
民間企業の取り組み
ウイルス感染拡大防止策
3密予防アプリとデバイス活用で、安心・安全な地域づくりを
代表取締役社長 櫻井 英治
事業開発部 新事業推進課 チーフプランナー 山下 美月
※下記は自治体通信 Vol.26(2020年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
新型コロナウイルス感染症のさらなる拡大が進むなか、自治体でも住民の安心・安全を守るための施策が日々、検討・実施されている。そんななか、新型コロナウイルス対策のサービスを新たに始めたエラン代表の櫻井氏は「日常生活のなかで住民の行動変容をうながす取り組みが必要だ」と強調する。どのような行動変容が必要で、そのための方策はなにか。同社の山下氏も含めた2人に、詳細を聞いた。


つねに住民が意識できる、ツールがあればいい
―感染症拡大の防止に向け、住民に対しどのような行動変容をうながす必要がありますか。
櫻井 普段から、徹底的に「3密」を避けるための意識づけを行っていくべきです。これは、言わば当たり前の話かもしれません。しかし、新型コロナウイルスが身近に存在するような日常生活においては、その意識が薄れることもあるかもしれない。自治体でも、HPや防災無線などで感染拡大防止のため、住民に対して注意喚起を行っていますが、住民自らがつねに3密を意識して回避するような取り組みが必要だと考えられます。
―そのためにはどうすればいいでしょう。
櫻井 日常生活で、つねに3密を意識できるツールがあればいいのです。そう考えた当社は、実際に3密を予防するためのアプリを開発し、7月にリリースしました。それが『ELAN@meet’s』です。
山下 これは、周囲の人が所持しているスマートフォンやフィーチャーフォンなどの端末から発生する電波を検知し、自身がいるエリアの状況などを加味したうえで、密閉・密集・密接の状況を計算してお知らせするアプリです。たとえ周囲の人が、アプリをダウンロードしていなくても検知が可能。サーバを介することなく、端末の『Bluetooth』からの電波を検知するので、個人情報を取得することはありません。なにか作業に集中している際、周囲に意識が向かないときもあるでしょう。アプリでは、青「安全」、黄「注意」、赤「危険」の3色で現在の3密状態を検知し、警告してくれるのです。
―ほかに機能はありますか。
山下 過去2週間にわたって行動状況を累計・判定し、自身がどんな3密状態にいたかを指標でチェックすることが可能。それにより、「自分が感染している可能性」のリスク判断になるほか、「今後自分がどう行動すべきか」の基準になるのです。
櫻井 『ELAN meet’s@carry』というデバイスを併用することで、その活用範囲は広がります。たとえば、病院や自治体窓口、イベント会場、飲食店などにこのデバイスを置くとしましょう。すると、「その場所に行きたい」と考えたアプリ利用者は、その場所における現在の混雑状況を把握できるのです。空いていれば安心して向かえますし、混んでいれば「いまは行くのは止めておこう」と判断できるのです。
一方、デバイスを置いている側も、アプリ利用者であれば、過去2週間の3密状況をチェックできるため、安心して迎え入れるための判断材料になりえます。ちなみに、アプリは無料ですがデバイスは有料です。


避難場所の選定基準や、経済への活用も可能
―なぜこのようなアプリとデバイスを開発したのでしょう。
山下 当社はもともと、病院向けのサービスを手がけており、病院のお困りごとを解決するアプリを昨年から開発していたのです。そこに新型コロナウイルスが発生し、「このアプリ内のコンテンツを3密予防に活かせるのでは」と急きょ方向転換し、リリースしたのです。
櫻井 これを使えば、なにか災害があったときに避難所の混雑状況がわかるため、避難する場所の選定基準にもなります。
また、3密状態を回避してきた人にはお店側がクーポンを発行する、といった経済的な利用も考えられます。3密予防はもちろん、地域でみなさんが安心・安全に生活するための支援をしていきたいですね。
設立 | 平成7年2月 |
---|---|
資本金 | 5億7,349万6,250円(令和2年3月31日現在) |
売上高 | 215億1,800万円(令和元年12月期) |
従業員数 | 412人(令和2年1月1日現在) |
事業内容 | 病院や施設の患者・入所者向けの日用品レンタルシステム『CSセット』の提供、3密防止アプリ『ELAN@meet’s』の開発・運営など |
URL | https://www.kkelan.com/ |
お問い合わせ電話番号 | 0800-111-3128 (平日9:00~17:00) |
お問い合わせメールアドレス | ir-info@kkelan.com |
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