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IoTを活用した「訪問型見守り」で、高齢者が安心して暮らせるまちへ

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民間企業の取り組み

高齢者の安否確認

IoTを活用した「訪問型見守り」で、高齢者が安心して暮らせるまちへ

ヤマトホールディングス株式会社 地域共創推進機能 マネージャー 兼
ヤマト運輸株式会社 地域共創推進室 課長 松良 信一
ヤマト運輸株式会社 多摩主管支店 営業企画課 課長 川野 智之
[提供] ヤマト運輸株式会社

※下記は自治体通信 Vol.27(2020年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


自治体では、地域の見守り活動やさまざまなツール、手法を活用して、独居高齢者の見守りを行っている。そんななか、ヤマトホールディングスで高齢者の見守り事業を担当する松良氏は、「ツールの提供とあわせて、異常検知時における訪問体制といった一貫した見守りサービスの導入が重要」だと言う。同氏とヤマト運輸の川野氏のふたりに、高齢者見守りサービスの現状と、両社が提唱する見守り体制の詳細などを聞いた。

ヤマトホールディングス株式会社 / ヤマト運輸株式会社
地域共創推進機能 マネージャー / 地域共創推進室 課長
松良 信一まつら しんいち
ヤマト運輸株式会社
多摩主管支店 営業企画課 課長
川野 智之かわの ともゆき

「見守られる側」「見守る側」双方に負担のないサービスを

―高齢者見守りサービスの現状を教えてください。

松良 地域においては、自治体や自治体から委託された高齢者相談窓口、地域包括支援センター、社会福祉協議会、民生委員などで組成されたコミュニティにより、高齢者世帯への定期的な訪問や行事などを通じた見守り活動が行われています。そのほか、緊急時にボタンを押すことで、登録した連絡先に異常が知らされる緊急通報システムや、高齢者宅へ定時に架電して安否確認するサービスもあります。このようなツールや手法を活用したサービスは、高齢者が離れた場所に暮らす場合でも異常を察知できる手段として有効です。しかし、一定の課題もあります。

―どういった課題でしょう。

松良 電話回線やインターネットの導入などインフラ環境の整備に伴う負担があるほか、架電の場合は、高齢者が「定時に電話に出る」という精神面の負担も。また、親族や知人など緊急連絡先の登録者が遠方にいる場合だと、異常の通報を受けても、高齢者宅へすぐに訪問できないケースもあります。

川野 そのほか、見守られる側の高齢者の増加、見守る側の高齢化や人手不足により、地域の見守りネットワークは弱体化しています。さらに昨今のコロナ禍の影響で、対面による見守り活動はより一層難しくなっていると聞きます。このような状況のなか、当社では導入しやすく、異常時にも訪問対応が可能な『見守りサービスあんしんハローライトプラン』を提供しています。

―どのようなサービスですか。

川野 見守りサービスに使用する機器は、LEDにSIMが内蔵された「ハローライト」を活用します。「IoT電球」として知られるものです。設置工事や通信環境などの整備が不要で、利用者宅のトイレや廊下、洗面所などの電球と取り換えるだけで簡単にサービスを利用できます。この「ハローライト」が点灯と消灯の状況を計測し、24時間動きがない場合、事前に登録した親族や知人などの連絡先と当社に異常検知のメールが送信されます。メールを受信した際、親族や知人が利用者に確認の連絡が取れない、またはすぐに訪問確認できない場合、当社に連絡をいただければスタッフが利用者宅を訪問。そのうえで当社が安否を確認し、応答がない場合や異常がある場合は、地域包括支援センターや、必要に応じて消防、警察などに連絡を行います。

松良 このサービスは、機器の設置から異常時の訪問まで一貫して見守る体制を提供するものです。見守られる側は、普段通りに生活しながら見守りサービスを受けられ、見守る側は、遠隔で点灯と消灯の状況で異常を確認できるため、毎日電話をかけたり訪問したりする必要がなくなります。見守られる側、見守る側双方の負担を軽減しながら、結果として地域の見守りネットワークの維持強化につながればと考えています。

経営資源を活用し、地域の高齢者に安心感を提供

―自治体への今後の支援方針を聞かせてください。

川野 地域に密着して活動するヤマトグループの人材や車両といった経営資源を活用しつつ、先進的なIoT技術を組み合わせたこのサービスは、今年6月のサービス開始以降、地域住民や福祉関連団体などから大きな反響をいただいています。現在は多摩地域(東京都)を中心に展開していますが、自治体・地域の声を聞きながら順次エリアを拡大し、高齢者が安心して暮らし続けられるまちづくりに貢献していきたいと考えています。

松良 信一 (まつら しんいち) プロフィール
昭和43年、東京都生まれ。平成6年、ヤマト運輸株式会社に入社、東久留米営業所に配属。平成11年に三鷹新川営業所長、平成20年に埼京主管営業企画課長、平成23年に東京支社営業マネージャーを歴任し、平成30年から現職。
川野 智之 (かわの ともゆき) プロフィール
昭和60年、京都府生まれ。平成18年、ヤマト運輸株式会社に入社、八王子北支店に配属。平成28年に稲城支店長、平成30年にネコサポ多摩ニュータウン支店長を歴任し、令和2年から現職。
ヤマト運輸株式会社
設立 平成17年3月
資本金 500億円
従業員数 18万3,249人(令和2年3月31日現在)
事業内容 『宅急便』など各種輸送に関わる事業
URL https://www.kuronekoyamato.co.jp/
お問い合わせ先 ヤマト運輸 地域共創推進室
03-6670-9009(平日9:00~17:00)
y0li0001@kuronekoyamato.co.jp
Webでの問い合わせは、https://nekosapo.kuronekoyamato.co.jp
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