
東京都武蔵野市の取り組み
子育て支援の充実
利便性の高い商品券の活用で、約9割の妊婦と「つながり」を築けた
※下記は自治体通信 Vol.27(2020年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
少子化や核家族化が進むなか、住民が安心して子育てを行えるよう、多くの自治体がさまざまな支援策に取り組んでいる。施策を成功させるには、施策そのものに対する認知度をいかに高め、住民の参加や利用を促すかが重要だ。こうしたなか、武蔵野市(東京都)は、独自の取り組みで妊婦面接への認知度を高め、面接率を向上させている。子ども政策課の吉村氏に、取り組みの詳細を聞いた。

専門スタッフによる面接で、育児の不安を軽減したい
―武蔵野市が行っている子育て支援の取り組みを教えてください。
妊婦さんが妊娠の届出をする際に、保健師や助産師などの専門スタッフが面接する「ゆりかごむさしの面接」を行っています。子育てには、妊婦さんの体調やお子さんの発達など、多くの心配ごとが出てきます。そんなとき、気軽に相談できる人が周りにいなかったり、友人や家族に相談しても不安が解消されなかったりすることがあるかもしれません。そのため当市では、妊婦さんの不安を軽減する支援として、妊婦面接を行っているのです。
―取り組みはどのくらい認知されているのでしょう。
妊婦面接を始めた当初は、支援が特に必要な妊婦さんのみに面接を促していたため、面接率は10%に届きませんでした。平成29年度からは、市内すべての妊婦さんに面接を受けてもらうことを目指して事業を周知。面接を行う場所や専門スタッフを増やすといった工夫を重ね、平成30年度には面接率を67%まで高められました。
さらに面接への関心を高めてもらうために、昨年度には、面接を受けた妊婦さんに「子ども・子育て応援券」として、トイカードが発行する『こども商品券』を1万円ぶんお渡しする事業を開始しました(※)。現物による子育てパッケージよりも、妊婦さんの多様なニーズに応えられる点や、広く市内の商業活性化に寄与できることが採用の決め手になりました。
※令和2年度に限っては、新型コロナウイルス感染症予防のため、2万円ぶんを上乗せした合計3万円ぶんを支給
―どのような商品券なのですか。
全国約5,800の加盟店で、おもちゃやベビー用品の購入はもちろん、病院や約4万台のタクシーの利用にも使える商品券です。「子ども・子育て応援券」の配付を始めて、面接率は89.2%に高まりました。『こども商品券』が使える市内の加盟店については、商店会連合会や商工会議所の協力のもと、追加で募集し、当初の16店舗から37店舗に増加。まち全体で子育てを応援する機運も醸成されていると感じています。

ほかの関連事業とも連携し、切れ目ない子育て支援へ
―子育て支援に関する今後の方針を聞かせてください。
「ゆりかごむさしの面接」をきっかけにできた子育て家庭とのつながりを大切にし、切れ目のない支援を行っていきたいですね。市の産後ケア事業を実施している医療機関では、同事業の利用に『こども商品券』が使えるようになりました。このように、面接を通じてできたつながりが、幅広い母子保健サービスの利用につながればうれしいです。
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