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場所にとらわれない柔軟な働き方が「地方創生」実現のカギになる

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民間企業の取り組み

テレワーク普及に向けた環境整備

場所にとらわれない柔軟な働き方が「地方創生」実現のカギになる

日本マイクロソフト株式会社
政策渉外・法務本部 地方創生担当部長 (働き方改革・地方創生・医療・教育政策担当) 宮崎 翔太
[提供]日本マイクロソフト株式会社

※下記は自治体通信 Vol.30(2021年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


「Empowered JAPAN」という活動をご存じだろうか。テレワークの普及に向けた環境整備や人材育成などを通じて、場所にとらわれない柔軟な働き方を実現し、地方創生につなげる実証プロジェクトである。ここには多くの自治体が参画し、「コロナ後」を見すえた新たな地方創生を模索している。Empowered JAPAN実行委員会の事務局長を務める日本マイクロソフトの宮崎氏に、活動の詳細を聞いた。

※Empowered JAPAN実行委員会:委員長 松村茂・東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科 教授(工学博士) 日本テレワーク学会 特別顧問

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日本マイクロソフト株式会社
政策渉外・法務本部 地方創生担当部長 (働き方改革・地方創生・医療・教育政策担当)
宮崎 翔太 みやざき しょうた

地方の人口流出の背景にある、就職に対する根深い観念

―「Empowered JAPAN」が発足した背景を教えてください。

 我々は、「いつでもどこでも誰でも、働き、学べる世の中へ」というビジョンを掲げ、その手段のひとつとなるテレワークを推進すべく、平成29年に発足したプロジェクトです。発足の背景には、都市部への人口流出によって進む地方の衰退への大きな課題意識がありました。人口流出がもっとも多く発生するのは若者が就職するタイミングですが、それがなぜ起こるかといえば、企業にも個人にも「就職とは、会社に通うこと」という場所に縛られた観念が深く根づいているからです。我々は場所にとらわれない、柔軟な働き方の実現こそが地方創生のカギだと考えています。その手段の1つであるテレワークの推進に向けて、我々はEmpowered JAPAN実行委員会を設立。多くの自治体や民間企業などと連携しながら、社会全体の意識改革を後押ししており、令和3年には日本テレワーク協会よりテレワーク推進賞「会長賞」をいただいています。

―具体的にどのような活動をしているのですか。

 大きく3つの柱があります。1つ目は、参画自治体と連携し、地域でのテレワーク実現の道筋を探る実証事業の推進です。そこでは地元の企業や住民に参加してもらい、企業における環境整備やデジタル人材の育成を目的とした研修を行っています。2つ目は、テレワーク推進の啓発活動です。所管大臣や首長、有識者らを招き、総務省、厚生労働省、経済産業省、文部科学省、国土交通省の後援も得ながら、全国各地でイベントを開催。テレワーク推進の機運醸成に努めています。

―3つ目の柱はなんでしょう。

 テレワークや遠隔授業の推進に資するWebセミナー・研修の開催とその無料配信です。この無料配信は、コロナ禍での支援策として緊急で開始したもので、70の協力パートナーが結集して全国の企業や個人、教育機関に向けた支援を実施しています。既存コンテンツの開放にくわえ、新規コンテンツの配信を行った結果、29万PVを記録しています。今後、参画自治体との実証実験では、物理的な集合を伴う研修が困難になることから、この緊急Webセミナーと組み合わせた新しい形式の実証実験を行っていきます。

 我々の活動はすべて無償ですので、自治体は予算策定の必要がなく、事業計画に盛り込みやすいものです。柔軟な働き方の実現によって解決できる社会課題はさまざまで、人口減少や経済振興、男女共同参画といった課題にあたる担当部局が、それぞれの立場から我々と連携しています。

雇用創出の実績も、実証事業は再開の準備が進む

―これまでの活動では、どのような成果が得られていますか。

 たとえば、第一の柱である実証事業では、参画された約50の企業、約90人の個人から、「コロナ禍でスムーズに在宅勤務に切り替えることができた」といった声が多く寄せられています。さらに、実証事業の舞台となった佐賀市と流山市の間では、テレワーク形態の雇用が生まれている例もあります。

 ただし、我々の活動は就労支援を目的としているものでは決してありません。我々が目指すものは、あくまでも柔軟な働き方の実現を通じた地方創生。そのための道筋を一緒に探ることが主眼ですから、失敗事例も包み隠さず紹介しています。現在、コロナ禍で中断していた実証事業も再開の準備が進んでいます。本プロジェクトが掲げるビジョンに賛同いただける多くの自治体に参画いただくことで、多様なモデルケースを生み出し、充実した学びの機会をぜひ提供していきたいと考えています。

宮崎 翔太 (みやざき しょうた) プロフィール
クウェート生まれ。平成18年に日本マイクロソフト株式会社に新卒入社。中堅中小企業向け営業や、自治体・医療機関向け事業開発責任者などを経て、現職。テクノロジー活用を通じた働き方改革や人材育成、女性活躍など、複数のプロジェクトを企画・推進。その一方、自らも学び直しの一環でフルタイムの社会人学生となり、テレワークを実践しながら令和3年3月に東京大学公共政策大学院を修了。公共政策学修士(専門職)。

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佐賀市長
秀島 敏行 ひでしま としゆき
 「Empowered JAPAN」への参画以前は、行政や地元企業のテレワーク移行にハードルの高さを感じていました。テレワークの普及には、従来の仕事に対する概念を変える必要があるため、当市のような地方都市への浸透には、「Empowered JAPAN」の取り組みを通じた情報提供や啓発活動が非常に有効です。また、新型コロナウイルス感染拡大によって、DXの推進やテレワークの普及が必然になったことで、「Empowered JAPAN」への参画がさらに有意義なものとなりました。

 佐賀市は、発達障がい児の早期発見、早期療育に力を入れていますが、発達障がい者のなかには人との対面を苦手とする人がいます。こうした人々にとって、テレワークは、社会参加を促す有効なツールになるものと期待しています。

 地方都市には、大都市にはない生活環境の良さがあります。人口減少とそれに伴う地域経済の停滞を解消するためにも、テレワークのような新しい働き方の実践が必要だと考えます。

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鈴鹿市長
末松 則子 すえまつ のりこ
 コロナ禍で地域活動に制限がかかるなか、市民が笑顔と活力を取り戻す方策はないかと考え、男女共同参画社会の実現を主眼のひとつに「Empowered JAPAN」への参画を決めました。「Empowered JAPAN」の提供するデジタル人材育成プログラムへの参加のほか、市民向けオンラインセミナーの開催、地域の関係者で話し合う「SUZUKA女性活躍推進連携会議」の運営でも連携を図ってきました。さらに、地域の拠点である男女共同参画センターの公衆Wi-Fi環境整備を昨年度に実施し、今年度からは誰もがどこでも価値を生み出せる新しいプロジェクトにともに取り組んでいきたいと考えています。

 新しい生活様式のひとつであるテレワークは、男女を問わず個人のライフスタイルに合わせた働き方を可能にするものです。この活動への参画によって、市民が持っているポテンシャルを広く知ってもらうことにより、世界とのつながりを高め、鈴鹿市民として活躍できる環境づくりを実現していきたいです。

日本マイクロソフト株式会社
設立 昭和61年2月
資本金 4億9,950万円
従業員数 2,485人(令和2年7月1日現在)
事業内容 ソフトウエアおよびクラウドサービス、デバイスの営業・マーケティング
URL https://www.microsoft.com/ja-jp/
問い合わせ先 Empowered JAPAN実行委員会 事務局
info@empoweredjapan.com
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