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避難所の役割を担う体育館の空調は「災害に強い」LPガスで整備

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東京都東大和市の取り組み

体育館への空調設備導入

避難所の役割を担う体育館の空調は「災害に強い」LPガスで整備

東大和市 都市建設部 建築課長 兼 学校教育部副参事 中橋 健
[提供]日本LPガス協会

※下記は自治体通信 Vol.31(2021年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


近年、毎年のように記録的猛暑に見舞われるなか、学校現場における熱中症対策として、体育館に空調設備を新たに整備する動きが広がっている。東大和市(東京都)もそういった自治体のひとつだ。「体育館はときに避難所となることも意識して整備した」と語る同市担当者の中橋氏に、具体的な整備内容について聞いた。

[東大和市] ■人口:8万5,364人(令和3年5月1日現在) ■世帯数:3万9,857世帯(令和3年5月1日現在) ■予算規模:496億5,840万1,000円(令和3年度当初) ■面積:13.42km2 ■概要:東京都中央部の北側に位置し、都心へは電車通勤圏のベッドタウン。市の北部には、「都民の水瓶」として暮らしを支え続けている多摩湖を包含する、緑豊かな狭山丘陵が広がっている。多摩湖は、一般財団法人水源地環境センターの「ダム湖百選」に選ばれている。

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東大和市
都市建設部 建築課長 兼 学校教育部副参事
中橋 健 なかはし けん

市民の生命を守るために整備

―公立小中学校の体育館において、空調を整備するに至った経緯を聞かせてください。

 熱中症の事故を防ぐため、当市では平成23年度より、市内の小学校10校、中学校5校のすべての普通教室と特別教室に空調を整備してきました。一方、体育館については予算の制約もあり整備を進められずにいましたが、実際のところ体育館は屋外と違って風通しが悪く、熱がこもりやすいため、熱中症の事故が起こりやすいのです。そのため、学校現場からも「早く体育館にも整備してほしい」という声が年々高まっていました。

 さらにもうひとつ、体育館での整備を進めた理由があります。

―それはなんでしょうか。

 市内の公立小中学校の体育館すべてが、災害時の避難所に指定されていることです。近年、記録的豪雨をはじめ、大規模災害がいつ発生してもおかしくない状況を考えると、これまで以上に「避難所としての体育館」を意識した備えの強化が必要です。その際、空調設備の整備は不可欠です。真夏の猛暑日や冬の厳しい寒さのなか、多くの市民が避難生活を送る体育館で空調が効かなければ、場合によっては生命の危険も。体育館の空調整備は、市民の安心・安全を守る行政の責務と考えました。

―整備にあたっては、どのようなことを重視したのでしょう。

 なによりも、「災害に強いこと」です。空調設備のエンジンは、「電気ヒートポンプ(以下、EHP)」と「ガスヒートポンプ(以下、GHP)」の大きく2種類の方式に分けられますが、EHPは停電の影響を受ける恐れがあり、エネルギーインフラとして災害に弱いとの指摘があります。一方、ガスはよほどの大地震がない限り供給が止まる可能性は低く、特にLPガスは、ガスボンベをGHPの敷地内に備蓄できるため、停電の場合でも空調設備を稼働し続けられます。

 また、地域のガス会社のネットワークで、災害時も安定した供給体制が構築できるという安心感もあります。

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大規模体育館はLPガス方式

―そのほか、重視したことはありますか。

 費用負担の面です。EHPとGHPについて、当市で費用負担を詳細にシミュレーションした結果、長期的には燃料費の安いGHPのほうがトータルの費用負担を抑えられることがわかりました。空調設備は長期使用を見すえた整備が必要なため、当市ではすべての公立小中学校の体育館にGHPの導入を決めました。そのうち、小学校の体育館には都市ガスが燃料のGHP、中学校にはLPガスが燃料のGHPと、インフラ系統をふたつに分散してエネルギーの供給リスクを低減しています。なかでも特に、広域的な避難所の役割を持つ大規模な中学校の体育館には、供給面で災害に強いLPガス方式のGHPを導入。令和2年9月から運用を開始しています。

―稼働後の状況はいかがですか。

 学校現場からは、「子どもたちの熱中症リスクが抑えられ、安心できる」といった声が上がっています。幸い、避難所としての活用はまだありませんが、万一、避難生活を送るような事態になっても、少しでも快適に過ごしてもらえる環境を整備できたと考えています。 


支援企業の視点

「止まることのない」空調が、避難所機能の強化には不可欠

一般社団法人全国LPガス協会 専務理事 村田 光司
日本LPガス協会 専務理事 吉田 栄

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一般社団法人全国LPガス協会
専務理事
村田 光司 むらた こうじ

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日本LPガス協会
専務理事
吉田 栄 よしだ さかえ

―体育館に空調設備を導入する際、重要なポイントはなんでしょう。

村田 ときに避難所となる体育館には、「止まることのない」空調整備が必要だと考えています。災害時には多くの被災者が避難生活を送るかもしれない体育館において、かりに停電などで空調が効かなくなれば、猛暑日のような日には命の危険にさらされ、二次被害が起きてしまいかねません。

吉田 その点、LPガスは、電気や都市ガスのように電線や配管といったインフラを通じたエネルギー供給ではなく、「ガスボンベ」というカタチで地域内や敷地内に一定程度の量が分散備蓄されています。そのため、災害時において、もっとも安定した供給が可能なエネルギー源だと言えます。実際に、政府の「エネルギー基本計画」のなかでは、LPガスのことを「災害時にはエネルギー供給の『最後の砦』」と表現しています。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

村田 LPガスを燃料とするGHPには、停電時において、照明への電力供給やスマートフォンへの充電などができる自立型の発電タイプもあるため、避難所機能のさらなる強化を支援できます。

吉田 平時における熱中症対策と、災害時における避難所機能の強化を同時に考えている自治体のみなさんは、ぜひ私たちにお問い合わせください。

村田 光司 (むらた こうじ) プロフィール
昭和31年、東京都生まれ。令和元年6月より現職に就任。
吉田 栄 (よしだ さかえ) プロフィール
昭和33年、栃木県生まれ。平成28年9月より現職に就任。
一般社団法人全国LPガス協会
設立 昭和55年9月
事業内容 LPガス事業などの保安の確保に関する企画、調査および研究ならびに安全性などに関する技術的な指導、教育に関する業務など
URL https://japanlpg.or.jp
お問い合わせ電話番号 03-3593-3500 (平日9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス hoangyoumu@japanlpg.or.jp
日本LPガス協会
設立 昭和38年6月
事業内容 LPガスの安定供給への取り組み、保安の確保、需要開発、環境対策、政策提言など
URL https://www.j-lpgas.gr.jp
お問い合わせ電話番号 03-3503-5741 (平日9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス info@j-lpgas.gr.jp