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関係部署と地元事業者を巻き込み「包括管理」を成功に導く秘策とは

関係部署と地元事業者を巻き込み「包括管理」を成功に導く秘策とは

群馬県沼田市の取り組み

公共施設の持続的運営

関係部署と地元事業者を巻き込み「包括管理」を成功に導く秘策とは

沼田市 総務部 財政課 FM推進係 副主幹 戸部 隆之
[提供] 日本管財株式会社

※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


公共施設の持続的・効率的運営を目的に、いま自治体では複数の施設を一括して管理する包括管理の手法が注目されている。しかし、包括管理にはかかわる部署や事業者の数が多いため、その調整が導入の障壁となっているケースも多い。そうしたなか、沼田市(群馬県)では、独自のプロセスでその調整負担を軽減し、大規模な包括管理を実現したという。その経緯について、同市担当者に話を聞いた。

沼田市データ
人口:4万6,908人(令和2年7月末現在)世帯数:2万589世帯(令和2年7月末現在)予算規模:379億1,923万9,000円(令和2年度当初)面積:443.46km²概要:群馬県の北部に位置し、赤城山や武尊山など「日本百名山」の山々に四方を囲まれ、市街地は、市域を南北に貫流する利根川とその支流により形成された河岸段丘上に広がる。河岸段丘上に沼田城址があることから、「天空の城下町」と呼ばれる。気候は比較的降水量が少なく、夏冬・昼夜の寒暖の差の大きい内陸性気候に属し、果樹や野菜の栽培が盛ん。豊富な降雪量から、首都圏に近いスキー場としても有名。
沼田市
総務部 財政課 FM推進係 副主幹
戸部 隆之とべ たかゆき

新庁舎の総合管理を「スモール版包括管理」と設定

―沼田市が公共施設の包括管理を導入した経緯を教えてください。

 市内の公共施設をめぐっては、老朽化にともなって、設備の点検や修繕・補修といった管理に少なからぬ人手や予算が必要になり、事務コストは年々かさんでいました。また近年、各種法令の改正を受け、施設の仕様が法令に準拠しているか、専門家の目で巡回チェックしなければいけない時期も迎えていました。老朽化を受け、施設管理の品質向上も課題となるなか、これらをまとめて解決する手法として、包括管理に注目したのです。しかし、導入に向けては、関係部署が多いうえ、これまで各施設の管理を担当してきた地元事業者の理解を得る必要があり、そこに課題を感じていました。

―どのように解決したのですか。

 いきなり包括管理を実施するのではなく、段階的に移行していく方法をとりました。まず、昨年3月に完成した新庁舎を対象に、各種設備や警備・清掃業務などを一括して委託する総合管理を導入。これを、「スモール版包括管理」と位置づけることにしました。というのも、総合管理とは受託した事業者が個々の管理項目に応じて地元事業者を選定し、全体の管理品質を担保していくスキーム。これはまさに包括管理と同じです。この総合管理の経験を通じて、地元事業者には、「決して仕事が奪われるわけではない」ということが理解してもらえ、包括管理への協力を得られると期待しました。また、庁内の関係部署にも、事務コストの削減や管理品質の向上といった効果を実感してもらう良い機会になると判断したのです。

123施設で包括管理を実施。地元事業者の採択割合も上昇

―実際に、包括管理へはどのように移行したのでしょう。

 まずは、昨年3月からの総合管理実施にあたり、1年後の包括管理への移行を前提にプロポーザルを実施。自治体での包括管理の実績が豊富な日本管財を選定しました。日本管財には、総合管理をお願いしつつ、庁内や地元事業者に対して包括管理の説明を折々にしてもらい、スムーズな移行を実現するための土壌をつくってもらいました。その結果、今年4月の包括管理移行に際しては、約100社の地元事業者から参画の意志が。結果、包括管理移行後の地元事業者への委託割合は、従来の38%から48%へと向上しました。

―庁内の協力はいかがでしたか。

 12の所管課から協力が得られ、小中学校や保育園、公民館といった主要施設を中心に、想定を上回る123の公共施設を包括管理の対象に盛り込むことができました。包括管理の導入によって、今後は公共施設の管理品質が向上するだけではなく、将来的な統廃合や延命化を判断するうえで、重要なデータも収集できると期待しており、公共施設の持続的運営に向けて、有効な道筋ができたと考えています。


支援企業の視点

包括管理の導入で期待できる、管理品質の向上と域内経済効果

日本管財株式会社 営業統轄本部 マーケティング推進部 課長 杉本 全伸
[提供] 日本管財株式会社

※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


日本管財株式会社
営業統轄本部 マーケティング推進部 課長
杉本 全伸すぎもと よしのぶ

―公共施設の包括管理を導入する自治体は増えていますか。

 確実に増えています。ただし、導入に際しては所管課との合意形成や、地元事業者の協力といった部分に苦慮する自治体も多いと聞きます。その意味では、包括管理へ段階的に移行した今回の沼田市の事例は参考になるのではないでしょうか。また、合意形成が図れる施設から包括管理を導入し、年単位で無理なく対象施設を広げていく方法も有効です。調整に時間と労力をかけた末、時機を逸して、結局導入を断念するという事態は避けられるはずです。

―包括管理を成功させるポイントはなんでしょう。

 いかに地元事業者の協力を得るかです。包括管理を成功させるうえで、地元の事情や施設の状態を理解している地元事業者の協力は不可欠です。地元事業者にとっても包括管理は重要な利点があります。従来は大手に価格で対抗できなかった事業者も、包括管理への参画でスケールメリットを発揮する余地が生まれるからです。実際に、包括管理への移行後は、域内事業者の受託比率が総じて高まる傾向があります。域内経済を循環させる効果も期待できるのです。

―今後の自治体支援方針を聞かせてください。

 各自治体の事情に応じて柔軟にカタチを変えられる特徴を活かし、包括管理の導入を提案していきます。包括管理は、いま浮上している技術系職員の不足問題の有効な解決策にもなりえます。公共施設の持続的運営を実現したい自治体のみなさんは、ぜひお問い合わせください。

杉本 全伸 (すぎもと よしのぶ) プロフィール
昭和50年、東京都生まれ。専門学校卒業後、建物総合管理会社にて営業・業務管理を経験し、令和元年に日本管財株式会社へ入社。
日本管財株式会社
設立 昭和40年10月
資本金 30億円
売上高 1,063億円(令和2年3月期:連結)
営業収益 9,752人(令和2年3月31日現在:連結)
事業内容 建物総合管理事業、保安警備事業、環境施設管理事業、プロパティマネジメント事業、マンション管理事業など
URL https://www.nkanzai.co.jp/
お問い合わせ電話番号 営業統轄本部マーケティング推進部
03-5299-0851 (受付 9:00〜17:00)
お問い合わせメールアドレス eigyo_market@nkanzai.co.jp
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