全国の自治体トップ・職員・議員に贈る 自治体の"経営力"を上げる情報サイト

MCA無線で費用負担を抑えた「災害に強い」通信網の構築を急げ

f:id:jichitaitsushin:20210910120801j:plain

民間企業の取り組み

防災行政無線の整備

MCA無線で費用負担を抑えた「災害に強い」通信網の構築を急げ

一般財団法人移動無線センター 専務理事 事業本部長 奥 英之
PSCP株式会社 代表取締役社長 渡邊 一雄
[提供] 一般財団法人移動無線センター / PSCP株式会社

※下記は自治体通信 Vol.33(2021年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


大規模災害が頻発する昨今、職員同士で災害情報をいかに的確かつ迅速に共有するか。多くの自治体に共通した課題である。これに対し、多くの自治体における無線網構築を支援してきた移動無線センター専務理事の奥氏は、「自前で防災行政無線の整備を行うことに負担を感じている自治体は少なくない」と指摘する。自治体が感じる課題とその解決策について、端末やアプリケーション事業を担うPSCP代表の渡邊氏とともに話を聞いた。

f:id:jichitaitsushin:20210910121506j:plain
一般財団法人移動無線センター
専務理事 事業本部長
奥 英之 おく ひでゆき
f:id:jichitaitsushin:20210910121537j:plain
PSCP株式会社
代表取締役社長
渡邊 一雄 わたなべ かずお

自前で整備した無線網が、財政圧迫の要因に

―現在、防災用無線網の構築をめぐる自治体の課題はなんですか。

 これまで多くの自治体では、「防災行政無線」というカタチで個別の通信網を構築するのが主流でした。しかしこの場合、個々の自治体が自前で無線網を整備しなければなりません。そのため、整備費用の大きさはもとより、維持管理も事業者に委託し、多くの自治体でこの自前の無線網が財政を圧迫する要因になってきています。

渡邊 また近年は、災害の被害が広域化・大規模化しており、災害時の自治体間連携がとても重要になっています。しかし、各自治体が個別に整備した無線網同士だと通信ができず、自治体間連携の障害になるケースも指摘されています。

―それらの課題に対して、どのような解決策がありますか。

 我々はこれまで、「MCA無線*1」という独自の通信方式を提案してきました。これは当センターが運営し、限られた利用者のみが使用する専用システム網です。不特定多数が使う公衆通信網と違い、災害時も輻輳*2の影響を受けにくいうえ、各中継局には非常用発電機を設置し、停電時にも最大72時間以上の運用が可能。ほかにも、中継局は24時間365日対応の有人監視体制で守られるなど、災害への強さを特徴としています。

 さらに、MCA無線は共同利用型のため、導入自治体は整備費用や維持管理費を抑えられる。災害に強い共同利用型の自営無線システムとして、中央省庁での導入をはじめ、 350以上の自治体に採用されてきた実績があります。

渡邊 今年4月からは、その進化版とも言える『MCAアドバンス』という新たなサービスを開始しています。

動画が使える進化版を、組織間連携の基盤に

―どのようなサービスですか。

渡邊  LTE通信技術の採用で、従来の音声通話に限らず、動画やチャットをはじめとするデータ通信機能を搭載しているのが最大の特徴です。『MCAアドバンス』の端末はスマートフォン型にモデルチェンジし、画面は強化ガラスにして防水・防塵機能も備えています。この端末を介して動画でのやり取りができ、本部では被災現場や避難所などの映像確認がリアルタイムに行えるため、音声通話とは比べ物にならない詳細な現地情報を把握できるようになります。端末からは位置情報が取れるため、遠隔地にいる職員に、的確かつ迅速な指示・命令を繰り出すことができるでしょう。

―動画活用ができるなら、用途は広がりそうですね。

渡邊 ええ。水道事業や道路事業といった部門での普段使いも可能でしょう。また、共同利用型というMCA無線の特徴を活かし、隣接自治体や各種事業者との組織間連携の基盤にもなると思います。

f:id:jichitaitsushin:20210910132426j:plain

―今後の自治体への支援方針を聞かせてください。

 『MCAアドバンス』は利便性を高める一方、耐災害性というMCA無線の特徴はそのまま継承しています。実際、各携帯キャリアの通信網に壊滅的な被害をもたらした平成28年熊本地震のほか、大規模停電が発生した平成30年北海道胆振東部地震や千葉の令和元年台風15号被害の際も、MCA無線は停波なく全中継局とも通常どおりのサービスを提供できた実績があります。まさに自治体が求める「費用を抑えた災害に強い無線システム」と言えます。ぜひ私たちにお問い合わせください。

奥 英之 (おく ひでゆき) プロフィール
昭和34年、三重県生まれ。昭和58年、東京大学卒業後、郵政省(現:総務省)へ入省。平成29年、一般財団法人移動無線センターへ入職。令和2年から現職。
渡邊 一雄 (わたなべ かずお) プロフィール
昭和39年、愛知県生まれ。昭和63年、青山学院大学卒業後、日本電気株式会社へ入社。令和3年、PSCP株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。
一般財団法人移動無線センター
設立 平成24年4月(創業/昭和39年7月)
事業内容 MCA事業
URL https://www.mrc.or.jp/
お問い合わせ電話番号 03-5323-5509 (平日9:00~17:30)
お問い合わせメールアドレス mcaccess_e@mrc.or.jp
PSCP株式会社
設立 令和3年4月
(前身のPSコミュニケーション企画株式会社の設立は平成29年12月)
資本金 9.000万円
事業内容 MCA業務用無線通信に関する端末事業、アプリケーション事業
URL https://www.psc-p.co.jp/
お問い合わせ電話番号 03-6455-7460 (平日9:00~17:30)
お問い合わせメールアドレス contact@psc-p.co.jp

*1:※MCA無線 : 複数の周波数を多くの利用者で利用する専用システム網。MCAは「マルチチャンネルアクセス」の略語

*2:※輻輳 : 通信が一度に集中することで通信ができなくなる状態