破損や停電によって災害時のエネルギー供給が遮断される恐れがあります。しかしLPガスの場合、体育館に隣接して保管する燃料で稼働が可能です。本市が設置した災害バルク貯槽タンクは、タンク半分の量のLPガスで、空調機を3日間稼働できます。また、被災時には契約する市内のLPガス事業者から追加供給を受けることもでき、リスク分散も図れています。自立型電源により、停電時にはバッテリー電源で運転を開始するだけではなく、この電源から照明や非常用コンセントにも電力を供給することができます。避難所機能を向上させることができるのです。

 そのほかにもうひとつ、選定を決めたポイントがありました。

対象経費の2分の1を、補助金でまかなえる利点も

―それはなんでしょう。

 経済産業省の「石油ガス災害バルク等の導入事業費補助金」を活用できることです。整備費用のうち、補助対象経費の2分の1を補助金でまかなえ、費用負担を大きく抑えられました。そのため、中学校4校それぞれの体育館と柔剣道場に、空調機を設置できました。令和2年9月に入札を行い、施工開始から約4ヵ月後の令和3年1月中旬には工事を完了しています。

―導入効果はいかがですか。

 幸いなことに、避難所として体育館を使用する場面はまだありませんが、冬場の卒業式や夏の体育の授業や部活動で活用され、「とても快適だった」との声が届いています。体育館のような大空間での機能性に少し心配はありましたが、効果は想定以上でした。

 小学校の体育館へは、令和4年度までにすべて空調機を設置予定です。今後も、市民の安心安全を確保する体制を整備していきます。


支援企業の視点

LPガス空調なら、費用と機能性の課題は解決できる

鷹羽商店 代表取締役 鷹羽 孝男
[提供] 一般社団法人全国LPガス協会、日本LPガス協会
鷹羽商店
代表取締役
鷹羽 孝男 たかば たかお

―体育館に空調設備を設置する自治体は増えていますか。

 とても増えています。全国LPガス協会が作成した事例集を通じて、当社でもLPガスを活用した空調設備を提案していますが、関心をもつ自治体は多いです。そのなかで気づくのは、多くの自治体が「設置費用」と「空調設備の機能性」という2つの課題を抱えていることです。このいずれの課題に対しても優位性を発揮するのが、我々が提案するLPガスGHPなのです。

―詳しく教えてください。

 まず、設置費用に関しては、LPガスGHPは経済産業省の補助金を活用することができます。これは、電気式ヒートポンプエアコンや都市ガス型GHPにはないメリットです。

 一方の機能性の問題も、LPガスは消費者に直接個別供給が可能なライフラインであり、過去の大規模震災でもその優位性を発揮してきた歴史があります。大府市のようにLPガスを貯蔵する災害バルク貯槽タンクと組み合わせることで、さらに防災性を高められます。また、LPガスは火力依存度の高い電気に比べCO2排出量が低いクリーンエネルギーですから、環境負荷の低減にも寄与できます。

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 我々LPガス事業者は、地域のライフラインを支える立場から、LPガスGHPの導入支援はもとより、機器の使い方教室や防災訓練といった活動を通じて、地域の安全を守る自治体の活動も支援しています。防災力強化を考える自治体のみなさんは、ぜひお問い合わせください。

鷹羽 孝男 (たかば たかお) プロフィール
昭和29年、愛知県生まれ。昭和53年、合資会社鷹羽商店に入社する。平成13年、株式会社鷹羽商店を設立し、代表取締役に就任。一般社団法人愛知県LPガス協会会員。
一般社団法人全国LPガス協会
設立 昭和55年9月
事業内容 LPガス事業などの保安の確保に関する企画、調査および研究ならびに安全性などに関する技術的な指導、教育に関する業務など
URL https://japanlpg.or.jp
お問い合わせ電話番号 03-3593-3500(平日9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス hoangyoumu@japanlpg.or.jp
日本LPガス協会
設立 昭和38年6月
事業内容 LPガスの安定供給への取り組み、保安の確保、需要開発、環境対策、政策提言など
URL https://www.j-lpgas.gr.jp
お問い合わせ電話番号 03-3503-5741(平日9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス info@j-lpgas.gr.jp