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ユニバーサルデザインの活用が、魅力的なまちづくりの起点に

[提供] 株式会社モリサワ
ユニバーサルデザインの活用が、魅力的なまちづくりの起点に

三重県いなべ市の取り組み

情報発信力の強化

ユニバーサルデザインの活用が、魅力的なまちづくりの起点に

いなべ市 副市長 岡 正光
[提供] 株式会社モリサワ

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


地方創生の実現や人口減少という課題の解決に向けて、多くの自治体が行政運営を行ううえで、SDGsを重要な指針に据えている。いなべ市(三重県)も、そうした自治体のひとつだ。同市ではそのための手段として、情報発信のあり方に工夫を凝らしているという。副市長の岡氏に、取り組みの詳細やその効果などを聞いた。

いなべ市データ
人口:4万5,576人(令和2年7月1日現在)世帯数:1万8,730世帯(令和2年7月1日現在)予算規模:354億5,321万4,000円(令和2年度当初)面積:219.83km²概要:北は養老山地、西は鈴鹿山脈に囲まれ、市域のほぼ中央を員弁川が流れるなど自然豊かな地域。鈴鹿国定公園内にある花の百名山藤原岳、滝めぐりの宇賀渓、竜ヶ岳は、年中トレッキング客で賑わう。一方で、自動車関連メーカーをはじめ多くの企業が進出し、日本のものづくりを担う中部圏の一画としての顔をもつ。
いなべ市
副市長
岡 正光おか まさみつ

市の先進性を示して、目指すは「活力創生のまち」

―いなべ市がSDGsの取り組みを推進する理由を教えてください。

 当市が「総合計画」で掲げるビジョン「住んでいーな!来ていーな!活力創生のまち いなべ」を実現するうえで、持続可能なまちづくりにつながるSDGsの達成が、その近道と考えたからです。また、先進的なSDGsの取り組みを行うことで、いなべ市に魅力を感じてくれる市内外の方々がもっと増えると。そこで、平成30年度から「いなべブランド」に位置づけられる市の各事業を、SDGsが示す17の目標に紐づけて表現しています。

 そのうえで、行政だけではなく、さまざまな立場の人がSDGsを意識できるようなまちづくりを進めていくことも重要です。そのために早くから着手してきたのが、情報発信のあり方を見直すことでした。

―それはなぜですか。

 当市には、多様な住民が暮らしているという事情があるからです。実際、自動車産業を中心とする製造業が基幹産業の当市では、住民の約5%が外国人です。これは、県内で3番目に高い比率です。また、高齢化率も年々高まり、高齢者に配慮した情報発信のあり方がますます必要に。さらに、市のこれからを担う子どもたちも含め、国籍や年齢、障がいの有無などにかかわらず、情報発信における「ダイバーシティの確立」をすべての政策の基盤にすべきと考えたのです。

職員自身も学んだ「伝えることの大切さ」

―具体的に、どのような取り組みを始めたのでしょう。

 市の広報誌やホームページにユニバーサルデザイン(以下、UD)フォントを導入したほか、庁内や学校内の端末でもUDフォントを使えるようにしました。文字のかたちをわかりやすく、読みやすくして、高齢者や弱視、ディスレクシア(※)といった方々にも伝わりやすくしたのです。さらに、日本語のコンテンツを9言語へ自動翻訳する機能を搭載した多言語デジタルブック『MCCatalog+』も導入。デジタル端末上で外国語での表記や音声読み上げにも対応し、外国人への情報発信も強化しています。

※ディスレクシア:文字の読み書きに限定した困難さをもつ疾患。「発達性読み書き障がい」とも呼ばれる

―それらの効果はいかがですか。

 「広報誌やホームページが読みやすい」と住民から高評価を得ただけでなく、職員自身がUDフォントの活用を通じ、レイアウトを調整して読みやすさを追求するなど「伝えることの大切さ」を学んでいるのは大きな効果です。UDフォントの導入は、それ自体がSDGsの取り組みへの大きな一歩と言え、「質の高い教育」「不平等をなくす」などSDGsの個別目標達成の手段にもなります。また、情報をデジタル配信する『MCCatalog+』は、ペーパーレス化と配送負担の軽減につながるため、SDGsの個別目標である「省エネ」「環境保全」などの達成にも寄与します。

 これからも、UDフォントや『MCCatalog+』を活用した情報発信のさらなる強化を通じて、SDGsを推進し、魅力あるまちづくりに力を入れていきます。


支援企業の視点

情報発信のあり方を見直せば、SDGs目標達成の基盤がつくれる

株式会社モリサワ 公共ビジネス課 係長 ユニバーサルデザイン アドバイザー 橋爪 明代
[提供] 株式会社モリサワ

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


株式会社モリサワ
公共ビジネス課 係長 ユニバーサルデザイン アドバイザー
橋爪 明代はしづめ あきよ

―SDGsの推進に取り組む自治体は増えていますか。

 最近は特に増えていると感じます。その背景には、地方創生の実現や人口減少対策など多くの自治体が抱える課題解決のための施策と、SDGsの目標達成のための行動とが、非常に親和性が高いという側面があるからでしょう。

 ただし、具体的にどのような施策に落とし込むべきか、頭を悩ませている担当者が多いのも事実です。そこで当社では、情報発信のあり方を見直す提案をしています。

―その理由はなんでしょう。

 自治体からの情報を、そこに住む多様な住民に広く公平に伝わりやすくしていくことが、SDGsの目標達成におけるすべての基盤となるからです。いなべ市と同じような問題意識をもった自治体においては、高齢者や障がいをもった方々にも伝わりやすい当社のUDフォントや、外国人への情報発信に最適な『MCCatalog+』を導入する例が増えています。両サービスは延べ200以上の自治体で採用され、情報発信力の強化に貢献しています。

―今後の自治体支援の方針を聞かせてください。

 当社は、「文字を通じて社会に貢献する」という社是を掲げています。そこで、UDフォントや『MCCatalog+』といった独自のツールを通じて自治体のSDGs推進を支援することは、まさにこの社是にかなう活動だと考えています。

 「伝える」から「伝わる」への進化をコンセプトに、今後も自治体の情報発信を支援していきます。

橋爪 明代 (はしづめ あきよ) プロフィール
昭和58年、東京都生まれ。大学卒業後、平成18年に株式会社モリサワ入社。フォント営業部で教育機関に向けたブランドプロモーションを手がける。平成29年3月から現職。
株式会社モリサワ
設立 昭和23年12月(創業/大正13年7月)
資本金 1億円
売上高 137億円(令和2年2月期)
従業員数 340人
事業内容 フォント事業、ソフトウェア事業、ソリューション事業
URL https://www.morisawa.co.jp/
お問い合わせ電話番号 03-3267-1378(平日9:00~17:00)
お問い合わせメールアドレス public-biz@morisawa.co.jp
株式会社モリサワ
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