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消費者の共感を呼ぶ「イミ消費」で、食ブランド向上の仕組みづくりを

消費者の共感を呼ぶ「イミ消費」で、食ブランド向上の仕組みづくりを

北海道の取り組み

食産業による地域振興

消費者の共感を呼ぶ「イミ消費」で、食ブランド向上の仕組みづくりを

北海道 経済部 食関連産業室 主幹 島崎 範子
[提供] グルーヴァース株式会社

※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


地域振興策のひとつに、地元食材の魅力を発信する取り組みがある。北海道では平成25年度から、健康増進に科学的根拠がある加工食品を認定する独自制度を始めている。担当者の島崎氏に、制度の概要や得られた成果を聞いた。さらに、制度の普及拡大に取り組む北海道バイオ工業会の三浦氏と、ウェルネス増進に向けた独自のプラットフォームを提供するグルーヴァースの伊東氏にも取材。制度のさらなる活性化に向けた、取り組みの詳細を聞いた。

北海道データ
人口:523万5,258人(令和2年10月31日現在)世帯数:279万286世帯(令和2年1月1日現在)予算規模:3兆9,321億4,133万7,000円(令和2年度当初)面積:8万3,424.45km²概要:広大な面積を誇り、日本の国土の約5分の1を占める。市町村数は179。本土最北端の宗谷岬、同じく最東端の納沙布岬がある。豊かな自然、バラエティに富んだ新鮮な食材、豊富な観光スポットなど人々を魅了する要素が多く、民間調査会社の調べによると、「都道府県別魅力度ランキング」で北海道は12年連続で1位になっている。
北海道
経済部 食関連産業室 主幹
島崎 範子しまざき のりこ

北海道の「お墨つき」で、食の価値をさらに高める

―北海道が独自に始めた認定制度について教えてください。

 正式名称を『北海道食品機能性表示制度』といい、『ヘルシーDo』という愛称で呼ばれています。北海道は「食の宝庫」として有名で、ありがたいことに、「安全・安心・おいしい」という「北海道ブランド」として、国内外から広く認知されています。

 そのブランド力をさらに高めることを目的に創設したのが、『ヘルシーDo』です。道産の機能性素材(※)を含んだ道内製造の加工食品について、健康機能の確認試験を行い、その成果が論文として公表されていることを条件に北海道が認定します。認定された食品は、『ヘルシーDo』の独自マークをつけた販促が可能です。

※機能性素材:食品の原材料のうち健康に役立つ効果がある素材の総称

―これまでどのような成果が上がっていますか。

 制度創設から7年で、64社・121商品が認定を受けました。認定商品は、ドレッシング、お菓子、カレー、ヨーグルトなど幅広いジャンルから生まれており、認定商品の累計売上高は200億円以上に達しています。

 一方で、2年前に道民を対象としたアンケートによると、『ヘルシーDo』の認知度は約30%にとどまっているという結果が出ました。そこで、今後は道内における認知度向上に向けた取り組みとともに、販路の拡大による販促支援と、認定商品のさらなる増加を図っていく方針です。

 これまでの「安全・安心・おいしい」という北海道の食に対するブランドイメージに、「健康」をプラスした新たな価値を、世界中に発信していきたいですね。


支援機関・企業の取り組み

価値を見出してくれる層へ、まずは認知を広げていく

北海道バイオ工業会 事務局長 三浦 健人
グルーヴァース株式会社 営業部 部長 伊東 岳彦
北海道科学技術総合振興センター 研究開発支援部長 工藤 昌史
北海道バイオインダストリー 営業部 部長 藤岡 弘明
札幌グランドホテル 総料理長 伊藤 博之
[提供] グルーヴァース株式会社

※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


北海道バイオ工業会
事務局長
三浦 健人みうら たけひと
グルーヴァース株式会社
営業部 部長
伊東 岳彦いとう たけひこ

価値を見出してくれる層へ、まずは認知を広げていく

―『ヘルシーDo』に対する反響はいかがでしょう。

三浦 島崎さんの話にあった通り、認定商品の累計売上高は200億円以上です。一見すると大きな数字ですが、もともと人気の高い有名ブランド商品が認定され、その売上貢献が大きいという側面もあります。ですから、それぞれの認定商品が順調な売上かと言えば、一概にそうとは言えない部分も。さらに、道民でさえ『ヘルシーDo』の認知度は30%程度なので、北海道以外ではほとんど知られていないはず。そうなると、「消費者の健康のために」という『ヘルシーDo』の理念や商品の優位性を十分に訴求できない。そのため、高付加価値化によってどうしても割高になってしまう認定商品は売上が伸び悩み、販路が拡大しない要因となっています。

―そうした課題に対して、どのように取り組んでいくのですか。

三浦 『ヘルシーDo』の認知度を高め、認定商品がもつ本質的な価値を伝える仕組みづくりが必要だと考えました。そこで、全国に広く訴求できるECサイトをつくろうと。しかし、ECサイトでの販売経験がないため、正直、「認定商品がもつ本質的な価値」をどうすれば伝えられるのかがわかりませんでした。そんなとき、機能性素材の開発を手がける北海道科学技術総合振興センターが主催する説明会で、『ウェルちょ』というプラットフォームを知りました。

―どのようなプラットフォームなのでしょう。

伊東 私たちが提供している『ウェルちょ』は、消費者のウェルネスを応援する企業と、企業が提供する商品やサービスのファンを結びつけるプラットフォームです。たとえば、『ウェルちょ』の対象商品やサービスを利用することで「エール(※)」が貯まり、「エール」を受け取った消費者は、ウェルネス増進につながる商品の購入やサービスの利用代金に「エール」をあてられます。ウェルネスとは「こころとカラダ、そして社会全体の健康」と定義しています。社会にモノや情報があふれるいま、商品やサービスに込められたメーカーや生産者の想い、ストーリーに共感し、ファンとなって消費する「イミ消費」を重視する消費者層が拡大しています。ウェルネスという共通テーマでつながる『ウェルちょ』は、「モノ」や「コト」だけでなく、「イミ」を含めた消費の拡大が持続化するプラットフォームと言えます。

※「エール」:1エールで1円相当の特典として付与

―三浦さんは、『ウェルちょ』にどういった感想をもちましたか。

三浦 まさに、『ヘルシーDo』の認定商品に込められた理念を、消費者に伝えられると思いました。ウェルネスに対する興味、関心が高い『ウェルちょ』のコミュニティなら、認定商品の優位性を理解してくれ、価格以上の価値を見出してくれるはず。そこで、まずは『ウェルちょ』のECサイトに認定商品を出品し、『ヘルシーDo』の認知度向上と販路拡大に努めたいと考えています。

伊東 ECサイトを起点とした販路拡大はもちろん、消費者との双方向コミュニケーションの仕組みで収集した消費者データを、新たな商品開発に向けたマーケティングなどに活かしていただけるはずです。そのほか、『ウェルちょ』に参画する企業同士が協業することで、消費者に新たな価値を提供する取り組みも拡大するでしょう。

「北海道ブランド」を、世界中へ広げる

―『ヘルシーDo』の活性化に向けた今後の方針を教えてください。

三浦 ECサイトを認定商品の取引拡大の足がかりとし、店舗での取り扱いも増やすことで、「エール」を介した取引の循環を生み出せればと思います。日本だけでなく、ゆくゆくは『ヘルシーDo』の名を世界中へ広げたい。その際、『ウェルちょ』が大きな力になってくれることを期待します。

伊東 三井物産グループの私たちなら、国内外のネットワークを駆使して、さまざまな支援ができると考えています。

三浦 健人 (みうら たけひと) プロフィール
昭和44年、北海道生まれ。平成10年、岩手大学大学院連合農学研究科博士後期課程を修了。博士(農学)。同年、株式会社アミノアップ化学(現:株式会社アミノアップ)に入社。機能性食品素材の研究開発、製造、品質保証、知的財産管理、産学官連携などの業務に従事。平成20年より北海道におけるバイオ産業の発展を目的に設立された一般社団法人北海道バイオ工業会の事業企画・運営委員を務め、平成30年から現職。
伊東 岳彦 (いとう たけひこ) プロフィール
昭和51年、神奈川県生まれ。平成11年、神奈川大学経済学部卒業。ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社の営業部門で部長職を経験し、業界の枠を越え、社会全体の課題解決を実現すべく、令和元年にグルーヴァース株式会社入社。現在は、営業部門を担当している。
北海道科学技術総合振興センター
研究開発支援部長
工藤 昌史くどう まさふみ

認定に取り組む企業を増やし、さらなる産業振興を

―『ヘルシーDo』の推進にどのようにかかわっているのでしょう。

 当センターは、機能性素材の開発と、『ヘルシーDo』の認定に必要な科学的根拠の取得に向けた研究支援を行っています。食の「北海道ブランド」は確立されていますが、おいしい食材は日本全国にある。いまのブランド力に胡坐をかいていては、いずれほかの地域に追い越されるおそれも。健康増進に関して科学的根拠を示せる『ヘルシーDo』の制度は、ほかの地域との差別化を図れるブランド戦略と言えます。

―今後どう取り組んでいきますか。

道内企業が積極的に制度の認定・普及に取り組むことで、北海道全体の産業振興につながります。『ヘルシーDo』と健康価値に共感する消費者が集まる『ウェルちょ』には親和性があり、ウィズコロナの観点からもECサイトなどを上手く活用させていただきたいです。

北海道バイオインダストリー
営業部 部長
藤岡 弘明ふじおか ひろあき

新たな販促の活用で感じたい「届けるうれしさ」

―これまでに認定を受けた商品を教えてください。

ドレッシング、健康飲料、油の3種類で認定を受けました。当社は「おいしさ」にもこだわっており、「健康にいいから買った」ではなく、「おいしいので買ってみたら、健康にいいものだった」という言葉を、たくさんいただけるようになることが目標です。味を気に入って口にしていただく消費者が増えれば、そのぶんだけ多くの「健康」を届けられますから。

―今後、認定商品をどのように広めていきたいですか。

じつはこれまで、「価格が高い」とスーパーに置くことさえ断られ、「消費者に届けられない」と悔しい想いを何度もしてきました。その点今後、『ウェルちょ』を販促に活用することで、「届けるうれしさ」をたくさん感じることができると期待しています。

札幌グランドホテル
総料理長
伊藤 博之いとう ひろゆき

おいしくて健康にいい料理を、多くの人に提供できる

―機能性素材を使った料理を提供しているそうですね。

 ええ。札幌市内のホテルや飲食店が協働し、年に2回開かれる「ヘルシーDo応援プロジェクト・美人ランチ」で提供しています。直近では、「抗酸化・抗老化作用」をもつ「オリゴノール」という機能性素材を使った料理を、ホテル内のレストランで提供しました。

―『ヘルシーDo』の認定商品は料理の価値をどのように高めますか。

 当ホテルは昭和9年の開業以来、北海道の食材のおいしさを余すところなく引き出す料理の提供に努めてきました。『ヘルシーDo』の認定商品を活用することで、おいしくて健康にいい料理をより幅広く提供できます。『ウェルちょ』を利用する消費者の方には、貯めた「エール」を活用して、ぜひ当ホテルの料理を召し上がっていただきたいです。

グルーヴァース株式会社
設立 平成30年11月
資本金 1億円
事業内容 『ウェルちょ』事業の運営
URL https://groovearth.com/
お問い合わせ電話番号 050-5358-0741(平日9:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス support@groovearth.com
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