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コロナ禍でも安心して集える場所を「抗ウイルスベンチ」で広げる

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千葉県野田市の取り組み

公園・緑道の感染症対策①

コロナ禍でも安心して集える場所を「抗ウイルスベンチ」で広げる

野田市
自然経済推進部 みどりと水のまちづくり課 課長補佐 池澤 孝之
自然経済推進部 みどりと水のまちづくり課 堀内 俊吾
[提供] 株式会社コトブキ

コロナ禍の影響が長期におよぶなか、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)感染症対策で独自の取り組みを見せる自治体がある。たとえば野田市(千葉県)では、抗ウイルス加工を施したベンチを設置して屋外での感染症対策の強化に乗り出した。担当者の2人に、設置にいたった経緯や期待する効果などについて聞いた。

※下記は自治体通信 Vol.33(2021年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

[野田市] ■人口:15万3,995人(令和3年8月1日現在) ■世帯数:7万316世帯(令和3年8月1日現在) ■予算規模:929億5,208万8,000円(令和3年度当初) ■面積:103.55km2 ■概要:千葉県北西部に位置する県内最北端のまち。平成15年6月に、旧野田市と旧関宿町が合併して誕生した。東を利根川、西を江戸川、南を利根運河が流れ、三方を河川に囲まれている。江戸時代から醤油醸造の地として発展し、世界的ブランドとして知られるキッコーマン株式会社の本社がある。
野田市
自然経済推進部 みどりと水のまちづくり課 課長補佐
池澤 孝之 いけざわ たかゆき
野田市
自然経済推進部 みどりと水のまちづくり課
堀内 俊吾 ほりうち しゅんご

コロナ禍の影響で高まる「身近な自然」の重要性

―新型コロナ感染症対策で、抗ウイルス加工のベンチを設置するにいたった経緯を教えてください。

堀内 公園や緑道など、住民が集まる屋外空間に対する感染症対策を、どのように強化すればいいのか、つねに検討していたなかから発想が生まれたものです。当市では、たとえば市内約230ヵ所のすべての公園に、「1ヵ所に滞留しての飲食禁止」「長時間利用の制限」「手洗いの励行」といった内容の看板を設置することで、安心して利用してもらうための呼びかけを持続的に行ってきました。

池澤 公園や緑道は、特に「三密を回避できる場所」として、コロナ禍以降に多くの住民に利用していただけるようになりました。また、外出自粛による運動不足やストレスによって引き起こされる生活習慣病などを予防し、健康な生活を送ってもらうために必要な「身近な自然環境」として、公園や緑道の重要性は大きく高まっています。そのため、より安心して利用してもらえる場所とするためにも、看板による「呼びかけ」以上の取り組みがないかと考えていたのです。

―どのようなプロセスで取り組みを検討していったのですか。

池澤 当初は、なかなか有効な取り組みが見つかりませんでした。たとえば、公園や緑道の遊具やベンチに、抗ウイルス剤のスプレーを塗布するといった取り組みがあります。感染症対策として一定程度の効果は期待できるのですが、効果を持続させるにはこまめな塗布作業が必要です。そのため、一つひとつの遊具やベンチに塗布することは非現実的だと判断しました。そうしたなか、コトブキ社から提案を受けたのが、『エフラインk:skin』という抗ウイルス加工を施したベンチでした。

屋内でも活用を広げ、さらなる安心感の提供へ

―それは具体的にどのようなものですか。

堀内 表層素材そのものに抗ウイルス加工が施されているベンチです。そのため、こまめに抗ウイルス剤を塗布するといった作業をしなくても、感染症対策の効果が十分に期待できるのです。その点はエビデンスをもとに有効性が検証されており、コトブキ社の調べでは、天候の影響を受ける屋外でも24時間以内にウイルスを99%以上減少させる効果が発揮されるとのことです。そのほか、塗り直しをすることなく2年間の効用年数があるといった結果も出ています。

池澤 不特定多数の人が利用するベンチを抗ウイルス加工のものにすることで、これまで行ってきた「呼びかけ」以上の取り組みとして、安心して公園を利用できる環境が整備できると考えました。まずは、老朽化が進んでいる市内の主要緑道のベンチ5台を『エフラインk:skin』に更新することにし、今年7月末から設置しています。

―今後の運用方針を聞かせてください。

堀内 一斉に市内すべての公園・緑道の屋外ベンチを『エフラインk:skin』に入れ替えることはできませんが、老朽化により交換が必要になったベンチについては、積極的に設置を進めていきたいと考えています。

池澤 公園や緑道だけでなく、多くの人が集まる場所に設置すれば、住民にさらなる安心感を提供できます。たとえば、駅前広場や商業施設の休憩スペース、さらには、屋外だけでなく、住民が集まる市役所内の待合室といった屋内空間への活用も考えられます。ウィズコロナ時代を見すえた有効な感染症対策のひとつとして、運用を広げていきたいですね。

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支援企業の視点

公園・緑道の感染症対策②

設置するだけで効果が持続するので、場所を選ばない感染症対策が可能に

株式会社コトブキ
ファニチャー事業部 事業部長 上地 貢
営業本部 関東中部エリア統括部 千葉営業所 小沼 学
[提供] 株式会社コトブキ

ここまでは、新型コロナ感染症対策に取り組む野田市の事例を紹介した。ここでは、同市に抗ウイルス加工を施したベンチを提供したコトブキ社の上地氏と小沼氏を取材。屋外における感染症対策の現状や、抗ウイルス加工ベンチの活用で期待できる効果などを聞いた。

株式会社コトブキ
ファニチャー事業部 事業部長
上地 貢 うえち みつぎ
株式会社コトブキ
営業本部 関東中部エリア統括部 千葉営業所
小沼 学 おぬま まなぶ

屋外での有効な感染症対策を、なかなか見いだせない現状

―自治体における屋外での新型コロナ感染症対策の現状を教えてください。

小沼 私たちが実施した、全国396自治体の公園管理担当部署を対象にしたアンケートによると、8割以上の自治体はなんらかの感染症対策が「必要」もしくは「あったほうが良い」と答えています。しかし、約6割の自治体が具体的な対策を行っていないという結果もわかりました。

上地 多くの自治体が考えているのは、不特定多数の人が利用する遊具やベンチへの対策であり、そのひとつとして、遊具やベンチに抗ウイルス剤のスプレーを塗布する方法があります。しかし、1回の塗布だと効果の持続時間が短いため、こまめな塗布が必要となり、管理者が常駐していない公園だとそれを行うことは難しいという事情があります。また、塗布を繰り返し行う必要があれば、自治体の費用負担も大きくなってしまいます。多くの自治体はいま、屋外での有効な感染症対策を見いだせていない状況だと言えるでしょう。

―有効な対策はありますか。

小沼 抗ウイルスの効果が持続する対策を、手間がかからない方法で行えればいいのです。そういった意味では、当社が開発したベンチ『エフラインk:skin』は、ひとつの解になります。このベンチは、ウイルス対策に重要な3つのポイントを網羅した製品です。

―どのようなポイントでしょう。

上地 まずは、当然ですが「効果の高さ」です。ウイルスという目に見えないものに対して、屋外環境下でもその効果が持続するのかの判断は難しいでしょう。その点、『エフラインk:skin』は、第三者機関を通じてISO21702(抗ウイルス性能評価試験)に準拠した試験と、促進耐候性試験を行っています。その結果、「24時間以内に99%以上のウイルスが減少」「屋外で2年間の抗ウイルス性能を維持」といった効果が確認できています。

―2つ目のポイントとはなんでしょうか。

上地 「維持管理のしやすさ」です。抗ウイルス剤のスプレー塗布のようにこまめな作業が必要だと、効果を持続させることが難しくなりますが、このベンチは、通常のベンチ同様に清掃以上のメンテナンスは必要ありません。当社の独自技術により、表層の樹脂素材そのものに抗ウイルス加工を施しているため、塗り直しなどをしなくても効果が持続するのです。現在、この加工技術の特許を出願中です。

小沼 3つ目は、「安全性の高さ」ですね。ベンチはさまざまな人が利用するため、なかには、ベンチの素材や抗ウイルスの薬剤にアレルギー反応を起こすケースも考えられます。そういったことがないように、『エフラインk:skin』には、食品薬剤安全センターで安全性の確認が取れた材料のみを使用しています。

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多くの場所に設置して、感染症対策の強化を

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

小沼 ベンチは公園や緑道だけでなく、商業施設や駅前広場などさまざまな場所に設けられています。屋外に限らなければ自治体庁舎内にも設置されています。設置するだけで抗ウイルス効果が期待できるこの『エフラインk:skin』は、場所を選ぶことなく、自治体の新型コロナ感染症対策の強化に貢献できると考えています。

上地 今後は、抗ウイルス加工を施したベンチのバリエーションを増やすほか、ベンチ以外のファニチャーでも開発を進め、多くの自治体の方に、安心・安全な公共空間をご提案できるようにしていきます。

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上地 貢 (うえち みつぎ) プロフィール
昭和42年、広島県生まれ。平成4年、株式会社コトブキに入社。設計計画室、商品開発室、都市環境開発室、開発チームなどを歴任し、平成31年より現職。
小沼 学 (おぬま まなぶ) プロフィール
昭和63年、茨城県生まれ。平成23年、拓殖大学政経学部を卒業後、建材メーカー、印刷会社を経て、令和2年、株式会社コトブキに入社
株式会社コトブキ
設立 大正5年8月
資本金 1億円
従業員数 330人
事業内容 公共施設・家具事業、都市景観事業、遊具事業、サイン事業、屋外向け家具事業における開発、設計、製造、販売ならびにこれらの輸出入
URL https://townscape.kotobuki.co.jp/
お問い合わせ電話番号 マーケティング本部 03-5733-6670 (平日9:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス press@park.inc