全国の自治体トップ・職員・議員に贈る 自治体の"経営力"を上げる情報サイト

いまこそ教育ICTに求められる、「定着」のための施策

いまこそ教育ICTに求められる、「定着」のための施策

長野県軽井沢町

教育現場へのICTの定着

いまこそ教育ICTに求められる、「定着」のための施策

軽井沢町教育委員会 こども教育課 山内 隆照
軽井沢町立軽井沢中学校 教頭 (現:信濃町立信濃小中学 校長) 武内 裕
[提供] コニカミノルタジャパン株式会社

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


昨年末、政府が打ち出した「GIGAスクール構想」を受け、教育現場におけるICT導入の動きがさらに加速度を増している。そうしたなか、いち早く教育のICT化に着手してきた軽井沢町(長野県)では、導入後の「定着」に重きを置いた施策で成果をあげているという。同町で教育のICT化を推進する2人のキーパーソンに、詳細を聞いた。

軽井沢町データ
人口:2万717人(令和2年7月1日現在)世帯数:1万147世帯(令和2年7月1日現在)予算規模:221億3,484万円(令和2年度当初)面積:156.03km²概要:長野県の東端、群馬県境に位置する。標高2,568mを誇る浅間山の南東斜面、標高900~1,000m地点に広がる高原の町。江戸時代は善光寺詣での旅人や参勤交代の大名でにぎわう峠の宿場町として栄えた。明治に入り、外国人宣教師によってその魅力が発掘されて以降、日本を代表する避暑地として知られている。
軽井沢町教育委員会
こども教育課
山内 隆照やまうち たかあき
軽井沢町立軽井沢中学校
教頭 (現:信濃町立信濃小中学 校長)
武内 裕たけうち ゆたか

町内すべての小中学校で、1人1台の端末を支給

―教育のICT化を進めてきた経緯を教えてください。

山内 当町では平成27年に、「こころ豊かに」「ぶんかを育て」「しぜんを愛する」という町独自の教育理念をうちたてました。そして、その実践に向けて、児童生徒の可能性と教員の授業力を最大限に引き出す狙いから、教育のICT化を推進してきました。平成30年に「21CALプロジェクト(※)」を立ち上げ、町内すべての小中学校で1人1台(※)のタブレットを支給する方針を決めたのです。

※21CALプロジェクト:「21Century Active Learningプロジェクト」の略。CAL(カル)は軽井沢の「軽」ともかけている
※1人1台:小学4年生以上。小学校1~3年生はグループに1台を支給

―環境整備はどのように進めたのでしょう。

山内 まず、教育委員会で基本計画を策定し、プロジェクト業務を委託する企業を選定しました。その際は、「年度内での環境整備の完了」「教育理論に基づく導入支援」「定量的な効果測定の実施」という3つの要件を設定。プロポーザル選考の結果、コニカミノルタジャパンを選定しました。

 同社には、授業に耐えうる安定した通信環境を年度内に整備すべく、ICT基盤の設計・構築・運用、さらには端末やソフトウェアの調達・設定を一括で依頼。児童生徒約1,600人、教員約130人に端末を配布し、平成31年2月から運用を始めることができました。

 一方で、我々は導入後の5ヵ年をICT教育の定着期間と位置づけ、年度ごとの行動計画案にもとづいた施策を実施しました。

教育理論にもとづいた「学校ICT定着プログラム」

―それはどのような施策ですか。

山内 コニカミノルタジャパンから提案を受けた「学校ICT定着プログラム」という施策で、大学教授の監修による確かな教育理論にもとづいたものです。教員向け研修やICT支援員の常駐といった支援のほか、ICT授業が学校や児童生徒に与えた影響を定量的に測定する「ICT効果測定キット」で構成。効果測定は、町民や議会への説明責任を果たすうえでも重要な役割を果たします。このプログラムがプロジェクトのもっとも重要な成果と評価しています。

―教育現場では、どのような効果が得られているのでしょう。

武内 子どもたちの表現力が飛躍的に伸びたと感じています。当校では、毎年10月に「職業体験」という授業があります。従来は、その振り返りを壁新聞などにまとめていたのですが、昨年はその内容が一変。ツールを自在に駆使し、各自が堂々とプレゼンテーションを行う姿に驚かされました。ICT授業が子どもたちの潜在能力を見事に引き出してくれました。

―今後、どのようにICT授業を発展させていきますか。

武内 子どもたちの変化を目の当たりにし、ICT授業の成果を実感するとともに、成功のカギは、現場の教員だということも理解できました。それゆえ、コニカミノルタジャパンによる後方支援の意味は大きいです。今後も確かな理論にもとづいた同社の支援を活かし、町の教育理念を体現した授業を実現していきたいです。


支援企業の視点

ICT化の「真の成果」を得るには、長期的・計画的な導入支援が重要に

コニカミノルタジャパン株式会社
デジタルワークプレイス事業統括部 ソリューション営業統括部
ソリューション第1営業部 ソリューションエグゼクティブ
串田 裕也
[提供] コニカミノルタジャパン株式会社

※下記は自治体通信 Vol.25(2020年8月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。


コニカミノルタジャパン株式会社
デジタルワークプレイス事業統括部 ソリューション営業統括部
ソリューション第1営業部 ソリューションエグゼクティブ
串田 裕也くしだ ゆうや

―教育ICTを推進するなか、現場の課題とはなんですか。

 ICT化をいかに「定着」させるかが課題です。現状は、機器の導入ばかりに関心が向き、「深い学びに活かす」という本来の成果が得られていないケースは多いです。ただでさえ業務負荷が大きく、個々の教員のITリテラシーに差もある現場で負担なく導入するには、最低5年は必要と当社は考えています。

―その理由はなんですか。

 教員の情報モラル醸成や、端末・ソフトウェアの実習といった一般的な導入支援だけでは定着にはいたらないからです。学年・授業単位での導入はもとより、義務教育9年間を見すえた授業プラン、さらには教科横断の相乗効果が得られる運用計画なども策定すべきです。そこから、教員や教科の差がなく、学校全体として成果が享受できる状態をつくりあげる必要がある。そのため当社では、教育学の専門家の協力を得ながら、ICT機器全般への知見を活かした長期的な定着支援を実施しているのです。導入過程で問われる成果についても、学術的根拠のある定量的な成果報告を作成することで、関係者すべてが納得できる導入を実現していきます。

―自治体に対する今後の支援方針を聞かせてください。

 軽井沢町の中学校では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた休校措置のなか、ICTによる遠隔授業を早くから実践できました。その際、「定着を重視した当社のサポートが迅速な対応に貢献した」と聞いています。この成果を今後、多くの自治体に提供していきたいですね。

串田 裕也 (くしだ ゆうや) プロフィール
昭和54年、神奈川県生まれ。平成14年に大学卒業後、大手ソフトウェアベンダーに入社。システムインフラの構築提案や自社製品の営業業務に従事。平成26年にコニカミノルタジャパン株式会社に入社。同年より現職。おもに顧客の課題をヒアリングし、解決案を提案するソリューション営業業務に携わる。
コニカミノルタジャパン株式会社
設立 昭和22年10月
資本金 3億9,710万円
従業員数 3,334人(令和2年4月現在)
事業内容 複合機(MFP)・プリンター、印刷用機器、ヘルスケア用機器、産業用計測機器などの販売、ソリューション・サービスなど
URL https://www.konicaminolta.jp/business/
お問い合わせメールアドレス kmj-edu@gcp.konicaminolta.com
この記事で支援企業が提供している
ソリューションの資料をダウンロードする
\ たった1分で完了! /
 資料ダウンロードフォーム