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横浜市港北区の取り組み

新型コロナウイルス感染症対策

AIで素早く体表温度を検知し、感染症の不安から住民を守る

横浜市港北区
総務部 区政推進課 企画調整係長 田村 賢太
福祉保健センター こども家庭支援課 こども家庭係長  今西 麻美
[提供] 株式会社マクニカ

※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


新型コロナウイルスの感染拡大を受け、住民が集まらざるをえない行事会場では検温や消毒をはじめ徹底した感染防止対策が求められている。しかし、こうした追加的な手続きは、行事の効率的な運営の妨げ、ときに担当する職員の業務負担にもなりえる。そうしたなか、横浜市港北区(神奈川県)では、新たな体表温度検知ソリューションの導入により、迅速な運営を実現している。ソリューションの効果について同区担当者に話を聞いた。

横浜市港北区データ
人口:35万6,368人(令和2年9月1日現在) 世帯数:17万3,189世帯(令和2年9月1日現在) 予算規模:7億4,415万6,000円(令和3年度当初案) 面積:31.4km² 概要:昭和14年4月に誕生。平成6年11月に行政区再編成により区の北西部地域が都筑区に編入され、現在の区域に。戦後初期から高度経済成長期にかけては、農地や樹林地における宅地開発や、農地から工場、倉庫へと土地利用の転換が進む。特に鶴見川周辺には工場が集積し、横浜市における内陸工業の一大拠点に。昭和39年、東海道新幹線の開通に伴って新横浜駅が開業し、横浜駅周辺・関内地区に次ぐ横浜市第二の拠点としての整備が進んだ。
横浜市港北区
総務部 区政推進課 企画調整係長
田村 賢太 たむら けんた
横浜市港北区
福祉保健センター こども家庭支援課 こども家庭係長
今西 麻美 いまにし あさみ

検温が的確に行えず、来場者が会場入口で滞留

―港北区の新型コロナウイルス感染症の状況を教えてください。

田村 当区は市の最北部に位置し、東京都にもっとも近い位置にあります。そのため、東京都への通勤者が多く、人口も約35万人と市内ではもっとも多いため、結果として感染者数も市内最多となっています。これを受け、当区でも独自の新型コロナ対策を行っています。

 特に、どうしても人が集まらざるをえない場所への対策は重要と考えています。たとえば災害時の避難所には、区内企業から段ボール製の間仕切りを調達することになっており、もしものときにも「3密回避」を徹底する構えです。

今西 乳幼児健診も人が集まらざるをえない事業のひとつです。受診者は従来1日あたり約100人、保護者を含めると来場者はその2倍以上になります。そのため、健診者数を通常時の7割以下に抑えたうえ、入口には職員が張りついて、検温や消毒を徹底してきました。しかし、ここには課題もありました。

―どういった課題でしょう。

今西 検温には非接触型の体温計を使っていましたが、夏は発汗しており、冬は冷たい外気にさらされるなど、体表面では適切に体温を測定できないケースも多々ありました。また、対象が乳幼児であり、測定が難しくなってしまうほか、検温を嫌がる子どもも少なくなく、時間を要することもしばしばです。

田村 本来は、迅速に検温を済ませ、来場者の滞在時間を短くしたいのですが、会場入口付近に滞留してしまう場面が多くみられました。対策に頭を悩ませていたとき、区内企業のマクニカさんからお声がけをいただき、新たな仕組みを導入することを決めました。

乳幼児でもスムーズに測定、来場者の評判も上々

―どのような仕組みですか。

田村 サーモグラフィを使ったAI搭載の「体表温度検知ソリューション」です。AIが人の顔を認識し、外部の環境に左右されず体表温度を測定できるのが特徴です。測定時間は1秒以内と短く、専用カメラで撮影できれば、最大30人まで測定できると聞いています。

今西 実際に当区では、乳幼児健診会場で実証実験を行ったのですが、1歳半の幼児やベビーカーに乗った乳児でも正確に顔を認識でき、スムーズに体表温度を検知できました。測定時間は短く、手指の消毒時に一瞬で検知ができるため、特別に足を止めてもらう必要がありません。入口付近に受診者が滞留するような場面はなくなり、来場者からの評判も上々です。効果を実感したので、2月から本格導入を開始しています。


―今後の運用方針を聞かせてください。

田村 これまで消毒と検温に2人の職員を配置していましたが、担当職員の業務負担が大きく減ったことで、ここを省力化し、ほかの業務に充てることができるでしょう。検温時に来訪者に近づく必要がなく、担当職員も安心です。運用実績を見ながら、今後はほかの場面でも活用できるかもしれませんね。

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