全国の自治体トップ・職員・議員に贈る
自治体の"経営力"を上げる情報サイト
自治体通信Online

民間企業の取り組み

マイクロツーリズムの促進

AI×行動心理学の「スタンプラリー」で、地元住民の域内回遊を促進させよ

JR西日本SC開発 カンパニー統括本部 事業戦略室 主任 柴田 修作
株式会社ギックス 取締役 共同創業者 花谷 慎太郎
[提供] 株式会社ギックス

※下記は自治体通信 Vol.27(2020年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


「コロナ禍」の影響により観光業が大きな打撃を受けている各自治体は、「ウィズコロナ」下における観光復興を模索している。こうしたなか、データ分析にもとづいたコンサルティングを手がけるギックスは、「個人の嗜好に合った行き先を提案し、地元住民に対して域内の回遊を促すことがカギになる」と話す。その具体的な仕組みづくりについて、同社の花谷氏に聞いた。

株式会社ギックス
取締役 共同創業者
花谷 慎太郎はなたに しんたろう

限られたエリアで、いかに消費行動を促すか

―「コロナ禍」のなか、どのような観光復興の方法がありますか。

 地元住民に近郊の旅を楽しんでもらう「マイクロツーリズム」があります。域外からの観光客数が減るなか、地元住民に観光を促すことは、観光復興の第一歩になるでしょう。ただし、地元住民は、馴染みの観光地や商業施設だけを訪れがち。そこで、いままで気づかなかった地元の魅力を再発見してもらい、リピートにつなげるためには、「限られたエリアで住民の回遊を促すこと」が重要。これは経済的なメリットにもつながります。

―それはなぜでしょう。

 個人の回遊により、多くの消費が生まれるからです。そもそも消費者は、訪れる施設の数や購入する商品のカテゴリが増えるほど、購買額が高まる傾向があります。この傾向は、多くの業界データから導き出した統計的な情報にもとづいたもので、当社では「バラエティ理論」と呼んでいます。「食事」「買い物」「レジャー」と複数のカテゴリを楽しむ人ほど、より地元への愛着が強まるでしょう。そのため、マイクロツーリズムでは、個人の回遊性向上が観光復興につながるカギになると言えるのです。

―個人の回遊性を高めるには、どのような施策がありますか。

 スタンプラリーは代表的な施策のひとつですが、実際の行動を促すにはポイントがあります。まずは、個人の嗜好に合う選択肢を提示できること。すべての人に一律的なおススメを示しても、個人の関心が違えば大きな効果は期待できません。次に、個人が自分自身で選択できること。「内発的動機づけ」という行動心理学の概念によるもので、外から与えられた動機よりも、自身からわき起こる動機のほうが、行動を促せるのです。 そこで当社では、これらの要点を押さえたスタンプラリーをスマホアプリに実装できるソリューション『マイグル』を提供しています。

みずから選択した行動は、実行率「2倍」の調査結果も

―どのようなソリューションでしょう。

 大きく2つの特徴があります。まず、AIが個人の属性・嗜好に合う選択肢を提示できること。事前のアンケートで、性別や年代、嗜好などでユーザーをセグメント分けしておけば、スタンプラリーの提供開始以降、スタンプを選んだユーザーの情報をリアルタイムで蓄積。強化学習(※)により、そのユーザーと似た属性のユーザーに、より好適な選択肢を提示できるようになっていきます。

※強化学習:システム自身がリアルタイムで試行錯誤しながら、取るべき最適な行動を決定する、機械学習のひとつ

―2つ目の特徴はなんですか。

 ユーザー自身が、選択肢から自分の好みに合うよう、スタンプラリーを組めることです。この仕組みは内発的動機づけの概念にもとづくもので、特許を申請中です。実際、自分で選択してスタンプラリーに参加した人のスタンプ獲得率は、選択できなかった人の2倍だったというデータがあります。

 このほか『マイグル』は、既存アプリと連携できるのも特徴。もしアプリがなくても、アプリ開発を支援する体制も整えています。


―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 AIの活用やデータ分析における当社の実績と知見を活かし、「ウィズコロナ」下の観光復興を支援していきたいですね。『マイグル』は、旅行客の行動データを蓄積できるため、中長期的な観光施策や地方創生施策の策定にも活用できます。関心のある自治体の方は、ぜひお声がけください。


JR西日本SC開発
カンパニー統括本部 事業戦略室 主任
柴田 修作しばた しゅうさく

 当社は、JR西日本グループの各ショッピングセンターを運営しており、館(やかた)間やテナント間をまたいだお客さまの消費を促す目的で、『マイグル』を導入しました。

 7月には、当社のポイントアプリ『WESPO』にスタンプラリーを実装し、広島県の「エキエ」で約1ヵ月間、キャンペーンを実施。キャンペーンは、お客さまがスタンプラリー内のテナントで買い物をするとスタンプがつき、達成するとポイントが付与されるという内容です。達成してもらうスタンプの数は3つに設定。「エキエ」は建物が3つのエリアに分かれているため、エリアを横断して買い物を楽しんでもらおうと考えたのです。お客さまは、エリアごとに個人の嗜好に合った店舗が複数提示され、そのなかから利用したい店舗を1つ選べるという仕組みです。

 スタンプラリーの参加率は35%と、販促活動で参加率の目安となる20%を上回りました。スタンプラリー達成者の平均購買額は通常時の1.5倍に増加。また、スタンプ対象の1つであるお土産店のエリアは、「コロナ禍」で遠方からの来客が減っていましたが、このキャンペーンにより、地元のお客さまに店舗を訴求。日常買いを促すことで、客数を伸ばすことに成功しました。個人の属性に合った選択肢の提示や、お客さまみずからスタンプを選べる『マイグル』の強みが、成果に結びついたのだと実感しています。



花谷 慎太郎 (はなたに しんたろう) プロフィール
昭和51年、大阪府生まれ。平成13年、京都大学大学院工学科の土木システム工学修士課程修了後、日本工営株式会社に入社。IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社(現:日本アイ・ビー・エム株式会社)を経て、平成24年の株式会社ギックス創業に携わり、同年より現職。
株式会社ギックス
設立平成24年12月
資本金3億3,992万5,840円(資本準備金含む)
事業内容データを活用した各種コンサルティング業務、データ分析にかかわるツールの研究・開発、これらツールを用いた各種サービスの提供(分析システム構築・レポート配信など)
会社HP https://www.gixo.jp/
サービス紹介ページ https://www.gixo.jp/service/mygru/
サービス説明動画 https://youtu.be/gRBwCTArQUo
お問い合わせメールアドレス info@gixo.jp
自治体通信メール版

「自治体通信オンライン」の最新記事や、イベント情報などをいち早くお届けします。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

【特別号】~いま注目のRPAを読み解く~
新形コロナウイルス感染症対策
[PR]

自治体の取り組みを探す

課題から探す
地域から探す

自治体通信

自治体通信

自治体通信は経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。
自治体関係者の方に無料配布しております。

自治体通信への取材希望の方

自治体通信編集部では、「自治体の"経営力"を上げる」というテーマのもと紙面に登場いただける自治体関係者・自治体支援企業の方を募集しております。

取材のご依頼はこちら
地域別ケーススタディ
課題別ケーススタディ
【特別号】~いま注目のRPAを読み解く~
新形コロナウイルス感染症対策
pagetop