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位置情報で得られる人流の分析を、コロナ禍におけるまちづくりの起点に

位置情報で得られる人流の分析を、コロナ禍におけるまちづくりの起点に

民間企業の取り組み

人口データにもとづいた都市計画の見直し

位置情報で得られる人流の分析を、コロナ禍におけるまちづくりの起点に

株式会社ギックス トチカチ事業部長 加部東 大悟
三井不動産 DX本部 DX二部 主事 佐藤 好浩
[提供] 株式会社ギックス

※下記は自治体通信 Vol.28(2021年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


コロナ禍を背景に通勤やレジャーなど人々の行動が大きく変容するなかで、行政サービスに対する住民のニーズも変化し、都市計画の見直しに着手する自治体も多い。こうしたなか、データ分析にもとづく経営戦略コンサルティングを手がけるギックスの加部東氏は、「先が読めない今こそ、正確な人口動態を把握することが大切」と話す。コロナ禍におけるまちづくりの現状や、人口動態を把握する方法について、同氏に聞いた。

株式会社ギックス
トチカチ事業部長
加部東 大悟かぶと だいご

携帯から得る人口データは、サービスによってバラツキも

―自治体のまちづくりの取り組み状況について聞かせてください。

 コロナ禍によって人々の活動が大きく変化したことで、現状に即したまちづくりに取り組もうとする自治体が増えています。コロナ前と生活が変わった住民に適切な行政サービスを提供するため、エリアごとの正確な人口データを取得し、公共交通機関のサービス見直しといった都市計画の適正化を図ろうとするニーズが高まっているのです。

―そうしたデータを得るにはどのような方法があるのでしょう。

 ひとつに国勢調査がありますが、データの更新は5年ごとで、年月が経つほどデータは実情から離れていきます。リアルタイムにデータを得る手段には、携帯電話端末の位置情報をもとに人口動態を推計するサービスがあります。こうしたサービスは移動通信キャリアを含む複数の企業が提供し、活用している自治体も増えているようです。しかし、サービスを選ぶ際は、人口を推測する精度に注意が必要です。たとえば、Wi-FiやGPSから位置情報を得る仕組みでは、端末所有者がWi-Fiの使用を許可していなかったり、端末がフィーチャーフォンだったりすると位置情報を得られず、実際の人口を推計する際の精度に影響します。

―高い精度で位置情報を得る仕組みはあるのですか。

 はい。当社が自社サービスに採用するNTTドコモの『モバイル空間統計®️』では、基地局の電波から位置情報を取得しています。そのため、電波さえ通じていれば、端末の種類や設定状況にかかわらず、性別、年齢、居住地を含めた位置情報を1時間単位で取得できます。当社では、この『モバイル空間統計®』の精度検証を行ったうえで、人流の可視化ソリューション『トチカチ』を提供しています。

「コロナ禍のない世界」と、現実を比べられる

―サービスの特徴について教えてください。

 本来の『モバイル空間統計®』は、データがCSV(※)データとして提供されるのに対し、『トチカチ』ではデータを見やすいグラフ状に加工して提供している点です。天候や気温などの情報も統合しており、データの加工や分析に関する特別な知識がなくても、素早く、簡単に利用できます。500m四方のデータから提供しており、導入ハードルが低いのも強みです。

 このほか『トチカチ』では、AIが算出した「パラレルワールド」の値を表示する機能を標準搭載しているのも特徴です。

※CSV:comma separated valuesの略。値や項目をカンマで区切って書かれたテキストファイル・データのこと

―どのような機能なのでしょう。

 コロナ禍以前、5年間の実データをもとに、「コロナ禍が起こらなかった場合の、延長線上の世界」の人口データをAIが予測し、グラフ上で現実の値と比較できるものです。これによって、たとえば、自治体がイベントを開いた際の参加人数が、「コロナ禍の影響がなければどのくらいなのか」といった分析ができ、施策そのものへの反響を測ることができるのです。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 AIを活用したデータ分析といった、当社が培ってきたノウハウを活かし、まちづくりに関する課題の解決に貢献していきます。まちの様子が変わっていくなかで、現状を即時、かつ正確に把握することで、住民のニーズにあった行政サービスをムダなく提供できるようになるでしょう。関心のあるかたは、ぜひ当社にお問い合わせください。


三井不動産
DX本部 DX二部 主事
佐藤 好浩さとう よしひろ

 DX本部では、施設運営にかかわるマーケティングや戦略策定などの活動にITやデータを活用する業務を担っています。たとえば、商業施設の会員情報だけでは、非会員のお客さまを含め、施設来館者の動き全体を把握しきれないので、より実情に即した人口データを得る方法を探っていました。過去には、Wi-FiやGPSからの情報をもとにしたデータの活用を検討しましたが、お客さまが必ずしもWi-FiやGPSの機能をオンにしているとは限らず、得られるデータは現場の肌感覚と異なりました。

 そこで現在は『トチカチ』を導入し、携帯の電波さえ届いていれば計測可能な基地局のデータをもとに、施設来館者数を把握しています。『トチカチ』では、施設周辺など300地点で人口動態を観察。Webにアクセスするだけでエリア人口をグラフで観察できるうえ、天候や「パラレルワールド」の値など、得られる情報も豊富なため、業務への幅広い活用法を模索しています。たとえば、商業施設の営業時間に周囲で別のイベントが行われる際、どのくらいの人が施設を訪れるかといった、周辺の人口動態と来館者数の相関分析が、今後の戦略策定に活かせそうですね。ギックスは、データ分析に関する豊富な知見をもっているので、データの活用について助言を得るなど今後の同社との協業にも期待しています。

加部東 大悟 (かぶと だいご) プロフィール
戦略コンサルティングファームや海外事業会社の経営企画を経て、平成27年、株式会社ギックスに入社。大手百貨店システム子会社への出向を経て、平成31年より現職。戦略コンサルティングや事業会社での経験を活かし、企業の意思決定時におけるデータ利活用推進に強み。
株式会社ギックス
設立 平成24年12月
資本金 3億3,992万5,840円(資本準備金含む)
事業内容 データを活用した各種コンサルティング業務、データ分析にかかわるツールの研究・開発、これらツールを用いた各種サービスの提供(分析システム構築・レポート配信など)
コーポレートサイト https://www.gixo.jp/
トチカチ https://www.tochikachi.jp/
お問い合わせメールアドレス info@gixo.jp