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ごみ収集車に設置したセンサーで、道路の不具合を早期に発見

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愛知県岡崎市の取り組み

道路管理の効率化

ごみ収集車に設置したセンサーで、道路の不具合を早期に発見

岡崎市
土木建設部 道路維持課 工事1係 秦 哲嗣
[提供] 株式会社アイシン

※下記は自治体通信 Vol.33(2021年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


住民の生活に密接する道路の維持管理は、自治体の重要な業務のひとつ。しかし近年は、業務に携わる職員が減少する一方で、管理する道路は区画整理や宅地造成などで増えている。そうしたなか、岡崎市(愛知県)では実証実験を通じて、道路の維持管理業務においてDXを推進し、効率化を図る取り組みを行っている。取り組みの詳細について、同市道路維持課の秦氏に聞いた。

[岡崎市] ■人口:38万5,695人(令和3年8月1日現在) ■世帯数:16万6,189世帯(令和3年8月1日現在) ■予算規模:2,441億9,042万9,000円(令和3年度当初) ■面積:387.20km2 ■概要:愛知県のほぼ中央に位置する中核市で、徳川家康の生誕地。八丁味噌の産地として名高い。名古屋市から電車で約30分の距離にあり、イチゴ、ブドウなどの農業のほか、自動車をはじめとする輸送用機械等の製造業が発展。平成18年に合併した旧額田町には、乙川水系が育む森が広がる。
岡崎市
土木建設部 道路維持課 工事1係
秦 哲嗣 はた てつじ

住民からの通報対応に追われ、パトロールできないことも

―岡崎市ではどのように道路の維持管理を行ってきたのですか。

 市内の総延長約2,100kmの道路を2台のパトロール車が走行し、職員が目視で、亀裂や陥没、空洞化などの不具合がないかを確認してきました。また、不具合の通報を住民から受けた場合も、パトロール中の職員が対応。どちらの場合も、現場を確認したうえで対応の優先順位を判断し、修繕担当の職員に引き継ぎます。道路の不具合による事故を未然に防ぐため、即時対応を心がけてきました。

 しかし、道路の維持管理においては課題も感じていました。

―どういった課題でしょう。

 限られたマンパワーで、いかに効率的な道路のパトロールを行うかということです。職員が減少傾向にある一方、区画整理や新興住宅地の開発を背景に自治体が管理すべき道路は年々増加しています。さらにパトロール車は、毎日10件ほど届く、道路の不具合に関する住民からの通報にも対応しなければなりません。その結果、予定コースを離れることで通常のパトロールができなくなることもありました。そうしたなか、アイシンが開発中の道路管理システム『みちログ』の存在を知ったのです。

―どのようなシステムですか。

 同社独自の車載カメラと車載器を公用車に取りつけるだけで、車両が走行した道路の状況をセンサーで分析するものです。不具合があれば場所を特定し、危険度ごとに色分けしてデジタルマップ上で可視化します。新たにパトロール車を購入する必要もなく、コストや手間を抑えた道路管理ツールになりえると判断し、同社と令和元年10月から実証実験に取り組むことにしたのです。

―実証実験の詳細について教えてください。

 当市のごみ収集車4台に機器を搭載し、ごみ収集時に通った道路を分析します。データは、3段階の緊急度を3色に分けてデジタルマップに表示。不具合の場所と修繕の優先順位、走行履歴が一目でわかります。情報は、庁舎のPCと現場の職員が持つ専用のスマートフォンで共有。住民から通報があった場所や、修繕した場所もマップに落とし込めます。

報告書作成の負担が減り、ペーパーレス化も図れる

―実証実験を通じてどのような効果を感じていますか。

 普段利用する公用車の走行だけで道路状況が把握できる、画期的な監視ツールだと実感しています。実際、4ヵ月の利用で、緊急度の高い道路の不具合を7件発見できました。現場と庁舎の職員同士がリアルタイムに情報共有できるため、作業連携がスムーズに。また、高度な情報セキュリティ対策が施されているため、安心して報告書作成の自動化やペーパーレス化も図れています。

―今後の方針を教えてください。

 実証実験の結果を見極め、本格導入に向けて検討したいと思います。また、実証実験を開始後、アイシンとまちづくりに関する包括協定を結びました。ゆくゆくは、実証実験にとどまらないまちづくりに、同社と取り組んでいきたいと考えています。

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支援企業の視点

公用車を走らせるだけで、道路のパトロールはできる

株式会社アイシン
CSSカンパニー ビジネスプロモーション部 主幹 手嶌 亨
[提供] 株式会社アイシン
株式会社アイシン
CSSカンパニー ビジネスプロモーション部 主幹
手嶌 亨 てしま とおる

―自治体が道路を維持管理するうえでの課題はなんでしょう。

 管理する道路の数や住民からの不具合の通報が増える一方、職員の減少で十分に道路をパトロールできなくなることです。万が一、道路の不具合で事故が起きた場合、自治体の責任になります。すみやかに不具合を確認のうえで現場の写真を共有し、補修管理することが重要です。

―どうすればすみやかな補修管理が行えますか。

 増員を行わず、コストも抑えられる方法で舗装点検を仕組み化させればいいでしょう。たとえば、当社の『みちログ』は、専用の車載カメラと車載器を車両に取りつけ、走行させるだけで、収集したデータから道路状況を分析できます。データは、不具合レベルに応じてマップに表示され、現場と庁内の連携もスムーズ。公用車に機器を取りつけるだけで、操作やメンテナンスも不要です。住民からの通報も含め、経年で蓄積データを見られるので、業務計画も立てやすく、GISとの連携もできます。業務の楽しさを高めるため、バンダイナムコエンターテインメントと提携し、不具合箇所をゲームソフトの『PAC-MAN』の表示にも変更できます。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 自動車部品メーカーとして培ってきた技術とノウハウを、自治体の道路整備をはじめとしたまちづくりに活かし、道路管理を核としてDXの幅を広げながら、住民が安全で安心して生活できる環境の実現に貢献したいと思っています。ぜひ、お気軽に問い合わせてください。

手嶌 亨 (てしま とおる) プロフィール
平成9年、株式会社アイシン(旧 : アイシン・エィ・ダブリュ株式会社)に入社。カーナビ、およびコネクテッド分野での営業、調達、事業管理を担当。令和3年より現職。おもに自治体向け営業を担当。
株式会社アイシン
設立 昭和40年8月(令和3年4月 : アイシン精機株式会社から社名変更)
資本金 450億円
売上高 3兆5,257億9,900万円(令和3年3月期)
従業員数 約12万人(令和3年4月1日現在 : 連結)
事業内容 自動車部品、エネルギー・住生活関連製品の製造販売
URL https://www.aisin.com/jp/
お問い合わせ電話番号 0566-62-8135 (平日9:00~17:30)
お問い合わせメールアドレス michilog@aisin.co.jp