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時間と費用をかけなくても、道路状況把握と補修計画立案は可能

東京都東村山市の取り組み

交通インフラの維持管理

時間と費用をかけなくても、道路状況把握と補修計画立案は可能

東村山市
まちづくり部 道路河川課 課長 谷 伸也
[提供] インクリメント・ピー株式会社

※下記は自治体通信 Vol.29(2021年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


住民生活に欠かせない道路の維持管理は、自治体にとっても重要な業務のひとつ。ただ、予算や職員が減少するなか、思うような道路の維持管理ができていない自治体は多い。そうしたなか、東村山市(東京都)では、新しい舗装点検方法を活用し、計画的かつ効率的な道路の維持管理を進めようとしている。同市担当者の谷氏に、詳細を聞いた。

東村山市データ
人口:15万1,296人(令和3年3月1日現在) 世帯数:7万4,133世帯(令和3年3月1日現在) 予算規模:981億6,278万3,000円(令和3年度当初案) 面積:17.14km² 概要:東京都の北西部、荒川から多摩川にかけて広がる洪積層、武蔵野台地のほぼ中心部に位置し、市域には私鉄西武各線とJR武蔵野線が縦横に走り、中央には新青梅街道と府中街道が交差している。武蔵野の面影を残す雑木林や田園風景が見られる緑豊かな都市で、特に新東京百景のひとつとなっている北山公園は、八国山を背に、花菖蒲・ハス・彼岸花などが咲く。
東村山市
まちづくり部 道路河川課 課長
谷 伸也たに しんや

計画的な補修ができず、住民の通報に追われていた

―東村山市では、道路の維持管理にどのような課題を抱えていたのでしょう。

 やはり、計画的に補修を進めるのが困難だったことです。当市では1,585本、計278kmの道路を管理しているのですが、平成25年に市内全域の舗装状況を調査車両と現地踏査で調査し、ある程度計画的に道路の補修をしたいと考えました。しかし、それ以降はなかなか予算や人的コストがかけられず、住民からの通報を受けてから対応せざるをえない状況に。ただ、住民からの通報は年間約1,600件。件数が多いうえに、全体最適化を考えると先着順に補修するというわけにもいかず、対応に苦慮していたのです。

 そこで、新しい舗装点検方法を活用することにしたのです。

―具体的に教えてください。

 国際航業が提供している「ビッグデータを用いた舗装点検」を、試験的に活用しています。こちらは、インクリメントPが所有している道路走行画像のビッグデータを用い、国際航業の技術者が舗装の状況を確認・点検し、その結果をシステムによってデータ化するという仕組みです。調査車両を走らせたり、職員による人海戦術で、現場を確認したりする必要がないという点に注目しました。新型コロナの影響もあり、調査は昨年の11月から開始。1ヵ月で、約60kmの調査が終わったところですね。

―活用した感想はいかがですか。

 まず、その調査スピードに感心しました。職員が60kmをパトロールでチェックすれば、100日はかかるでしょうから。そして、舗装の損傷具合によって色分けしてマップ上に可視化してくれるので、わかりやすいですね。「ひび割れ」といった見た目でもわかる損傷はもちろん、見落とされそうなちょっとした隆起もしっかり判別してくれるので驚いています。

コストカットできたぶんを、補修にあてていきたい

―今後における活用方針を教えてください。

 このデータを使えば、議会や市民に対し、道路補修を行ううえでの説得材料になると考えています。また、作業効率のほか、従来の現場調査よりコストが約1/4ですむのが大きな魅力。このツールを積極活用することで、コストカットできたぶんを、実際の補修にあてていきたいですね。


支援企業の視点

費用対効果の高いデータ提供のカギは、鮮明な画像と技術にもとづく分析力

国際航業株式会社
インフラマネジメント事業部 PFI戦略部 部長 花村 嗣信
インフラマネジメント部 東日本道路マネジメント グループ 技師 田島 朋樹

インクリメントP株式会社
位置情報ソリューション 事業本部 C&E事業部国内グループ リーダー 中川 淳
[提供] インクリメント・ピー株式会社

国際航業株式会社
インフラマネジメント事業部 PFI戦略部 部長
花村 嗣信はなむら しのぶ
国際航業株式会社
インフラマネジメント部 東日本道路マネジメント グループ 技師
田島 朋樹たじま ともき
インクリメントP株式会社
位置情報ソリューション 事業本部 C&E事業部国内グループ リーダー
中川 淳なかがわ じゅん

―道路の維持管理に苦労している自治体は多いのですか。

花村 多いですね。特に小さな自治体では、予算をかけることは難しい。結果として住民からの通報で対応することになり、それすら追いつかなくなっているケースも少なくありません。

―どうすればいいでしょう。

田島 従来の予算以下で、維持管理できる方法があります。以前は、調査車両で現場状況を把握するのが一般的でしたが、平成28年に国土交通省道路局が「舗装点検要領」を策定。ある程度の基準だけ決め、具体的な方法は自治体にまかせる方針です。民間企業でもさまざまなサービスを提供しており、当社がインクリメントPと協働提供しているビッグデータを用いた舗装点検システム『Genavis Tao-Asset』もそのひとつです。

―詳細を教えてください。

花村 インクリメントPが提供する5mおきの道路走行画像と位置座標がセットになったデータを用い、当社の技術者が独自ソフトを活用して舗装状況を分析。損傷の度合い別に、地図に落とし込んだデータを提供しています。これはインクリメントPの鮮明な画像と、当社の40年以上の経験によって実現しています。

中川 当社はデジタル地図を整備するために、全国に調査車両を網羅的に走らせ、走行画像を撮影。ビッグデータとして所有しています。コストを抑えた舗装確認を実現させるため、この画像の活用を国際航業に提案し、採用いただいたのです。


―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

花村 当社では、自治体の要望に合わせて、車両による現場調査も可能。予算に応じた、最適な提案を行っていきます。

中川 当社の画像では、舗装道路でのペイントのはがれや、標識が木に隠れているといったチェックも可能です。舗装状況を含め、当社の画像を活かした自治体の課題解決を行っていきたいです。

花村 嗣信 (はなむら しのぶ) プロフィール
昭和46年、千葉県生まれ。平成5年に日本大学を卒業後、国際航業株式会社に入社し、道路維持管理や地域活性化に関する業務を担当。現在は、PFIなどを含む官民連携事業の企画・戦略を担当している。
田島 朋樹 (たじま ともき) プロフィール
平成元年、埼玉県生まれ。平成27年に日本大学を卒業後、国際航業株式会社に入社し、舗装維持管理業務を担当。現在は、画像を使った舗装点検業務を担当している。
中川 淳 (なかがわ じゅん) プロフィール
昭和54年、静岡県生まれ。メーカー勤務を経て、インクリメントP株式会社に入社。おもに、法人向け地図ソリューションビジネスを担当する。平成31年から、リーダーとして官公庁や自治体への地図ソリューションビジネスを担当している。
国際航業株式会社
設立 昭和22年9月
資本金 167億2,900万円
従業員数 1,819人(令和2年3月末時点)
事業内容 公共コンサルタント事業、インフラマネジメント事業、防災環境事業、LBSセンシング事業、RE(Renewable Energy)関連事業ほか
URL https://www.kkc.co.jp/
道路舗装点検についての問い合わせ先 042-307-7434 (平日 9:00~17:30)
kkc_pfi@kk-grp.jp
インクリメントP株式会社
設立 平成6年5月
資本金 4億3,450万円(パイオニア株式会社 全額出資)
売上高 457人(令和2年4月1日現在)
事業内容 国内地図データ販売、地図ソリューションビジネス、ナビゲーションビジネス
URL https://www.incrementp.co.jp/
道路走行画像についての問い合わせ先 03-6629-4812 (平日 9:30~12:00、13:00~17:30)
gvmtsales@incrementp.co.jp
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