
民間企業の取り組み
知育絵本による子育て支援
「世界にひとつの自分だけの絵本」で、一人ひとりの子どもに特別な体験を
※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
近年、自治体の子育て支援事業をめぐっては、絵本とのふれあいを通して子どもの読書習慣の定着を促す取り組みが注目されている。そうしたなか、子ども向け絵本の製作を手がけるNTT印刷の細川氏は、「科学的エビデンスに基づいて開発された『パーソナル知育絵本』で、そのような自治体の取り組みの効果をさらに高めたい」と提案する。「パーソナル知育絵本」とはどのようなものか。導入効果とともに、同氏に聞いた。

科学的なエビデンスに基づき、子どもごとに内容が変わる
―「パーソナル知育絵本」とは、どのようなものでしょう。
一人ひとりに合わせて内容が変わる絵本です。物語の主人公は子ども自身となり、名前と性別が変わるほか、言葉の成長段階に合わせて絵本の内容も変化します。これは、NTTコミュニケーション科学基礎研究所が蓄積してきた「子供の語彙発達に関する科学的エビデンス」に基づいたものであり、一人ひとりの言葉の発達状況に合わせて、子どもが「理解しやすい言葉」や「発話しやすい言葉」がイラストと一緒に登場します。色使いやイラストの可愛さなども工夫され、子どもが親しみやすい内容になっているのも特徴です。
―開発の経緯を教えてください。
最近の子どもに関する研究では、「幼児期の絵本読み聞かせ量とその後の学力に、強い関係性がある」という報告があります。そのため、多くの自治体では子育ての早い段階から子どもが絵本になじめるような施策に力を入れています。そこに「世界にひとつの自分だけの絵本」という新しい選択肢を提示できれば、より多くの子どもが絵本好きになってくれるのではないか。そう考えて開発したのが「パーソナル知育絵本」です。ここにはNTTコミュニケーション科学基礎研究所の研究成果のほか、一枚ごとに印刷内容を自由に変えられる当社の「バリアブル印刷」技術が活用されており、注文から2週間で全国にお届けすることが可能です。
親子での「おうち時間」を、楽しむためのツールとしても
―「パーソナル知育絵本」は、どのように活用できますか。
子どもの言葉の理解・発達を後押しする子育て支援のツールとしてはもちろん、今般の新型コロナウイルスの影響で増えている、親子での「おうち時間」を楽しむための住民サービスとしても使えます。また、絵本の申し込みや受け取りを地域の公共施設で行えば、子育て世代の来館を促し、子育ての不安や悩みを聞き出すことで、次のサポートにつなげる効果も期待できるでしょう。さらに、地域のキャラクターを取り入れた自治体オリジナル版の絵本も作ることができるので、郷土愛をはぐくむきっかけとしても利用できますね。
実際すでに、沖縄県恩納村では図書館への来館促進ツールとして活用されているほか、徳島県徳島市では、コロナ禍における在宅支援ツールとしての活用が始まっています。

―子育て支援に力を入れる自治体をどう支援していきますか。
今後、より多くの自治体を通じて、その地域に住むすべての子どもたちにこの絵本を届けたいと考えています。この絵本には、「生まれてきてくれた子どもへのメッセージ」や「名づけに込めた想い」などを載せられるページもあり、子どもにとってはまさしく「世界にひとつの自分だけの絵本」になります。親が子どもの言葉の成長を感じながら生活できる時間はわずかですが、当社ではそのかけがえのない時間を、この絵本でますます楽しく過ごしてもらえればと願っています。関心のある自治体のみなさんからのお問い合わせをお待ちしています。


「子どものためになる」と、とても喜んでもらえています
―「パーソナル知育絵本」の導入を決めた経緯を教えてください。
当館は平成27年に開設された恩納村で初めての図書館です。それ以前は、村には施設がなかったため、子どもも大人も読書に親しむ機会は少なかったと言えます。特に、子どもの発育にとって読書体験は重要ですので、子どもたちが絵本とのふれあいを増やしていくうえで、自分だけの「パーソナル知育絵本」はとても効果的と感じました。親御さんにも興味をもってもらえれば、絵本の受け取りを当館で行うことが来館のきっかけにもなると期待しました。
―どのような仕組みで絵本を配付しているのですか。
今年2月から乳幼児健診を利用して、絵本の申し込みチケットを配付しています。現在は新型コロナウイルスの影響で、残念ながら配付の機会は限られていますが、「パーソナル知育絵本」への関心は高く、2月の健診では、お声がけしたほぼすべての方に申し込みいただけました。「子どものためになる」「記念にもなる」と親御さんにはとても喜んでもらえていますね。
この絵本には、最新の研究成果が盛り込まれており、色使いや言葉選びがよく考えられているのがわかります。当村の絵本には、恩納村や文化情報センターのキャラクターも登場しますので、こうした地域愛をはぐくむためのひと工夫もうれしいですね。

設立 | 昭和44年4月 |
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資本金 | 1億円 |
従業員数 | 750人(令和2年5月現在) |
事業内容 | 一般商業印刷物の企画・編集・製版・印刷・製本・加工・封入・封緘・梱包・配送・発送および販売など |
URL | https://www.nttprint.com |
お問い合わせ電話番号 | 03-6453-7429 |
お問い合わせメールアドレス | ehon@nttprint.com |
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