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「つながり」という財産をえた、徳島県4町の「自治体クラウド」

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徳島県4自治体の取り組み

情報システムの共同利用

「つながり」という財産をえた、徳島県4町の「自治体クラウド」

石井町 総務課 課長補佐(当時) 藤本 洋一郎
石井町 総務課 事務主任 三谷 亮太
神山町 総務課 課長 相原 正弥
那賀町 情報政策室 主査兼係長 大西 塁
那賀町 情報政策室 係長 南賀 銀次
東みよし町 企画課 主査 中川 貴俊
[提供]株式会社日立システムズ

※下記は自治体通信 Vol.32(2021年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

複数の自治体で住民情報系システムを共同利用する「自治体クラウド」。経費削減や住民サービスのさらなる向上を図るべく、多くの自治体が採用している。そうしたなか、石井町、神山町、那賀町、東みよし町(徳島県)の4町による「自治体クラウド」の導入プロジェクトが実施された。4町の各担当者に、プロジェクトの経緯や導入プロセスなどを聞いた。

[石井町] ■人口:2万5,489人(令和3年7月1日現在) ■世帯数:1万806世帯(令和3年7月1日現在) ■予算規模:178億4,737万円(令和3年度当初) ■面積:28.85km2 ■概要:徳島県の東部に位置し、東は徳島市、西は吉野川市、南は神山町、北は吉野川を境として上板町と隣接している。
[神山町] ■人口:5,069人(令和3年7月1日現在)■世帯数:2,451世帯(令和3年7月1日現在) ■予算規模:67億9,624万円(令和3年度当初) ■面積:173.30km2 ■概要:徳島県東部の名西郡に位置し、町内の東側は徳島市および石井町と接している。
[那賀町] ■人口:7,822人(令和3年6月1日現在) ■世帯数:3,808世帯(令和3年6月1日現在) ■予算規模:140億8,164万円(令和3年度当初) ■面積:694.98km2 ■概要:徳島県の南部に位置し、東は阿南市、西は高知県、南は海部郡、北は勝浦郡、神山町、美馬市、三好市に隣接している。
[東みよし町] ■人口:1万3,961人(令和3年7月1日現在) ■世帯数:6,303世帯(令和3年7月1日現在) ■予算規模:103億8,277万円(令和3年度当初) ■面積:122.48km2 ■概要:徳島県の西北部、四国のほぼ中央部に位置し、北は香川県、東はつるぎ町、西・南は三好市と接している。
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石井町
総務課 課長補佐(当時)
藤本 洋一郎 ふじもと よういちろう
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石井町
総務課 事務主任
三谷 亮太 みたに りょうた
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神山町
総務課 課長
相原 正弥 あいはら まさひろ
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那賀町
情報政策室 主査兼係長
大西 塁 おおにし るい
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那賀町
情報政策室 係長
南賀 銀次 なんが ぎんじ
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東みよし町
企画課 主査
中川 貴俊 なかがわ たかとし

人口が減少していくなか、システムの共同利用は必要

―プロジェクトの検討を始めたきっかけを教えてください。

藤本 平成30年6月に閣議決定された、「自治体クラウドの導入促進の取組」がポイントですね。そもそもは、「県内の自治体同士で共同利用を検討しよう」と、声をかけ合うところから始まりました。人口が減少するなか、自治体が持続可能なカタチで行政サービスを提供し続けるためには、共同利用が必要だろうという考えでした。

相原 神山町としては、これまでオンプレミスで行ってきましたが、やはり共同利用で費用が安くすむのであれば検討すべきだと考え、参加することにしました。

中川 東みよし町でも、費用の観点が大きかったですね。当時のオンプレミスは正直カスタマイズが多く、バージョンアップのたびに動作検証やプログラム変更などの作業負担が増え、その結果としてコスト増につながっていたのを問題視していたのです。

大西 じつは那賀町だけが、4町のなかで異なるパッケージシステムを使っていました。ただ、共同利用を募るなかで「パッケージシステムの種類にこだわらず、意欲がある自治体に声をかけよう」という流れに。結果的に県内11自治体が参加し、検討が始まりました。

―検討はスムーズに進んだのでしょうか。

藤本 今後10年間、各自治体が現行のシステムと比べてどれくらいの費用がかかるかを検討していくなか、まんべんなくメリットを共有するのは難しく、プロジェクトから離れた自治体さんもいらっしゃいました。協議を進めていくなか、11自治体から7自治体に。最終的に、4町になったカタチです。

相原 このように、各自治体の思惑が異なるなか、自治体同士の協力はもちろん、第三者の立場から発言してもらえるコンサルタントの存在は重要でした。コンサルタントに調整してもらった結果、この4町でまとまったとも言えます。

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4町の意向を汲み取って、提案を行ってもらえた

―結果、四国日立システムズが提案する『ADWORLD』を採用したそうですね。理由はなんでしょう。

三谷 数社にデモンストレーションを行ってもらい、プロポーザルを行った結果、各業務担当者からの評価が4町全体で高かったのが『ADWORLD』だったのです。

南賀 実績やシステムの使いやすさはもちろん、同社が4町の意向を汲み取ったうえで、提案を行ってもらえたのが大きかったですね。

―どのような意向ですか。

藤本 カスタマイズを、必要最小限に抑えることです。同じシステムを使うということは、4町全体で業務の見直しを図るということ。意識したのは、各自治体の現行業務のやり方を踏襲するのではなく、フラットな状態で業務を見直ししていくということでした。

中川 カスタマイズすると、4町でガラパゴス化し、運用コストもかさんでしまいますから。四国日立システムズには、4町に寄り添う姿勢をもっとも体現してもらえたのかなと。カスタマイズせずに要望を実現するためにはどうすればよいかなど、こちらの悩みを親身に考えてくれたと感じています。

自治体間のつながりが、こんなに強くなるものか

―今回のシステム導入をどのように評価していますか。

相原 ほかの自治体と比較をしたことがなかったため、従来のシステムが果たして最適かどうかの判断がつかないでいました。今回は、当町のシステムをイチから見直すいい機会になりました。

藤本 自治体間の垣根を越えた、「つながり」ができたのが大きいですね。要件定義から導入まで、4町の担当者で腹をわって話すなか、「そんな考え方があったのか」という発見もありました。こうしたつながりは、新しい財産です。

中川 自治体間のつながりが、こんなに強くなるのか、というのが率直な感想です。4町の「システム刷新と一緒に業務改善を目指すんだ」という強い気持ちが今回の導入に結びついたのだと思います。

大西 国保担当者からは、システム移行や他町担当者とのつながりから気づきをえられ、業務が効率化できたと聞いています。今後は、令和7年度までに「自治体の情報システムの標準化・共通化」を実現するという目標がデジタル改革関連法で掲げられています。今回のプロジェクトを実現した4町と、四国日立システムズおよび日立システムズの協力体制があれば、乗り越えられると確信しています。

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支援企業の視点①

今後を見すえた想いが強かった、4町だからこそ導入が実現できた

株式会社四国日立システムズ
営業本部 副本部長 近藤 一弘
営業本部 公共営業部 シニアアドバイザー 久米 喬
[提供]株式会社日立システムズ
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株式会社四国日立システムズ
営業本部 副本部長
近藤 一弘 こんどう かずひろ
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株式会社四国日立システムズ
営業本部 公共営業部 シニアアドバイザー
久米 喬 くめ たかし

―四国日立システムズがプロジェクト支援をしたそうですね。

近藤  はい。当初は各自治体の意向が異なり、正直戸惑うこともありました。そのなかで、従前のシステムにこだわらず、今後を見すえた最適なシステムを共同で利用したいという方向性にあわせて進められたことが、プロジェクトの成功につながったのだと思います。

 当社としては、ただシステムを販売するのではなく、今回の「できるだけカスタマイズをなくしたい」といった4町の意向に寄り添い、支援させていただきました。デモ実施による現場職員の理解促進も含め、こうした顧客の立場に立った取り組みが、実現の一助になったのではと考えています。

―今後における自治体への支援方針を教えてください。

久米 4町の基幹システムを無事に稼働できたのは、あくまでもスタート地点と考えます。国が進めている自治体DXの実現には、住民一人ひとりの利便性向上や職員の事務効率化など、課題はまだまだ山積みです。また、4町だけに限らず、今後自治体DXを推し進めていくには、いかに早く正確な情報をえるかが重要です。日立グループとして、つねに国や全国自治体の最新の情報を収集しながら、四国のお客さまにわかりやすく伝え、お客さまと一緒に課題解決を行っていくのが当社の使命であると考えています。引き続き、お客さまに信頼されるパートナーとしてまい進していきます。

近藤 一弘 (こんどう かずひろ) プロフィール
昭和62年、株式会社 日立システムズに入社。平成18年より、株式会社四国日立システムズ所属。おもに公共分野の拡販を担当し、平成26年度稼働の徳島県内の自治体クラウド導入に貢献。
久米 喬 (くめ たかし) プロフィール
昭和52年、株式会社 日立製作所に入社。平成21年より株式会社四国日立システムズ所属。現在はシニアアドバイザーとして自治体への情報提供を担当。
株式会社四国日立システムズ
設立 平成元年10月
資本金 1億円
売上高 46億円(令和3年3月期)
従業員数 261人(令和3年3月末現在)
事業内容 システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発
URL https://www.shikoku-hitachi-systems.co.jp/

支援企業の視点②

「住民」「職員」「地域」の観点で、自治体DXの推進を支援

株式会社日立システムズ 公共・社会事業グループ 公共事業拡販推進本部 拡販推進部 部長 佐藤 崇史
[提供]株式会社日立システムズ

上ページまでは、徳島県4町のプロジェクト事例と、それを支援した四国日立システムズの取り組みを紹介した。このページでは、徳島県4町が導入したシステムを提供している日立システムズを取材。自治体DXを取り巻く状況や、自治体に対する今後の支援方針を、同社の佐藤氏に聞いた。

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株式会社日立システムズ
公共・社会事業グループ 公共事業拡販推進本部 拡販推進部 部長
佐藤 崇史 さとう たかふみ

「ガバメントクラウド」への、移行を支援

―自治体DXを取り巻く状況を教えてください。

 令和2年12月、総務省より「自治体DX推進計画」が公開されました。そのなかの重点取組事項のひとつに、「自治体の情報システムの標準化・共通化」があり、各自治体で標準仕様に準拠したシステムの導入や「ガバメントクラウド」への移行が推進されています。

 当社としても、『日立 自治体ソリューションADWORLD』(以下、『ADWORLD』)の標準化対応をはじめ、さまざまなソリューションにより自治体DXの推進を支援していきます。

―詳細を教えてください。

 日立グループでは、「住民」「職員」「地域」の3つの観点から住民サービス向上や業務効率化につながるさまざまな取り組みを支援しています。その基幹となるシステムを、『ADWORLD』で提供。標準化・共通化対応のほか、住民がスマートフォンやタブレット端末を活用して、スムーズに申請や手続きができる仕組みや、RPAやAI‐OCR、BPOなどによる職員環境のデジタル化を支援しています。さらに、データ統合分析基盤の活用により、住民や地域のデータを分析し、データ活用・EBPMによる行政の効率化・高度化にも貢献していきたいですね。

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―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 これまで数々の自治体システムの導入を支援してきた経験やノウハウを活かし、「ガバメントクラウド」への移行を支援していきます。デジタル庁の開設により、今後はより一層、自治体DXが加速していくことが予想されます。当社としても、四国日立システムズをはじめとした、地域に根差したベンダーと密に連携しながら、これからも全国の自治体をサポートしたいと考えています。

佐藤 崇史 (さとう たかふみ) プロフィール
平成8年、株式会社日立製作所に入社し、平成29年より株式会社日立システムズに所属。自治体向けパッケージの企画拡販や、自治体のシステム導入を担当する。令和3年4月より現職。
株式会社日立システムズ
設立 昭和37年10月
資本金 191億6,200万円
売上高 5,236億8,000万円(令和2年3月期:連結)
従業員数 1万8,808人(令和3年3月31日現在:連結)
事業内容 システム構築事業、システム運用・監視・保守事業、ネットワークサービス事業、情報関連機器・ソフトウェアの販売と開発
URL https://www.hitachi-systems.com/
お問い合わせ先 Webからの問い合わせはこちら
https://www.hitachi-systems.com/form/contactus.html