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新型コロナウイルス対策で変わる、自治体のデジタルトランスフォーメーション

新型コロナウイルス対策で変わる、自治体のデジタルトランスフォーメーション

事例報告

電子行政のあり方 -ウェビナーレポート-

新型コロナウイルス対策で変わる、自治体のデジタルトランスフォーメーション

京都府 副知事 山下 晃正
富士ゼロックス株式会社 SE部 金融・公共ソリューション グループ 長澤 誠治
株式会社両備システムズ クラウドサービスカンパニー クラウドビジネス事業部
セールスエンジニア 井上 美沙恵
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 コンサルティング 執行役員パートナー 大山 泰誠
[提供] セールスフォース・ドットコム

※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


令和2年7月15日、世界規模で自治体や民間企業にITソリューションを提供しているセールスフォース・ドットコムの主催で、自治体のデジタルトランスフォーメーションに関する「Webセミナー(ウェビナー)」が開催された。なかでも本誌は、今般の新型コロナウイルス対策のため、自治体向けのシステム開発に携わった同社のパートナー企業の事例紹介に注目。今回は、その3社の登壇内容を中心にレポートする。ぜひ、今後におけるシステム構築の参考にしてほしい。

富士ゼロックス株式会社
SE部 金融・公共ソリューション グループ
長澤 誠治ながさわ せいじ

Webによる申請が、7割という結果に

 当社ではこのたび、京都府における「休業要請対象事業者支援給付金」のWeb申請システムの構築をセールスフォース・ドットコムとともに行いました。これは、京都府が新型コロナウイルス感染拡大防止のため、府内の施設に対して、営業時間の短縮・休業を要請。その要請に協力すると、支援金が給付されるという制度です。

 本案件は、仕様の確認が終了し、システム開発に着手したのが4月末。GW明けの5月7日にはリリースするという、非常に短期間のスケジュールで行われました。「このスケジュールで間に合うのか」という不安は、正直ありました。しかし、京都府の担当者から「事業者を守るため、速やかに給付を行う必要がある」という想いがひしひしと感じられました。当社にも、「会社全体として社会に貢献すべきだ」という強い意志があり、実行することに。

 開発は、全員在宅ワークで行い、なんとか期日までに間に合わせることができました。

 申請の開始初日に2,079件のWeb申請が届き、最終的にはWeb申請が1万2,000件、紙の申請が5,200件。Web申請の比率が、7割という結果に。こうしたシステム開発が実現したのも、セールスフォース・ドットコムのクラウドサービス『Salesforce』が短期間のシステム構築を可能にしたのにくわえ、当社が中央省庁において、Web申請の構築経験があったこと。さらに、京都府からスピーディな意志決定を得られたことによって実現できたのだと思います。京都府の意向で制度や画面なども非常にシンプルにしたため、事業者に「使いやすい」と思われたのも大きかったと思いますね。

長澤 誠治 (ながさわ せいじ) プロフィール
昭和53年、大阪府生まれ。富士ゼロックス株式会社に入社後、おもに製造業向けのソリューション事業を担当する。平成25年から公共領域のソリューション事業を担当し、近年はデジタル・ガバメント関連の案件に従事している。
富士ゼロックス株式会社
設立 昭和37年2月
資本金 200億円
売上高 9,583億円(令和2年3月期)
従業員数 3万9,825人(令和2年3月期:連結) / 7,504人(令和2年3月期:単独)
事業内容 オフィスプロダクト&プリンター事業、プロダクションサービス事業、ソリューション&サービス事業
URL https://www.fujixerox.co.jp/

京都府
副知事
山下 晃正やました あきまさ

 とにかく休業要請を受けていただいた事業者に、本当に1日でも早く給付金をお支払いしないと、という一心でした。小さな事業者ほど、体力がないですからね。そのために、申請システムにおいては、デジタル化になじむような制度設計をして、事業者が普段使い慣れているスマートフォンでの申請ができるように、と考えました。

 事業者選定にあたっては公募をしましたが、セールスフォース・ドットコムしか応募がなかった。つまり、この短期間でシステム構築できるのは同社しかなかったのです。結果についても満足しています。京都府の担当者とセールスフォース・ドットコム、富士ゼロックスがしっかり議論して、京都府の意図をくみ取ってもらった結果だと思います。

※この内容は、7月7日に開催されたセールスフォース・ドットコムのWebイベント用に作成されたビデオメッセージを抜粋してまとめたものです。


株式会社両備システムズ
クラウドサービスカンパニー クラウドビジネス事業部 セールスエンジニア
井上 美沙恵いのうえ みさえ

『ぴったりサービス』を、システム間連携に取り込めた

 新型コロナウイルス感染症への経済対策である、特別定額給付金にかかる申請から受付、審査、支払いまでの全事務に対応した管理システムの構築を行いました。セールスフォース・ドットコム、パートナー企業の協力のもと、荒川区(東京都)ほか、11団体へ導入しました。当社のクラウドサービスである『R-Cloud』にくわえ、『Salesforce』を活用することで、約1ヵ月で開発し、導入。5月11日には1次リリースを開始し、5月末には入金処理を完了することができました。

 この事業のポイントとしては、クラウドサービスを活用して早期開発できたことにくわえ、住基データの取り込みや入金データの作成など、大量のデータを一括処理できたこと。また、マイナポータル『ぴったりサービス』の電子申請データをシステム間連携で取り込んだこともポイントです。これにより、シリアルナンバーによるデータ突合など人が行うチェックを大幅に削減でき、導入自治体からも大変好評でした。

 さらに、『R-Cloud』の活用によりLGWAN接続端末にて利用可能にした点。閉域クラウド環境を実現することで、セキュリティを担保しながらも、利便性を上げたシステム提供ができました。

 今回の取り組みは、アナログ作業を抜本的に見直すきっかけになったと思います。当社では、今後さらに求められるスピーディな対応のため、自治体のデジタルガバメント実現の支援を行っていきます。

井上 美沙恵 (いのうえ みさえ) プロフィール
平成6年、岡山県生まれ。平成28年に同志社女子大学を卒業後、株式会社両備システムズに入社。自治体の業務改革などにおける、クラウドサービス導入プロジェクトに従事。令和2年からセールスエンジニアとして、自社クラウド基盤、パブリッククラウドを用いた企画提案業務を担当。
株式会社両備システムズ
設立 昭和44年12月(創立/昭和40年6月)
資本金 3億円
売上高 290億円(令和元年12月期:連結) / 147億円(令和元年12月期:単体)
従業員数 1,556人(令和元年12月現在:連結) / 734人(令和元年12月現在:単体)
事業内容 公共、医療、社会保障分野および民間企業向けの情報サービスの提供、システム構築、アウトソーシング事業、ソフトウェア開発、ハードウェア販売および保守サービス、ネットワーク構築サービス、データセンター事業、クラウドサービス事業、セキュリティ事業
URL https://www.ryobi.co.jp/

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
コンサルティング 執行役員パートナー
大山 泰誠 おおやま たいせい

システム構築スピードと、使いやすさに関心を得られた

 新型コロナウイルス感染症の対策についての業務では、各自治体における保健所の対応および補助金の支払い対応に関して、システムのコンサルティングサービスを提供しました。こうした案件を通じて、自治体関係者の方たちが『Salesforce』に対して、強く関心をもっていることを実感しました。理由は、大きく2つ。

 1つ目が、システムを立ち上げる速さ。保健所の対応では、セールスフォース・ドットコムの『新型コロナ保健所業務支援クラウドパッケージ』を活用し、約1週間。補助金の支払い対応では『Salesforce』の活用で、約2週間でシステムを稼働できました。

 2つ目が、使いやすさ。短期間で稼働したのにもかかわらず、入力しやすく集計表のようなレポートも手軽に作成できるというのがみなさまのご意見でしたね。

 こうした取り組み支援を通じて、新型コロナウイルス対策で苦労している自治体の方はもちろん、その先にいる住民や事業者の方々のチカラになれたというのは、非常に誇りに思えることでした。

 今回の「コロナ禍」で、住民の生活も変化を迫られています。補助金申請のように、各種申請も電子化が進むでしょう。また、保育や教育、高齢者サービスなど、対面が当たり前だった自治体サービスもオンライン化が進んでいくと考えられます。こうした変化に対し、セールスフォース・ドットコムと私たちパートナー企業が支援することで、社会貢献に努めていかなければならないと思っています。

大山 泰誠 (おおやま たいせい) プロフィール
昭和48年、北海道生まれ。平成18年、金融系シンクタンクからトーマツコンサルティング(現:デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)に入社。業界を問わず、CRM領域において戦略からシステム導入までEnd to Endで支援するサービスを提供。『Salesforce』をアジャイルで導入し、短期間での変革を支援する数多くの案件を手がけている。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
設立 平成5年4月
資本金 5億円(平成30年5月末現在)
従業員数 3,138人(令和元年11月末現在)
事業内容 事業戦略、経営管理基盤、組織・業務プロセス、人事、情報システムなど、あらゆる分野におけるコンサルティング業務
URL https://www2.deloitte.com/jp/

支援企業の視点

“利用者目線”を重視した開発が 自治体の新しい「システム文化」に

株式会社セールスフォース・ドットコム
エンタープライズ公共・金融営業統括本部 デジタル共創営業部 部長 井口 統律子
[提供] セールスフォース・ドットコム

※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


株式会社セールスフォース・ドットコム
エンタープライズ公共・金融営業統括本部 デジタル共創営業部 部長
井口 統律子いぐち のりこ

“利用者目線”を重視した開発が、自治体の新しい「システム文化」に

―今回の新型コロナウイルス対策におけるシステム構築では、どのような特徴がありましたか。

 キーワードは、“利用者目線”です。今回の対策を通じて、多くの首長と話す機会があったのですが、みなさん「とにかく住民と事業者を守らないといけない」と。自治体における従来のシステム構築は、まず要件定義を決めて、システムを構築して、テストをして……と1年くらいかけて行うものでした。

 しかし、今回の特別定額給付金や補助金の給付は、一刻を争うもの。1年かけて、なんてありえないわけです。そこで当社は、パートナー企業と連携し、クラウドサービス『Salesforce』を活用することで、スピーディなシステム構築を行ったのです。完璧なシステムありきではなく、まずはいち早くリリースして利用者に使ってもらい、必要があればその都度改善する。そうしたアジャイル開発を可能にするクラウドサービスだからこそ、今回3社にお話しいただいた開発が実現できたのです。

―自治体からの反応はいかがでしょう。

 「使ってもらうことを優先した開発をしてもいいんだ」と、体感された方が多かったと思います。またそのほうが、住民にも使いやすいシステムになることも理解してもらったのではないかと。今回の件は、自治体におけるデジタルトランスフォーメーションの新たな文化につながったのではないかと思います。今後は、こうした支援をパートナー企業と行っていきたいですね。

株式会社セールスフォース・ドットコム
設立 平成12年4月
資本金 4億円
事業内容 クラウドアプリケーションおよびクラウドプラットフォームの提供
URL https://www.salesforce.com/jp/
問い合わせ先 0120-733-257(平日9:00〜18:00)
https://www.salesforce.com/jp/solutions/industries/government/overview/
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