
熊本県熊本市
SNSを活用した住民からの情報提供
LINE経由の通報で、“市民の気づき“を詳細に把握
※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
まちの安心・安全を維持するために、公共インフラの破損など“地域に関する気づき"を知らせる住民からの連絡は、防災・減災にもつながる、自治体にとって貴重な情報源のひとつだ。しかし、電話による通報は、場所や状況の詳細が把握しづらいという課題がある。こうした課題に対し、熊本市(熊本県)は、LINEを通じて正確な情報提供を受ける仕組みづくりを図っている。導入の経緯や得られた成果について、情報政策課の廣岡氏に聞いた。

公共施設の不具合報告は、年間約5,000件
―熊本市では住民からどのような通報を受けつけていますか。
道路の陥没や照明灯、ガードレールの破損、河岸の損壊など、さまざまな通報を受けつけています。土木部門の維持補修担当課が受ける通報の数は、合計で年間約5,000件。週換算では約90件にのぼります。公共インフラの損傷などについて多くの通報をいただけるのは良いことなのですが、同時に、“気づき“の詳細が伝わりにくいという課題も感じていました。
―詳しく聞かせてください。
電話による通報の場合、開庁時間にしか対応できず、“気づき“から時間が経過している場合もあり、位置や状況などの詳細が把握しづらいという課題があります。また、市民にとっても、通報したい詳細を簡易な方法で市役所に通報できないという課題があります。
―それらの課題にどう対処したのでしょう。
『KANAMETO』というメッセージツールを導入し、2年前から活用していた市のLINE公式アカウントに通報機能を追加しました。ユーザーはまず、LINEのリッチメニュー(※)から「市民レポート」をタップ。そこから、チャットボットで自動表示される案内に従い、通報項目を選択。さらに、写真の撮影・送信や位置情報の送信を行います。通報が完了すると、登録された担当部署に通知が届くのです。
※リッチメニュー:LINE公式アカウントの機能のひとつで、ユーザーを各種コンテンツに誘導するためにトーク画面の下部に大きく表示されるメニュー
―新たな機能をどう評価していますか。
市民が使い慣れたツールで伝えてくる、写真や位置など詳細な情報を、受付時点から把握できる点にメリットを感じています。また、電話と異なり、リアルタイムで通報を受けられる点も評価しています。通報内容は一括でダウンロードでき、通報内容を確認したい場合は1対1のチャットも可能です。LINEで手軽に通報できるようになり、市民の“気づき“を受け取る機会が増えると我々は期待しています。


行政と市民による、双方向の情報発信が可能に
―今後の活用方針を聞かせてください。
熊本市LINE公式アカウントの「友だち」の数は現在、約6万人ですが、この数をさらに増やし、市民と行政をつなぐチャネルとして活用していきたいです。当市は平成28年熊本地震を受け、行政から防災・減災の情報を市民に発信する手段として『KANAMETO』を導入しましたが、今回の機能追加で、LINEを介した双方向の情報発信が可能となりました。行政と市民が一体となり、地域の課題解決に取り組んでいきたいと考えています。
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