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北海道旭川市/大阪府高槻市の取り組み

定量データに基づく業務改善策①

生産性向上への新たな道筋、自治体間の「業務量比較」という手法

旭川市 総務部 行政改革課 課長補佐 青葉 拓哉
高槻市 総合戦略部 みらい創生室 主査 増田 瞬
[提供] コニカミノルタ株式会社

※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


いまや多くの自治体が職員の業務効率改善に課題を抱えるなか、業務改革の第一歩として、業務の可視化を目的とした「業務量調査」に着手する自治体が増えている。旭川市(北海道)や高槻市(大阪府)もそうした自治体のひとつだ。この両自治体は今回、互いの業務量調査の結果を比較・分析することで、業務改善への課題を客観的に抽出する新しい取り組みを実施した。その効果について、両市の担当者に聞いた。

旭川市データ
人口:33万803人(令和3年3月1日現在) 世帯数:17万7,741世帯(令和3年3月1日現在) 予算規模:2,810億3,690万7,000円(令和3年度当初案) 面積:747.66km² 概要:北海道のほぼ中央に位置し、雄大な大雪山連峰に抱かれ、石狩川と多くの支流が合流し、肥沃な盆地が広がっている。古くからのアイヌの人々の営みと開拓の歴史があり、以来、交通の要衝・物流の集積地として発展。近年は、航空路線の充実により、外国人観光客が増加しており、全国的に知られる旭山動物園や雪質が良いスキー場などに、国内外から年間500万人を超える観光客が訪れている。
高槻市データ
人口:35万976人(令和3年1月末現在) 世帯数:16万2,264世帯(令和3年1月末現在) 予算規模:2,373億1,807万円(令和2年度当初) 面積:105.29km² 概要:大阪平野の北東、京都と大阪の中間に位置し、京阪間の拠点として発展してきた。JR・阪急により大阪・京都と約15分で結ばれ、市内各地域へは市営バスが放射状のネットワークを形成。近年では、新名神高速道路の高槻ジャンクション・インターチェンジが開通し、交通利便性がさらに向上している。令和3年3月には市中心部に甲子園球場の約5倍の広大な緑のオープンスペースを提供する「安満遺跡公園」が全面開園を迎え、市内外からの来訪者でにぎわいを見せている。
旭川市
総務部 行政改革課 課長補佐
青葉 拓哉あおば たくや
高槻市
総合戦略部 みらい創生室 主査
増田 瞬ますだ しゅん

業務改善に効果的なのは、全庁規模の統一的業務量調査

―両市が「業務量調査」を実施した背景を教えてください。

青葉 当市では、平成12年の中核市移行後、職員数の削減をはじめ、各種行財政改革を実施してきました。しかし、少子化が進み、業務も複雑化・多様化するなか、現在のやり方や人海戦術は早晩立ち行かなくなるという危機感が。そこで、抜本的な改革の第一歩として、昨年9月から現状把握のため全庁的な業務量調査を実施しました。

増田 当市でも平成29年度に「みらいのための経営革新」に向けた改革方針を打ち出し、さまざまな行財政改革に取り組んできました。そうしたなか、昨年8月に連携協定を結んだコニカミノルタから、庁内の業務改善には全庁規模の統一的な業務量調査がもっとも効果的だとの提案を受けたのです。

―実際に、どのような調査を行ったのですか。

青葉  まず、部署ごとに条例で定められた事務分掌をセットします。そのうえで、事務分掌に連なるすべての業務について、全職員を対象に、具体的なフローやかけている時間などを記入してもらうことで、業務ごとの流れや人的コストが客観的に可視化されるのです。

増田 さらに、それらのデータは生産性向上に対するコニカミノルタの知見によって全庁統一の基準で分析され、業務時間の削減効果による優先順位づけの手掛かりとして、業務改善につながる貴重なデータが算出されていくのです。

自治体間連携で解決する、という道が開かれた

―全庁規模の業務量調査を実施した効果はいかがでしたか。

増田 これまで感覚的に捉えられてきた業務の負担感や時間のかけ方が定量的に可視化されたのは、大きな効果でした。これにより、改善効果の高い業務を優先順位づけできるようになりました。また、職員が担うべき「コア業務」と職員でなくてもできる「ノンコア業務」という区別は、これまで各職場では意識していたものですが、市の業務全般にわたって「見える化」されたのは初めてなので、今後の業務改善のポイントになるかと。ノンコア業務の負担状況が、各部署のチーム単位で細分化して把握できたことは大きな収穫でした。

青葉 業務量調査では、業務ごとに紙の使用量や電子化の割合も調べ、業務量との相関関係が浮かび上がってきました。ペーパーレス化は業務改善にもつながることがわかり、電子決裁システムやそのほかDX施策の重要性も認識できました。

―今回は両市で、調査結果の相互比較も行ったようですね。

青葉 はい。同規模の自治体であれば、業務内容も業務を取り巻く状況も共通部分が多いので、比較によって業務改善のヒントが得られるのではないかと。コニカミノルタの協力で比較分析を行いました。結果、両自治体とも全庁にわたる庶務事務の業務負担が重く、高槻市に比べノンコア業務に正規職員が多く配置されている実態も明らかになりました。

増田 庶務事務のなかでも、特に照会・回答業務は総量も多いため、大きな改善効果が期待できます。また、各課が独自の様式で実施していたものを共通化するという業務改善の道筋も見えました。

 両自治体間に共通した業務や事業でも、一方が多くの時間を費やしているといったこともあり、双方の取り組み方などを参考に、業務改善を図れるのではないかと期待しています。共通課題に対して、自治体間で連携して解決するという道が開かれたのは、今回の取り組みの大きな意義ですね。


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