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拡張性が高いLGWAN-ASPで、日常業務のデジタル化を推進

拡張性が高いLGWAN-ASPで、日常業務のデジタル化を推進

兵庫県神戸市の取り組み

クラウドサービスの活用①

拡張性が高いLGWAN-ASPで、日常業務のデジタル化を推進

神戸市
企画調整局情報化戦略部 ICT業務改革担当係長 横尾 健太郎
企画調整局情報化戦略部 デジタル化専門官 宇都宮 哲平
[提供] 株式会社両備システムズ

※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


平成30年に政府が「クラウド・バイ・デフォルト原則」の方針を打ち出して以降、各自治体では業務のクラウド化に向けた取り組みが積極的に行われている。神戸市(兵庫県)においても、独自の方針にもとづき、クラウド化の施策を進めている。そうした取り組みの詳細を、同市の横尾氏と宇都宮氏に聞いた。

神戸市データ
人口:151万6,127人(令和2年11月1日現在)世帯数:72万5,866世帯(令和2年11月1日現在)予算規模:1兆8,591億9,500万円(令和2年度当初)面積:557.02km²概要:兵庫県南部に位置する、県庁所在地および政令指定都市。海と山に囲まれ、ビジネス街と住宅地がコンパクトにまとまっている。博物館、美術館、ホールやギャラリーが身近にあり、まちのあちこちで音楽やアートを感じ取れる。古くから世界との玄関口として日本の近代化をけん引し、平成20年には、アジア内で初めて「デザイン都市」としてユネスコに認定された。
神戸市
企画調整局情報化戦略部 ICT業務改革担当係長
横尾 健太郎よこお けんたろう
神戸市
企画調整局情報化戦略部 デジタル化専門官
宇都宮 哲平うつのみや てっぺい

LGWAN環境内で業務にあった、クラウドサービスを使いたい

―神戸市が、業務のクラウド化に取り組むようになった背景を教えてください。

横尾 ほかの自治体と同様、当市においても職員が減少していく一方、職員の働き方改革が社会的にも取り上げられるようになったことから、いかに業務効率化を図っていくかが重要施策にあがっていました。あわせて、国も積極的に推奨していることから、業務のクラウド化を進めることにしたのです。

宇都宮 従来のようなオンプレミス型でサーバを抱えて業務を行うと、運用や保守にコストがかかるだけでなく、システムの移行だったり最新の技術やサービスをアップデートしたりすることもなかなか難しい。そういった意味でも、クラウド化を進めていくことは必要だったのです。

―実際、どのようにしてクラウド化を進めていったのですか。

横尾 「三層分離」のもと、いかにインターネットを経由せずにLGWAN環境でクラウドを活用できるか、といった根本的な課題の解決はもちろんですが、当市が重視したのは、システムにおける拡張性の高さです。当市がクラウド化を進めていくなかでも、いろいろ検討していったところ、業務で使いたいと考えるクラウドサービスがありました。たとえば、当市では以前からMicrosoftのライセンスをもっていたことから『Microsoft 365』。そして、グループ内で情報が共有でき、ペーパーレス化が望める『kintone』といったパブリッククラウド(※)サービスです。そうしたなか、両備システムズがサービスを展開しているLGWAN-ASP『R-Cloud』に注目しました。

※パブリッククラウド:業界・業種を問わず、企業もしくは個人に向けてクラウドコンピューティング環境を提供しているオープンな形態を指す

―それはなぜでしょう。

横尾 もともと当市の広聴課では、『Salesforce』にて市民と行政が双方につながるスマートフォンアプリを構築し、『R-Cloud』を活用してLGWAN環境で職員が利用していたという経緯があったのです。そのため、『R-Cloud』であれば、パブリッククラウドをLGWAN環境でもシームレスに使えるのではないかと考えたのです。また、LGWANでもクラウドが使える同社のLGWAN-ASPは、総務省の外郭団体であるJ-LISの認可を受けているため、セキュリティ面でも問題がないと判断。平成30年10月から実証実験を進めて、段階的に導入が始まっています。

庁内で活用事例が生まれ、業務効率化が進展

―導入後の状況はいかがですか。

宇都宮 たとえば『kintone』において、さまざまな活用事例が生まれています。直近の国勢調査で言うと、一般の市民が調査員を担うのですが、以前であれば事前の説明会のときから紙にいろいろ記入してもらいながら管理していました。導入後のいまでは、『kintone』を使って、調査員の登録から、実際に調査員が世帯を回っているときの連絡事項など、さまざまなことがWeb上で完結することが可能に。庁内で情報が共有されるため、業務効率があがったという話を聞いています。

横尾 LGWAN環境で、個人情報を扱えることが大きいですね。以前であれば、『kintone』はインターネット上でしか使えなかったため「いかに個人情報を扱わずに運用するか」で頭を悩ませていましたが、『R-Cloud』ではセキュリティポリシーを遵守しつつ、LGWANでの使用が可能に。いまではさまざまな部署で『kintone』を使いたいという声があがっています。

―クラウド化を進めていくうえでの今後の方針を教えてください。

宇都宮 引き続き『R-Cloud』を活用して、クラウド化を進めていきます。たとえばMicrosoftの関連で言いますと、『Microsoft 365』のほか、『Microsoft OneDrive 』の実証実験を行っているところです。このパブリッククラウドを活用すれば、タブレット端末などで現場から庁内のLGWANにレポート報告をあげることができ、わざわざ庁舎に戻ることなく直帰が可能に。そのため、テレワークを含めたモバイルワークが実現できると期待しています。

横尾 クラウドのサービスインにおいては、ヒアリングからの仮説提案をいただくなど、両備システムズには機敏な対応をしてもらい本当に助かっています。クラウドサービスは日々進歩を遂げ、新しいサービスが次々と生まれています。今後も両備システムズの協力を得ながら、クラウドを業務に活かしていきたいですね。

 

支援企業の視点

クラウドサービスの活用②

安全かつ柔軟にパブリッククラウドを、利活用する環境を整備せよ

株式会社両備システムズ クラウドサービスカンパニー クラウドビジネス事業部 プリセールス担当 係長 矢吹 祐二
[提供] 株式会社両備システムズ

※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


株式会社両備システムズ
クラウドサービスカンパニー クラウドビジネス事業部 プリセールス担当 係長
矢吹 祐二やぶき ゆうじ

前ページでは業務のクラウド化を進めている神戸市(兵庫県)の取り組みを紹介した。このページでは、神戸市のクラウド化を支援した両備システムズを取材。同社の矢吹氏に、自治体がクラウド化を進めるうえでのポイントや、そのポイントをクリアする方法などを聞いた。

自治体ニーズにあわせた、クラウド環境を

―自治体がクラウド化を進めるためのポイントはなんでしょう。

 まず前提として自治体は、急激な社会変容や地域住民ニーズの変化などに応じて、短期間に新たな行政サービスを提供することが強く求められています。AIやIoTなどの最新技術、民間サービスの積極的活用により、新しい行政サービスの在り方を定義し、地域特性に応じた自治体のデジタルトランスフォーメーションを推進するには、パブリッククラウドを安全かつ柔軟に利活用できることが肝要です。一方で、クラウド化する業務には個人情報を扱うもの、庁内業務システムとデータ連携するものも多く、LGWAN環境への接続が求められます。つまり、LGWAN接続系から各種クラウドサービスが利用できる環境整備、セキュリティを確保したうえで、インターネット環境とLGWAN環境間のデータ流通ができる環境整備がポイントと言えます。

―ほかにポイントはありますか。

 パブリッククラウドの利用で、ITの導入コスト削減や運用負荷の軽減、柔軟な拡張性というメリットが得られる一方、自治体特有の業務支援機能は個別実装が必要です。全庁的な業務の効率性・利便性向上、データ活用を実現する柔軟性をもったクラウド環境の実現には、業務支援機能を部局横断的なクラウドサービスとして活用していく必要があります。

―それらのポイントをクリアするにはどうすればいいでしょう。

 そうした環境を実現できるような、LGWAN-ASPサービスを活用すればいいのです。たとえば、当社が提供している『R-Cloud』もそのひとつであり、現在200団体以上の自治体で利用されています。

クラウドパートナーとの、連携をさらに進めていく

―詳しく教えてください。

 LGWANの内部ネットワークからパブリッククラウドへアクセス可能なLGWAN接続ゲートウェイや、ファイル無害化、ぴったりサービス申請連携、電子署名検証など部局横断的な業務支援機能をクラウド基盤サービス「PaaS(※)」として展開。インターネットを利用する住民・事業者と、LGWAN利用の自治体との行政手続きやコミュニケーションがすべてデジタルを中心に処理できるよう、データおよびサービスの橋渡し役を担っています。

※PaaS:Platform as a Serviceの略。アプリケーションを実行するためのプラットフォームを、インターネットを介して提供するサービスのこと

―なぜそのようなサービスを提供できるのですか。

 そもそも当社はLGWAN-ASP事業者として、LGWAN専用のプライベートクラウド(※)を「IaaS(※)」として、自治体業務アプリケーションを「SaaS(※)」で提供してきました。当社のプライベートクラウドとLGWAN経由で自社サービスを提供したいクラウドパートナーとの協業で、パブリッククラウドでは満たせない自治体ニーズに応えるカタチでクラウド基盤サービス『R-Cloud』を展開。各クラウドサービスを組み合わせて使うことも可能になり、「業務の効率性・利便性向上」と「セキュリティ」を両立させるハイブリッドクラウド(※)で自治体のデジタルインフラを構築する新しい選択肢となっています。

※プライベートクラウド:企業・組織が自社専用のクラウド環境を構築し、社内の各部署やグループ会社に提供する形態を指す
※IaaS:Infrastructure as a Serviceの略。システムの稼働に必要なインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態を指す
※SaaS:Software as a Serviceの略。ベンダー側でソフトウェアを稼働させ、ユーザーはネットワーク経由でソフトウェアの機能性を活用するサービス
※ハイブリッドクラウド:パブリッククラウドとプライベートクラウドなど異なるサービスのメリットをうまく組み合わせて利用する方法

―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。

 最新のクラウドサービスを取り入れたい自治体と、提供しようというクラウドパートナーとの連携に、積極的に取り組んでいきます。「三層の対策」にあわせたハイブリッドクラウド環境としてLGWAN-ASPとパブリッククラウドの適切な構成を理解したうえで検討を進められるよう、企画検討段階から提案することが可能。『R-Cloud』の活用で、自治体ニーズに対応していきたいですね。

矢吹 祐二 (やぶき ゆうじ) プロフィール
昭和57年、岡山県生まれ。平成18年に関西大学を卒業後、株式会社両備システムズに入社。自治体向け業務パッケージシステムの営業、導入、開発、保守の業務に従事する。令和2年から、セールスエンジニアとして自社クラウド基盤、パブリッククラウドを用いた企画提案業務を担当している。
株式会社両備システムズ
設立 昭和44年12月(創立/昭和40年6月)
資本金 3億円
売上高 290億円(令和元年12月期:連結)
従業員数 1,556人(令和元年12月現在:連結)
事業内容 公共、医療、社会保障分野および民間企業向けの情報サービスの提供ほか
URL https://www.ryobi.co.jp/
お問い合わせ電話番号 086-264-1104(平日 8:45~17:30)
お問い合わせメールアドレス idcinfo@ryobi.co.jp